非営利団体向けTrello完全ガイド

1. Trelloとは Trelloは、タスクやプロジェクトを視覚的に管理できるクラウド型ツールです。カンバン方式(トヨタ生産方式に由来する進捗管理手法)を採用しており、付箋を貼るような感覚で直感的にタスク管理ができます。複雑なプロジェクト管理ツールに苦手意識がある方でも、す…

非営利団体向けTrello完全ガイド

1. Trelloとは

Trelloは、タスクやプロジェクトを視覚的に管理できるクラウド型ツールです。
カンバン方式(トヨタ生産方式に由来する進捗管理手法)を採用しており、付箋を貼るような感覚で直感的にタスク管理ができます。
複雑なプロジェクト管理ツールに苦手意識がある方でも、すぐに使いこなせるシンプルな設計が最大の魅力です。

ボランティア管理、イベント企画、ドナー対応など、非営利団体が抱える多様な業務を一つのプラットフォームで整理できるため、限られたリソースで最大の成果を出したい団体に最適です。

2. サービス基本情報

どんなツールか

Trelloは、「ボード」「リスト」「カード」の3つの要素で構成されるプロジェクト管理ツールです。
ボードは大きなプロジェクト、リストは進捗段階(例:未着手・進行中・完了)、カードは個別のタスクを表します。
カードをドラッグ&ドロップで移動させることで、タスクの進捗を更新できます。

世界中で200万以上のチームが利用しており、Google、VISA、Zoomなどの大企業から小規模なNPOまで幅広く導入されています。

非営利団体向け特典の有無

はい、あります。
対象となる非営利団体は、Atlassian Community Licenseを通じて有料プランが75%割引で利用できます。
Enterpriseプランは50%割引です。
これは非常に大きな割引で、30名のチームであればStandardプランが年間約$1,075(通常$1,800)、Premiumプランが約$2,125(通常$3,600)で利用可能です。

提供会社

オーストラリアのAtlassian社が提供しています。
Atlassianは、JiraやConfluenceなどの企業向けコラボレーションツールで知られる大手ソフトウェア企業です。
Trelloは2011年にリリースされ、2017年にAtlassianに買収されました。

3. どんな団体におすすめ?

組織の規模

  • 小規模団体(5-20名):
    無料プランでも十分に活用でき、コストをかけずにタスク管理を始められます
  • 中規模団体(20-100名):
    Standard/Premiumプランの割引を活用することで、複数プロジェクトを効率的に管理できます
  • 大規模団体(100名以上):
    Enterpriseプランで組織全体のセキュリティとガバナンスを確保できます

具体的な使用場面

  • ボランティア管理: 募集から配置、活動記録までを一つのボードで追跡
  • ファンドレイジング: 寄付者リスト、キャンペーン進捗、フォローアップの管理
  • イベント企画: タスクリスト、担当者、期限を明確にして漏れなく準備
  • プログラム運営: 複数の支援プログラムの進捗を並行して可視化
  • コンテンツ制作: ニュースレター、SNS投稿、広報資料の制作フローを整理

4. できること(主要機能)

1. カンバンボード

視覚的なボードで、すべてのタスクを一目で把握できます。
ドラッグ&ドロップで直感的に操作でき、PC操作に不慣れな方でも安心して使えます。

2. カード詳細管理

各タスクカードには、説明、担当者、期限、チェックリスト、添付ファイル、コメントを追加できます。
一つのカードに必要な情報をすべて集約できるため、情報の散逸を防げます。

3. Power-Ups(拡張機能)

SlackやGoogle Drive、カレンダーなど200以上の外部ツールと連携できます。
無料プランでも無制限にPower-Upsを利用できる点が大きな特徴です。
すでに使っているツールとシームレスに統合できます。

4. Butler自動化

コードを書かずに、繰り返し作業を自動化できます。
例えば、「カードが完了リストに移動したら担当者に通知」「毎週月曜に定例タスクを自動生成」といった設定が可能です。

5. 複数ビュー

カンバンボードの他に、カレンダービュー、タイムラインビュー(ガントチャート)、テーブルビュー、ダッシュボードビューで情報を確認できます。
プロジェクトの性質に応じて最適な表示方法を選べます。

5. 非営利団体の特典

無料/割引の詳細

Atlassian Community Licenseを取得すると、以下の特典が受けられます:
・Cloudプラン: StandardとPremiumプランが75%割引
・Enterpriseプラン: 50%割引
・Bitbucket Cloud Standard: 無料
・Atlassian Access: 無料(エンタープライズグレードのセキュリティ機能)

割引は年間サブスクリプションに適用され、毎年更新が必要です。

通常プランとの違い

機能面では通常プランと同じです。
割引が適用されるだけで、すべての機能を制限なく利用できます。
Atlassian Marketplace経由で購入する有料アプリにも同じ75%割引が適用されます。

対象となる法人

以下の条件をすべて満たす団体が対象です:
登録された慈善非営利団体であること
非政府組織であること(政府機関は対象外)
非営利目的であること(営利活動を行わない)
非宗教団体であること
非学術機関であること(教育機関には別の割引プログラムがあります)
非政治団体であること

注意: 病院や宗教団体は対象外です。

6. 始め方

申請のステップ

  1. Trelloアカウントの作成: まず無料でTrelloアカウントを作成します(https://trello.com
  2. クラウドサイトの設定: 使用する製品(Trello)でクラウドサイトを作成します
  3. 申請フォームへアクセス: Atlassian Community License申請ページ(https://www.atlassian.com/software/views/community-license-request )にアクセス
  4. 必要情報の入力: 組織情報、サイトURL、非営利団体としての証明書類を提出
  5. 審査待ち: 第三者認証機関Percentによる審査が行われます
  6. 承認通知: 承認されると、割引適用方法の詳細がメールで送られてきます

必要な書類

  • 非営利団体としての登録証明書
  • 組織の定款または規約
  • 組織の活動内容を示す資料
  • 組織の公式ウェブサイトURL
  • 税務当局からの非営利認定証明書(該当国の場合)

申請から使えるまでの期間

申請から承認まで、通常1-2週間程度かかります。
審査状況によってはさらに時間がかかる場合もあります。
その間も無料プランで利用を開始できますので、早めに申請することをおすすめします。

申請ページのURL

 https://www.atlassian.com/software/views/community-license-request

7. 料金比較

項目一般向け(月額・ユーザー当たり)非営利団体向け(月額・ユーザー当たり)
Free$0$0
Standard$5$1.25(75%割引)
Premium$10$2.50(75%割引)
Enterprise$17.50~$8.75~(50%割引)

主な機能の違い:

Free(無料)
ボード数: 10個まで
カード: 無制限
Power-Ups: 無制限
ファイルサイズ: 10MBまで
自動化: 月250回まで

Standard(スタンダード)
ボード数: 無制限
ファイルサイズ: 250MBまで
自動化: 月1,000回まで
カスタムフィールド
高度なチェックリスト

Premium(プレミアム)
ボード数: 無制限
ファイルサイズ: 250MBまで
自動化: 無制限
複数ビュー(カレンダー、タイムライン、ダッシュボード)
優先サポート
管理者権限の強化

Enterprise(エンタープライズ)
最低50ユーザーから
組織全体の管理機能
SSO(シングルサインオン)
Power-Up管理
99.9%稼働保証

8. 使い方の例

例1: ボランティア募集・管理

ボード: 「2025年春ボランティアプログラム」
・リスト1「募集準備」: 募集要項作成、SNS投稿準備、説明会資料作成
・リスト2「応募受付中」: 応募者ごとにカードを作成、面接予定を記載
・リスト3「オリエンテーション」: 採用決定者のオリエンテーション準備
・リスト4「配属完了」: 各プロジェクトへの配属状況

各カードに応募者の情報、スキル、希望業務、連絡先を記載。
チェックリストで書類確認、面接、オリエンテーション参加などのステータスを管理します。

例2: ファンドレイジングキャンペーン

ボード: 「年末寄付キャンペーン2025」
・リスト1「企画」: キャンペーンコンセプト、目標金額、期間設定
・リスト2「制作中」: メール文面、LP制作、SNS素材、動画撮影
・リスト3「レビュー待ち」: 各コンテンツの承認プロセス
・リスト4「配信済み」: 実施済みの施策と結果

カレンダーPower-Upで配信スケジュールを可視化し、Google Drive連携で制作物を一元管理。
Butler自動化で、期限3日前に担当者に自動リマインダーを送信します。

例3: イベント準備

ボード: 「チャリティマラソン2025」
・リスト1「3ヶ月前」: 会場予約、協賛企業探し、ボランティア募集
・リスト2「2ヶ月前」: 広報開始、参加者募集、保険手配
・リスト3「1ヶ月前」: 当日運営マニュアル、物品準備、リハーサル
・リスト4「完了」: 終了後のアンケート、報告書作成

各タスクカードに期限、担当者、予算、チェックリストを設定。
タイムラインビューで全体スケジュールを俯瞰し、遅延リスクを早期発見できます。

9. 注意点

使えない場合

  • 宗教団体、政府機関、病院は対象外です
  • 教育機関には別の学術割引プログラムがあります(50%割引)
  • 営利活動を主とする団体は対象外です
  • 第三者機関Percentの審査で条件を満たさないと判断された場合は承認されません

制限事項

  • 割引ライセンスは年次更新が必要です(自動更新ではありません)
  • Marketplace経由で購入するサードパーティ製アプリには、個別に割引が適用されない場合があります
  • Enterpriseプランの割引率は75%ではなく50%です
  • 無料プランからアップグレードする際、既存データは引き継がれますが、ダウングレード時は一部機能が制限されます

うまく使うコツ

  1. テンプレートを活用:
    Trelloには業種別テンプレートが豊富に用意されています。
    ゼロから作らず、テンプレートをカスタマイズすると導入が早まります
  2. Power-Upsは厳選する:
    便利なPower-Upsですが、多すぎると複雑になります。
    本当に必要なものだけを選びましょう
  3. Butler自動化で効率化:
    定型作業は積極的に自動化しましょう。
    特に通知やカード作成の自動化は大きな時間短縮になります
  4. ボードは増やしすぎない:
    情報が分散すると管理が煩雑になります。
    関連プロジェクトは一つのボード内で複数リストを作って管理する方が効率的です
  5. 定期的な見直し:
    完了したカードは定期的にアーカイブし、ボードを整理しましょう。
    視認性が保たれます

10. よくある質問(FAQ)

Q1: 無料プランと有料プランの一番大きな違いは何ですか?

A1: 無料プランはボード数が10個まで、ファイルサイズが10MBまで、自動化が月250回までと制限があります。
有料プランではこれらが大幅に拡張され、特にPremiumプランでは自動化が無制限、複数ビュー(カレンダー、タイムライン)が利用できます。
中規模以上のチームや複数プロジェクトを管理する場合は有料プランがおすすめです。

Q2: 申請が却下された場合、再申請できますか?

A2: はい、可能です。
却下理由を確認し、必要な書類を揃えて再申請できます。
特に非営利団体としての証明書類が不十分な場合が多いので、組織の登録証明書や税務当局からの認定証明書を準備しましょう。

Q3: 既に通常プランを使っていますが、途中から非営利割引に切り替えられますか?

A3: はい、切り替え可能です。
Community Licenseの申請が承認されたら、既存のアカウントに割引を適用できます。
支払い済みの期間については、日割り計算で返金されるか、次回更新時に調整されます。

Q4: 日本の非営利団体も対象ですか?

A4: はい、対象です。
Atlassian Community Licenseは世界中の非営利団体が申請できます。
日本のNPO法人、公益社団法人、公益財団法人などで、上記の条件を満たせば申請可能です。
申請は英語で行う必要がありますが、書類は翻訳して提出できます。

Q5: チームメンバーの入れ替わりが多い場合、ライセンス管理はどうなりますか?

A5: Standardプランまではチーム単位での課金、Enterpriseプランはユーザー単位での課金です。
メンバーが変わった場合、無料プランではいつでも追加・削除可能です。
有料プランでは、課金されているユーザー数の範囲内であれば、メンバーの入れ替えは自由にできます。
追加する場合は追加ライセンスが必要になります。

11. 似たツールとの比較

Asana

特徴:
より構造化されたプロジェクト管理に強く、タスクの依存関係を詳細に設定できます。
複雑なプロジェクトや部門横断的な取り組みに向いています。

Trelloを選ぶべき理由:
Trelloの方がシンプルで導入ハードルが低く、視覚的に分かりやすいです。
非営利団体の割引率もTrelloは75%とAsanaより高額です。
チーム全員が直感的に使えるツールを求めるならTrelloが優位です。

Monday.com

特徴:
高度なカスタマイズ性と自動化機能が特徴で、ワークフローを細かく設定できます。
データビューやレポート機能も充実しています。

Trelloを選ぶべき理由:
Monday.comは機能が豊富な分、学習コストが高く、小規模チームには過剰な場合があります。
Trelloは必要十分な機能をシンプルに提供し、無料プランの制限も緩やかです。
コストを抑えたい非営利団体にはTrelloの方が適しています。

Notion

特徴:
ドキュメント管理、ナレッジベース、データベースを統合したオールインワンツールです。
Wiki的な使い方に強いです。

Trelloを選ぶべき理由:
Notionは多機能すぎて、タスク管理だけに使うには複雑です。
Trelloはタスク管理に特化しており、プロジェクトの進捗を一目で把握できる視覚性で勝ります。
また、外部ツールとの連携もTrelloの方が豊富です。

12. まとめ

Trelloは、視覚的で直感的なタスク管理を実現する非営利団体に最適なツールです。
無料プランでも十分に活用でき、有料プランが必要になった場合も75%割引で利用できるため、限られた予算で最大限の効果を得られます。

特に、複雑なITスキルを必要とせず、チーム全員がすぐに使いこなせるシンプルさは、ボランティアスタッフが多い非営利団体にとって大きな利点です。
ボランティア管理、ファンドレイジング、イベント企画など、多様な業務を一つのプラットフォームで効率化できます。

次にやるべきこと:
1.まずは無料アカウントを作成して、基本機能を試してみましょう
2.並行してAtlassian Community Licenseの申請を開始しましょう
3.テンプレートを活用して、実際の業務に合わせたボードを作成しましょう
4.チームメンバーを招待し、小規模プロジェクトから実践的に使い始めましょう

今すぐTrelloを導入して、あなたの団体の活動を次のレベルへ引き上げましょう!

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