1. OneDriveとは
OneDriveは、Microsoftが提供するクラウドストレージサービスです。非営利団体の皆さんにとって、活動報告書や会計資料、イベント写真など、重要なファイルを安全にクラウド上で保存し、スタッフやボランティアと簡単に共有できるツールです。
最大の魅力は、Microsoft 365非営利団体向けプログラムを通じて、1ユーザーあたり1TBという大容量のストレージを無料で利用できることです。
2. サービス基本情報
どんなツールか
OneDriveは、クラウド上にファイルを保存し、どこからでもアクセスできるオンラインストレージサービスです。パソコン、スマートフォン、タブレットなど、あらゆるデバイスからファイルにアクセスでき、自動でバックアップや同期が行われます。
Word、Excel、PowerPointなどのOfficeファイルをブラウザ上で直接編集でき、複数のメンバーで同時に共同編集することも可能です。
非営利団体は無料/割引で使えるか
はい、利用できます。Microsoft 365非営利団体向けプログラムの「Business Basic寄贈版」を通じて、OneDriveを含むサービスを無料で利用できます(最大300ユーザーまで)。各ユーザーに1TBのストレージが割り当てられるため、個人向けの無料版(5GB)と比較して200倍の容量を使用できます。
提供している会社
Microsoft Corporation(マイクロソフト社)が提供しています。世界中で広く利用されている信頼性の高いクラウドサービスです。
3. どんな団体におすすめ?
組織の規模
- 小規模団体:
5〜10名程度のスタッフで活動する団体に最適です。無料で1TB/人の大容量ストレージが使えます - 中規模団体:
複数の拠点を持つ団体や、多くのファイルを共有する必要がある団体。自動同期機能で常に最新のファイルにアクセスできます - 大規模団体:
300名まで無料で利用可能。それ以上のユーザーが必要な場合は、有料プランを割引価格で利用できます
具体的な使用場面
- 活動報告書や会計資料などの重要書類の保管とバックアップ
- イベント写真や動画の保存と共有
- スタッフやボランティア間での資料の共同編集
- 複数拠点間でのファイル共有と情報の一元管理
- パソコンの故障や紛失時のデータ復旧
- 外出先からスマートフォンで資料を確認
4. できること(主要機能)
ファイルの保存と同期
クラウド上にあらゆる種類のファイルを保存でき、パソコンのフォルダと自動で同期されます。1ユーザーあたり1TB(1,000GB)の容量があるため、写真なら約25万枚、動画なら約100時間分を保存できます。デバイス間で自動的に最新の状態に保たれるため、常に最新のファイルにアクセス可能です。
ファイル共有と共同編集
特定のファイルやフォルダをスタッフやボランティアと簡単に共有できます。共有時には、閲覧のみ許可するか編集も許可するかを選択でき、アクセス権限を細かく設定できます。
Word、Excel、PowerPointファイルは、複数のメンバーで同時に編集でき、誰がどこを編集しているかリアルタイムで確認できます。
自動バックアップとバージョン履歴
パソコンのデスクトップ、ドキュメント、ピクチャフォルダを自動的にOneDriveにバックアップできます。パソコンが故障しても、新しいパソコンでOneDriveにサインインすればすぐにデータを復元できます。また、ファイルの変更履歴が自動で保存されるため、過去のバージョンに戻すことも可能です。
モバイルアクセス
スマートフォンやタブレット用のOneDriveアプリを使えば、外出先からでもファイルにアクセスできます。会議や外出中に急に資料が必要になった場合でも、すぐに確認・ダウンロードできます。スマートフォンで撮影した写真も、自動的にOneDriveにアップロードする設定が可能です。
セキュリティとデータ保護
ファイルは暗号化されてクラウドに保存されるため、安全性が高いです。誤ってファイルを削除しても、90日間はごみ箱に残っているため復元できます。ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)の検出機能もあり、攻撃を受けた場合は通知され、30日以内であればファイルを侵害される前の状態に復元できます。
5. 非営利団体の特典
無料プランの詳細
Microsoft 365 Business Basic寄贈版(2025年12月現在)
- 利用可能ユーザー数:最大300名まで無料
- ストレージ容量:1ユーザーあたり1TB(1,000GB)
- 主な機能:
- OneDriveクラウドストレージ(1TB/ユーザー)
- Web版とモバイル版のMicrosoft 365アプリ(Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど)
- Microsoft Teamsでのチャット、通話、会議
- 独自ドメインのメールアドレス
- セキュリティ機能(ランサムウェア検出、バージョン履歴など)
通常プランとの違い
一般向けの無料版OneDriveと比較すると、非営利団体向けプログラムでは以下の点が優れています。
| 項目 | 一般の無料版 | 非営利団体向け無料版 |
| ストレージ容量 | 5GB | 1TB/ユーザー |
| 独自ドメインメール | 利用不可 | 利用可能 |
| Officeアプリ | Web版(制限あり) | Web版とモバイル版 |
| 管理機能 | なし | 管理コンソールあり |
| サポート | コミュニティのみ | 標準サポート |
| セキュリティ | 基本機能のみ | 高度なセキュリティ機能 |
有料プランの割引
さらに高度な機能やデスクトップ版Officeアプリが必要な場合、以下の有料プランを最大75%の割引価格で利用できます。
- Microsoft 365 Business Standard:
最大75%割引(デスクトップ版Office、会議録画機能など) - Microsoft 365 Business Premium:
最大75%割引(高度なセキュリティ機能など)
対象法人
以下の法人格を持つ団体が対象となります。
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 公益社団法人
- 公益財団法人
- 社会福祉法人
- 非営利徹底型の一般社団法人
- 公共図書館
- 公共博物館
※政府機関、学校・教育機関、病院、公共交通機関、金融機関は対象外です
6. 始め方
申請のステップ
ステップ1:利用資格の確認
まず、あなたの団体が対象法人格を持ち、非営利活動の要件を満たしているか確認してください。
ステップ2:Microsoft非営利団体向けプログラムへの登録
Microsoft非営利団体向けプログラムの公式サイト(https://www.microsoft.com/ja-jp/nonprofits/ )から「始める」をクリックし、団体の基本情報を入力します。
ステップ3:必要書類のアップロード
団体の登記情報や活動内容を証明する書類をアップロードします。多くの場合、オンラインで登記情報が確認できれば追加書類は不要です。
ステップ4:審査待ち
Microsoftによる資格確認が行われます。通常1週間程度で審査が完了します。
ステップ5:承認とサービス購入
審査が承認されると、メールで通知が届きます。非営利団体向けポータルにログインし、Microsoft 365 Business Basic寄贈版を「購入」(無料)します。
ステップ6:セットアップ
ドメインの設定、ユーザーアカウントの作成、各メンバーへのライセンス割り当てを行います。Microsoft 365管理センターから簡単に設定できます。
ステップ7:OneDrive利用開始
各メンバーがOneDriveアプリをダウンロードするか、Webブラウザからアクセスして利用を開始します。Windowsパソコンには標準でOneDriveがインストールされているため、サインインするだけで使えます。
必要な書類
審査時に以下の書類の提出を求められる場合があります。
- 登記簿謄本(法人格を証明するもの)
- 定款
- 事業報告書
- 決算報告書
- 団体のWebサイトのURL
申請から使えるまでの期間
- 申請書類の提出:即日
- 審査期間:通常1週間程度
- セットアップ:数時間〜1日
- 合計:約1〜2週間程度
申請ページのURL
7. 料金比較
| 項目 | 一般向け無料版 | 非営利団体向け無料版(Business Basic) | 一般向け有料版(Basic) |
| 月額料金 | 無料 | 無料(最大300ユーザー) | 月額260円/ユーザー |
| ストレージ容量 | 5GB | 1TB/ユーザー | 100GB |
| ユーザー数 | 1名のみ | 最大300名 | 1名のみ |
| Officeアプリ | Web版(制限あり) | Web版とモバイル版 | Web版のみ |
| デスクトップ版Office | なし | なし | なし |
| 独自ドメインメール | なし | あり | なし |
| Microsoft Teams | なし | あり | なし |
| 管理コンソール | なし | あり | なし |
| サポート | コミュニティのみ | 標準サポート | エキスパートサポート |
| バージョン履歴 | 30日間 | 30日間 | 30日間 |
| ランサムウェア検出 | なし | あり | あり |
8. 使い方の例
例1:活動報告書と会計資料の一元管理
団体の活動報告書、会計資料、定款などの重要書類をOneDriveの専用フォルダに保存し、スタッフ全員で共有できます。例えば「理事会資料」「会計」「事業報告」といったフォルダを作成し、関連する書類を整理します。
理事会前には資料を共有フォルダにアップロードするだけで、全理事がいつでも最新版を確認できます。過去の資料もすべてクラウドに保存されているため、パソコンを買い替えてもデータが失われる心配がありません。
例2:イベント写真の保存と共有
団体が開催したイベントの写真をOneDriveに保存すれば、スタッフやボランティア全員で簡単に共有できます。1TBの容量があるため、高画質の写真を約25万枚保存できます。
スマートフォンで撮影した写真を自動的にOneDriveにアップロードする設定にしておけば、撮影後すぐに他のメンバーも確認できます。共有リンクを作成して支援者に送信することも可能で、SNSでの活動報告にも活用できます。
例3:複数拠点での資料共同編集
本部と支部がある団体の場合、OneDrive上でExcelの会員名簿やイベント企画書を共同編集できます。例えば、本部が作成した企画書を支部のスタッフが編集し、コメントを追加することができます。
複数のメンバーが同時に編集しても、リアルタイムで変更が反映され、誰がどこを編集しているか表示されます。メールでファイルを送り合う必要がなく、常に最新版を全員で共有できるため、作業効率が大幅に向上します。
9. 注意点
使えない場合
以下の団体は、Microsoft非営利団体向けプログラムの対象外となります。
- 政府機関、政府関係団体
- 学校、大学などの教育機関(教育機関向けには別のプログラムがあります)
- 病院、診療所などの医療機関
- 公共交通機関
- 金融機関(銀行、保険会社など)
- 営利型の一般社団法人
制限事項
- 団体のドメインが必要:
Microsoft 365 Business Basic寄贈版を利用するには、団体独自のドメイン(例:yourorganization.org)が必要です - 300ユーザーまで:
無料版は最大300ユーザーまでです。それ以上必要な場合は有料プランにアップグレードする必要があります - デスクトップ版Officeは含まれない:
無料版ではWeb版とモバイル版のOfficeアプリのみ利用可能です。デスクトップ版が必要な場合は有料プランへのアップグレードが必要です - 未使用ライセンスの管理:
長期間使用されていないライセンスは、定期的に削除する必要があります。Microsoftから監査を受ける可能性があります - インターネット接続が必要:
オフラインでも一部のファイルは利用できますが、基本的にはインターネット接続が必要です
うまく使うコツ
- フォルダを適切に整理する:
「理事会」「会計」「イベント」など、目的別にフォルダを作成し、関連するファイルを一箇所に集約しましょう - 共有設定を確認する:
機密情報を含むファイルは、共有範囲を限定し、閲覧のみ許可するなど、適切なアクセス権限を設定しましょう - 自動バックアップを活用する:
パソコンの重要なフォルダを自動バックアップ設定にしておけば、ファイルを保存し忘れる心配がありません - モバイルアプリをインストールする:
外出先でも資料を確認できるよう、スマートフォンにOneDriveアプリをインストールしておきましょう - 定期的に不要ファイルを削除する:
1TBの容量は大きいですが、定期的に不要なファイルを整理することで、必要なファイルを見つけやすくなります - バージョン履歴を活用する:
誤って重要な内容を削除してしまった場合は、バージョン履歴から以前の状態に戻せます
10. よくある質問
Q1: OneDriveを使うには、全員がMicrosoftアカウントを持っている必要がありますか?
A: はい、OneDriveを使用するには、各メンバーにMicrosoft 365のアカウント(ライセンス)を割り当てる必要があります。ただし、ファイルの共有リンクを作成すれば、アカウントを持っていない外部の人(支援者や協力団体など)にも閲覧や編集を許可できます。
Q2: スマートフォンやタブレットからも利用できますか?
A: はい、利用できます。iOS(iPhone/iPad)やAndroid端末用のOneDriveアプリをダウンロードすることで、スマートフォンやタブレットからも快適にファイルにアクセスし、閲覧・編集できます。アプリなしでもWebブラウザから利用可能です。
Q3: パソコンが壊れた場合、データは失われますか?
A: いいえ、失われません。OneDriveに保存されているファイルはクラウド上にあるため、パソコンが壊れてもデータは安全です。新しいパソコンでOneDriveにサインインすれば、すぐにすべてのファイルにアクセスできます。これがOneDriveの最大のメリットの一つです。
Q4: 1TBの容量はどれくらい使えますか?
A: 1TB(1,000GB)は非常に大容量です。具体的には、高画質の写真なら約25万枚、フルHD動画なら約100時間分、Wordファイルなら約100万ページ分を保存できます。小規模から中規模の非営利団体であれば、ほとんどの場合1TBで十分です。
Q5: 誤ってファイルを削除した場合、復元できますか?
A: はい、復元できます。削除したファイルは90日間ごみ箱に残っているため、その期間内であれば簡単に復元できます。また、ファイルのバージョン履歴機能を使えば、過去の状態に戻すこともできます。さらに、ランサムウェアなどの攻撃を受けた場合でも、30日以内であれば侵害される前の状態に復元可能です。
11. 似たツールとの比較
Google Drive(グーグル ドライブ)
Google Driveも非営利団体向けプログラムがあり、Google Workspace for Nonprofitsとして提供されています。無料版で100TBの共有ストレージ(全ユーザーで共有)が利用できます。
Googleドキュメントやスプレッドシートとの連携が優れており、リアルタイムでの共同編集に強みがあります。一方、OneDriveはMicrosoft Officeファイル(Word、Excel、PowerPoint)との互換性が完璧で、Officeを日常的に使用している団体には使いやすいです。
Dropbox(ドロップボックス)
Dropboxも非営利団体向けの割引プログラムがあります(最大50%割引)。シンプルで直感的な操作性が特徴で、ファイルの共有とバックアップに特化しています。ただし、非営利団体向けの無料プランはなく、OneDriveのようにOfficeアプリやメール機能が統合されていません。コスト面では、OneDriveの方が優位です。
Box(ボックス)
Boxは、エンタープライズ向けのクラウドストレージとして、高度なセキュリティ機能とアクセス権限管理に優れています。大企業や厳格なコンプライアンスが求められる組織に適していますが、中小規模の非営利団体には機能が過剰で、コストも高くなります。OneDriveは、必要十分な機能を無料で提供しており、バランスが良いです。
OneDriveを選ぶべき理由
- 圧倒的なコスト優位性:
最大300ユーザーまで完全無料で、1ユーザーあたり1TBの大容量ストレージが使えます - Microsoft Officeとの完全統合:
Word、Excel、PowerPointファイルをブラウザ上で直接編集でき、バージョン管理も自動で行われます - 使いやすさ:
Windowsパソコンには標準でインストールされており、特別な設定なしですぐに使い始められます - オールインワンのソリューション:
ストレージだけでなく、メール、Teams、Officeアプリがすべて含まれており、複数のツールを使い分ける必要がありません - 信頼性とセキュリティ:
Microsoftの強固なセキュリティ基盤により、団体の重要なデータも安全に保護されます
12. まとめ
OneDriveは、非営利団体の皆さんにとって、重要なファイルを安全に保管し、スタッフやボランティアと効率的に共有できる強力なツールです。Microsoft 365非営利団体向けプログラムを通じて、1ユーザーあたり1TBという大容量のストレージを無料で利用できることは、限られた予算の中で活動する団体にとって大きなメリットです。
パソコンの故障や紛失時のデータ復旧、複数拠点間でのファイル共有、外出先からのアクセスなど、さまざまな場面で活用できます。無料版でも十分な機能が備わっており、さらに高度な機能が必要になった場合は、最大75%の割引価格で有料プランにアップグレードすることも可能です。
次にやるべきこと
- あなたの団体が対象法人格に該当するか確認する
- Microsoft非営利団体向けプログラムの公式サイトから申請を開始する
- 申請が承認されたら、重要なファイルをOneDriveに移行してバックアップする
- スタッフやボランティアに使い方を共有し、ファイル共有の文化を定着させる
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