1. SharePointとは
SharePointは、Microsoftが提供する組織向けの情報共有・コラボレーションプラットフォームです。非営利団体の皆さんにとって、部署やプロジェクトごとに情報を整理し、スタッフやボランティアと効率的に共有できるツールです。
最大の魅力は、Microsoft 365非営利団体向けプログラムを通じて無料で利用でき、チームサイト(ポータルサイト)を簡単に作成して、活動報告書や会議資料などを一箇所に集約できることです。
2. サービス基本情報
どんなツールか
SharePointは、組織内で情報を共有し、共同作業を効率化するためのクラウドベースのプラットフォームです。部署やプロジェクトごとに「チームサイト」と呼ばれるポータルサイトを作成し、そこでファイル共有、ドキュメント管理、タスク管理、予定表の共有などを一元的に行えます。
プログラミングの知識がなくても、テンプレートを使って簡単にサイトを構築できるため、IT専門知識がないスタッフでも活用できます。
非営利団体は無料/割引で使えるか
はい、利用できます。Microsoft 365非営利団体向けプログラムの「Business Basic寄贈版」を通じて、SharePointを含むサービスを無料で利用できます(最大300ユーザーまで)。
OneDriveが個人向けのファイルストレージであるのに対し、SharePointは組織全体やチーム単位での情報共有に特化したツールとして提供されています。
提供している会社
Microsoft Corporation(マイクロソフト社)が提供しています。世界中の企業や組織で広く利用されている信頼性の高いサービスです。
3. どんな団体におすすめ?
組織の規模
- 小規模団体:
5〜10名程度のスタッフで活動する団体に最適です。部署やプロジェクトごとに情報を整理できます - 中規模団体:
複数の部署や拠点を持つ団体。各部署やプロジェクトごとにチームサイトを作成し、情報を効率的に管理できます - 大規模団体:
300名まで無料で利用可能。それ以上のユーザーが必要な場合は、有料プランを割引価格で利用できます
具体的な使用場面
- 部署やプロジェクトごとの情報共有サイトの構築
- 活動報告書や会議資料などのドキュメント管理
- 団体全体への情報発信(ニュースやお知らせの掲示板)
- プロジェクトチームでのファイル共同編集と進捗管理
- 理事会や各委員会の資料管理と共有
- ボランティアグループごとの情報整理
4. できること(主要機能)
チームサイトの作成
部署やプロジェクトごとに専用の情報共有サイト(チームサイト)を作成できます。各サイトには、ファイルを保存するドキュメントライブラリ、タスク管理リスト、予定表などを設置でき、チームメンバー間で情報を一元管理できます。
テンプレートが用意されているため、プログラミング知識がなくても簡単にサイトを構築できます。
コミュニケーションサイトの作成
団体全体に情報を発信するためのサイト(コミュニケーションサイト)を作成できます。社内報のように、ニュースやお知らせ、イベント情報を掲載し、全スタッフやボランティアに情報を共有できます。豊富なデザインテンプレートを使って、見やすく魅力的なサイトを作成可能です。
ドキュメント管理とバージョン履歴
ファイルをSharePointのドキュメントライブラリに保存すると、誰がいつファイルを編集したかの履歴が自動で記録されます。
過去のバージョンに戻すこともでき、Word、Excel、PowerPointファイルを複数のメンバーで同時に編集することも可能です。ファイルの検索機能も充実しており、ファイル名だけでなく、ファイル内のテキストも検索対象になります。
アクセス権限の細かい設定
サイトやファイルごとに、誰が閲覧・編集できるかを細かく設定できます。例えば、理事会資料は理事のみ閲覧可能にし、プロジェクト資料はプロジェクトメンバーのみ編集可能にするなど、情報の機密性に応じた適切なアクセス管理が可能です。
ワークフローと承認機能
ドキュメントの承認プロセスを自動化できます。例えば、作成した文書を上司や理事長に承認依頼し、承認されたら自動で公開するといったワークフローを設定できます。承認状況の通知も自動で送信されるため、承認プロセスがスムーズになります。
5. 非営利団体の特典
無料プランの詳細
Microsoft 365 Business Basic寄贈版(2025年12月現在)
- 利用可能ユーザー数:最大300名まで無料
- 主な機能:
- SharePoint Online(チームサイト、コミュニケーションサイト作成)
- ドキュメントライブラリとファイル共有
- OneDriveクラウドストレージ(1TB/ユーザー)
- Web版とモバイル版のMicrosoft 365アプリ(Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど)
- Microsoft Teamsでのチャット、通話、会議
- 独自ドメインのメールアドレス
※注意:2025年5月にBusiness Premium寄贈版(無料)の提供が終了し、現在無料で利用できるのはBusiness Basic寄贈版のみとなっています。
通常プランとの違い
一般向けの有料プランと比較すると、非営利団体向けプログラムでは以下のメリットがあります。
| 項目 | 一般向けBusiness Basic | 非営利団体向け無料版 |
| 月額料金 | 約750円/ユーザー | 無料(最大300ユーザー) |
| SharePoint | あり | あり(同等の機能) |
| ストレージ | 1TB/ユーザー | 1TB/ユーザー |
| Officeアプリ | Web版とモバイル版 | Web版とモバイル版 |
| Teams | あり | あり |
| サポート | 標準サポート | 標準サポート |
有料プランの割引
より高度な機能が必要な場合、以下の有料プランを最大75%の割引価格で利用できます。
- Microsoft 365 Business Standard:
最大75%割引(デスクトップ版Officeアプリ、会議録画機能など) - Microsoft 365 Business Premium:
最大75%割引(高度なセキュリティ機能など)
対象法人
以下の法人格を持つ団体が対象となります。
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 公益社団法人
- 公益財団法人
- 社会福祉法人
- 非営利徹底型の一般社団法人
- 公共図書館
- 公共博物館
※政府機関、学校・教育機関、病院、公共交通機関、金融機関は対象外です
6. 始め方
申請のステップ
ステップ1:利用資格の確認
まず、あなたの団体が対象法人格を持ち、非営利活動の要件を満たしているか確認してください。
ステップ2:Microsoft非営利団体向けプログラムへの登録
Microsoft非営利団体向けプログラムの公式サイトから「始める」をクリックし、団体の基本情報を入力します。
ステップ3:必要書類のアップロード
団体の登記情報や活動内容を証明する書類をアップロードします。多くの場合、オンラインで登記情報が確認できれば追加書類は不要です。
ステップ4:審査待ち
Microsoftによる資格確認が行われます。通常1週間程度で審査が完了します。
ステップ5:承認とサービス購入
審査が承認されると、メールで通知が届きます。非営利団体向けポータルにログインし、Microsoft 365 Business Basic寄贈版を「購入」(無料)します。
ステップ6:セットアップ
ドメインの設定、ユーザーアカウントの作成、各メンバーへのライセンス割り当てを行います。Microsoft 365管理センターから簡単に設定できます。
ステップ7:SharePoint利用開始
Webブラウザからoffice.comにアクセスし、SharePointを選択して利用を開始します。最初のチームサイトを作成し、メンバーを招待してファイル共有を始めましょう。
必要な書類
審査時に以下の書類の提出を求められる場合があります。
- 登記簿謄本(法人格を証明するもの)
- 定款
- 事業報告書
- 決算報告書
- 団体のWebサイトのURL
申請から使えるまでの期間
- 申請書類の提出:即日
- 審査期間:通常1週間程度
- セットアップ:数時間〜1日
- 合計:約1〜2週間程度
申請ページのURL
7. 料金比較
| 項目 | 一般向けBusiness Basic | 非営利団体向け無料版(Business Basic) | 一般向けBusiness Standard |
| 月額料金 | 約750円/ユーザー | 無料(最大300ユーザー) | 約1,560円/ユーザー |
| SharePoint | あり | あり | あり |
| チームサイト作成 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| ストレージ | 1TB/ユーザー | 1TB/ユーザー | 1TB/ユーザー |
| ドキュメント共同編集 | あり | あり | あり |
| バージョン履歴 | あり | あり | あり |
| デスクトップ版Office | なし | なし | あり |
| Teams会議録画 | なし | なし | あり |
| 管理機能 | 基本 | 基本 | 高度 |
| サポート | 標準サポート | 標準サポート | 標準サポート |
8. 使い方の例
例1:部署ごとの情報共有サイト構築
「広報部」「事業部」「総務部」など、部署ごとにチームサイトを作成し、各部署の資料や情報を一箇所に集約できます。例えば、広報部のチームサイトには、プレスリリースの下書き、イベントチラシのデザイン案、メディア連絡先リストなどを保存します。
部署メンバーは、いつでも最新の資料にアクセスでき、ファイルを同時編集することも可能です。部署外のメンバーには閲覧制限を設定できるため、機密情報も安全に管理できます。
例2:プロジェクトチームでの進捗管理
特定のプロジェクト(例:年次報告会の開催、新規事業の立ち上げ)ごとにチームサイトを作成し、プロジェクト関連の資料をすべてそこに集約します。ドキュメントライブラリには企画書や予算表を保存し、リスト機能でタスク管理を行い、予定表で重要な日程を共有します。
プロジェクトメンバー全員が同じ情報を見られるため、進捗状況の共有がスムーズになり、会議の時間も短縮できます。
例3:団体全体への情報発信
コミュニケーションサイトを作成し、団体全体に向けた「お知らせ掲示板」として活用できます。例えば、理事会の決定事項、新しい事業の開始、イベントの告知、スタッフ紹介などを投稿します。
ニュース機能を使えば、重要な情報を目立たせることができ、全スタッフやボランティアが常に最新の情報を把握できます。写真やビデオを埋め込むこともでき、視覚的に魅力的な情報発信が可能です。
9. 注意点
使えない場合
以下の団体は、Microsoft非営利団体向けプログラムの対象外となります。
- 政府機関、政府関係団体
- 学校、大学などの教育機関(教育機関向けには別のプログラムがあります)
- 病院、診療所などの医療機関
- 公共交通機関
- 金融機関(銀行、保険会社など)
- 営利型の一般社団法人
制限事項
- 団体のドメインが必要:
SharePointを含むMicrosoft 365 Business Basic寄贈版を利用するには、団体独自のドメイン(例:yourorganization.org)が必要です - 300ユーザーまで:
無料版は最大300ユーザーまでです。それ以上必要な場合は有料プランにアップグレードする必要があります - デスクトップ版Officeは含まれない:
無料版ではWeb版とモバイル版のOfficeアプリのみ利用可能です - 学習曲線:
OneDriveと比べて多機能なため、初めて使う場合は少し学習が必要です - サイト作成の権限管理:
組織によっては、誰でもサイトを作成できる設定にすると管理が煩雑になる可能性があります
うまく使うコツ
- サイト構造を事前に設計する:
どの部署やプロジェクトにチームサイトを作成するか、事前に計画を立てましょう。サイトが乱立すると情報が分散してしまいます - 命名規則を統一する:
ファイル名やフォルダ名の付け方のルールを決めておくと、後から情報を探しやすくなります - 定期的に不要なファイルを整理する:
古くなった資料は削除またはアーカイブフォルダに移動し、常に必要な情報だけが見える状態を保ちましょう - アクセス権限を適切に設定する:
機密情報を含むサイトやファイルは、必要な人だけがアクセスできるよう権限を設定しましょう - スタッフ向けのガイドを作成する:
SharePointの使い方をまとめた簡単なガイドを作成し、新しいスタッフやボランティアがすぐに使えるようにしましょう - テンプレートを活用する:
ゼロから作るのではなく、用意されているテンプレートをベースにカスタマイズすると効率的です
10. よくある質問
Q1: SharePointとOneDriveの違いは何ですか?
A: OneDriveは個人向けのクラウドストレージで、自分のファイルを保存・管理するためのツールです。一方、SharePointは組織向けの情報共有プラットフォームで、チームや部署全体でファイルや情報を共有し、共同作業を行うためのツールです。SharePointでは、チームサイトを作成して情報を整理できるため、複数のメンバーで活動する非営利団体にはSharePointの方が適しています。
Q2: プログラミングの知識がなくてもサイトを作成できますか?
A: はい、作成できます。SharePointには豊富なテンプレートが用意されており、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作でサイトを構築できます。HTMLやCSSなどのプログラミング知識は一切不要です。初めての方でも、数十分あれば基本的なチームサイトを作成できます。
Q3: 外部のボランティアや協力団体とも情報を共有できますか?
A: はい、できます。SharePointには「外部共有」機能があり、Microsoft 365のライセンスを持っていない外部ユーザーにもファイルやサイトへのアクセス権限を付与できます。ただし、組織の管理者が外部共有を許可している必要があります。また、外部ユーザーには閲覧のみ許可するか、編集も許可するかを選択できます。
Q4: スマートフォンからもSharePointを利用できますか?
A: はい、利用できます。iOS(iPhone/iPad)やAndroid端末用のSharePointアプリをダウンロードすることで、スマートフォンやタブレットからもチームサイトにアクセスし、ファイルの閲覧・編集ができます。アプリなしでもWebブラウザから利用可能です。
Q5: サイトを誤って削除してしまった場合、復元できますか?
A: はい、復元できます。削除されたサイトは90日間「削除済みサイト」として保持されており、その期間内であればSharePoint管理センターから復元可能です。90日を過ぎると完全に削除されるため、重要なサイトを削除する際は十分注意してください。
11. 似たツールとの比較
Google Sites(グーグル サイト)
Google Sitesも、簡単にチームサイトを作成できるツールです。Google Workspace for Nonprofitsの一部として提供されており、非営利団体向けに無料または割引で利用できます。SharePointと比べてよりシンプルで、初心者にも使いやすいですが、高度なドキュメント管理機能やワークフロー機能はSharePointの方が充実しています。
Notion(ノーション)
Notionは、ドキュメント管理、タスク管理、データベース機能を統合したオールインワンのワークスペースツールです。非営利団体向けの無料プランがあり、柔軟なカスタマイズが可能です。ただし、Microsoft Officeファイルとの互換性やセキュリティ機能では、SharePointの方が優れています。
Confluence(コンフルエンス)
Confluenceは、Atlassian社が提供するチームコラボレーションツールで、ドキュメント管理とナレッジ共有に特化しています。非営利団体向けの割引プログラムがあります。Wikiのような構造で情報を整理できる点が特徴ですが、Officeファイルの共同編集機能はSharePointの方が優れています。
SharePointを選ぶべき理由
- Microsoft 365との完全統合:
Word、Excel、PowerPoint、Teams、Outlookとシームレスに連携し、すべての作業を一つのエコシステムで完結できます - 非営利団体への手厚い支援:
最大300ユーザーまで完全無料で、高度な機能も利用できます - エンタープライズレベルのセキュリティ:
Microsoftの強固なセキュリティ基盤により、団体の重要な情報も安全に保護されます - 豊富なテンプレートと拡張性:
プロジェクト管理、イベント計画、危機管理など、さまざまなテンプレートが用意されており、団体のニーズに合わせてカスタマイズできます - 大規模組織にも対応:
小規模から大規模まで、団体の成長に合わせて拡張できる柔軟性があります
12. まとめ
SharePointは、非営利団体の皆さんにとって、部署やプロジェクトごとに情報を整理し、スタッフやボランティアと効率的に共有できる強力なツールです。
チームサイトを作成することで、活動報告書や会議資料、プロジェクト資料などを一箇所に集約し、常に最新の情報にアクセスできる環境を構築できます。
Microsoft 365非営利団体向けプログラムを通じて、最大300ユーザーまで完全無料で利用できることは、限られた予算の中で活動する団体にとって大きなメリットです。
OneDriveが個人のファイル管理に適しているのに対し、SharePointは組織全体やチーム単位での情報共有に最適化されており、非営利団体の協働作業を強力にサポートします。
次にやるべきこと
- あなたの団体が対象法人格に該当するか確認する
- Microsoft非営利団体向けプログラムの公式サイトから申請を開始する
- 申請が承認されたら、最初のチームサイトを作成してメンバーを招待する
- 部署やプロジェクトごとにサイトを追加し、情報を整理していく
今すぐ申請を始めて、あなたの団体の情報共有を次のレベルへ引き上げてみませんか?
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