デジタル人材育成の現場から見えた若年層のAIリテラシー教育の必要性
DX支援企業のスパイスファクトリーが実施した中高生向けキャリア教育プログラムで、生成AIの利用実態と若年層の意識に関する調査結果が明らかになった。中高生の生成AI利用率は全体で約73%に達し、将来的な活用意欲を持つ学生は97%に上ることが判明。一方で、適切な利用方法を学ぶ機会の不足が課題として浮かび上がっている。
想定以上に進む中高生のAI活用
2025年3月から12月にかけて同社の企業訪問プログラムに参加した中高生230名を対象としたアンケートによると、生成AIサービスの利用経験者は中学生で64.6%、高校生では80.9%となった。これは他の調査機関が発表した数値を大きく上回る結果だ。
利用ツールの内訳では、ChatGPTが73.5%と圧倒的なシェアを占め、Geminiが10.9%、Copilotが8.1%と続いている。また、将来的に日常生活や学習、仕事で生成AIを活用したいかという問いに対しては、ほぼ全ての学生が前向きな姿勢を示した。
リテラシー教育の重要性が増大
若年層の生成AI利用が急速に広がる一方、適切な使用方法に関する教育機会は十分とは言えない状況だ。2025年12月には、生成AIを悪用した画像加工事件や通信回線への不正アクセスで中高生が逮捕される事案も発生している。
スパイスファクトリーは社内で生成AI利用率100%を達成し、AI基本方針を策定して責任ある活用を推進してきた。2026年のキャリア教育では、こうした企業の実践例を通じて、中高生に対する「責任ある利活用」のリテラシー向上に取り組む方針だ。
企業訪問が若者の将来観を変える
同社は2023年6月から中高生のキャリア教育支援として企業訪問の受け入れを継続しており、2025年12月時点で累計982名の学生を受け入れた。2024年には49校450名、2025年には22校241名が訪問し、活動は大学生や教員研修にも拡大している。
注目すべきは、企業訪問前後での学生の意識変化だ。訪問前に自身の将来について不安を感じていた学生は約57%だったが、訪問後には86%が明るい見通しを持つようになった。実際の働く現場に触れることで、「失敗を恐れずに新しいことに挑戦することの大切さを学ぶことができた」といった声が寄せられている。
教育と社会をつなぐ取り組みへ
ユネスコが2026年の教育の国際デーのテーマとして掲げたのは「教育を共創する若者の力」だ。また、日本の第4期教育振興基本計画でも、学校・家庭・地域・社会が一体となった多様な学びの機会創出が基本方針として示されている。
同社取締役CSOの流郷綾乃氏は、企業訪問が単なる職業紹介ではなく、社会と自分との関係性を考える場として機能していると強調。IT企業だからこそ伝えられる内容として、ツールに使われない人間力の育成に注力する考えを示した。
スパイスファクトリーは2026年も年間300名以上の中高生受け入れを予定しており、生成AI時代における次世代育成の取り組みを継続していく。
参照元
PR TIMES「97%の中高生が生成AI活用に意欲、キャリア教育で責任ある利活用へ」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000152.000022779.html
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