「障害者施設にはどんな種類があるの?」「うちの家族は利用できる?」と迷っていませんか。
障害者施設とは、障害のある方の日常生活や社会参加を支援する施設の総称で、通所施設と入所施設の2つに大別されます。通所施設は自宅から通って就労訓練や生活介護を受け、入所施設は24時間体制で生活全般の支援を受けられます。
この記事では、障害者施設の種類と目的、グループホームとの違い、具体的な入所条件と費用、そして3ステップでできる選び方まで解説します。記事の情報は公式データと複数の障害者支援施設へのヒアリングに基づいています。
家族の状況に合った施設選びができ、安心して利用申請を進められるようになります。
障害者施設とは|通所と入所の2つの形態
障害のある方の生活と社会参加を支援する施設
障害者施設とは、障害者総合支援法に基づき、身体障害・知的障害・精神障害のある18歳以上の方に対して、日常生活の支援や社会参加の機会を提供する施設です。全国に約8,000か所以上あり、公的機関や社会福祉法人が運営しています。
施設では、食事・入浴・排泄などの介護サービス、就労に向けた訓練、リハビリテーション、相談支援など、利用者の状況に応じた多様なサービスを提供します。障害の程度や家族の状況、本人の希望に応じて、最適な施設形態とサービスを選択できます。
通所施設|自宅から通って支援を受ける
通所施設は、利用者が自宅から毎日通って日中のサービスを受ける形態です。朝9時頃から夕方17時頃まで施設で過ごし、夜間は自宅で生活します。
代表的なサービスに、生活介護(常時介護が必要な方への支援)、就労継続支援A型・B型(働く場の提供)、就労移行支援(一般企業への就職を目指す訓練)、自立訓練(生活能力向上のための訓練)があります。
家族と一緒に暮らしながら、日中は専門的な支援や活動の場を持てるのが特徴です。
入所施設|24時間体制で生活全般を支援
入所施設(障害者支援施設)は、施設内で生活しながら24時間体制の支援を受ける形態です。夜間の施設入所支援と、昼間の生活介護または自立訓練などを組み合わせて提供します。
常時介護が必要な重度障害者や、家族の介護が困難な方、地域に支援資源が少ない方などが対象です。全国に約2,200か所あり、平均定員は約50名規模です。食事・入浴・排泄の介護から、健康管理、レクリエーション、生活相談まで、生活全般にわたる包括的な支援を受けられます。
障害者施設とグループホームの5つの違い
施設規模と生活スタイルの違い
障害者施設(入所施設)は、20〜100名以上の大規模施設が一般的です。集団生活が基本で、決められたスケジュールに沿って生活します。一方、グループホームは1住居あたり2〜10名以下の少人数で、一般住宅に近い環境で生活します。
支援内容の違い
入所施設では、24時間体制で専門スタッフが常駐し、医療的ケアを含む手厚い支援を提供します。看護師や理学療法士などの専門職も配置されています。
グループホームでは、世話人が日常生活の援助を行い、夜間は宿直または夜勤のスタッフが対応します。医療的ケアは基本的に外部の訪問看護などを利用します。
対象者の違い
入所施設の対象は、障害支援区分4以上(50歳以上は区分3以上)の重度障害者が中心です。常時介護が必要で、家族による支援が困難な方が主な利用者です。グループホームは、障害支援区分に関係なく、ある程度の自立が可能な方が対象で、地域生活への移行を目指す方に適しています。
費用の違い
入所施設の利用料は、所得に応じて月額0〜37,200円で、食費や光熱水費を含めると月7〜8万円程度が一般的です。低所得者には補足給付があり、手元に最低25,000円が残るよう配慮されます。
グループホームは、家賃・食費・光熱費を合わせて月8〜10万円程度で、家賃補助制度(月額1万円)が利用できます。
生活の自由度の違い
入所施設では、安全管理のため行動に制限があり、外出や面会にルールが設けられています。食事時間や入浴時間も決まっており、集団生活のスケジュールに従います。グループホームは、自分のペースで生活でき、外出や帰宅も比較的自由です。地域社会との交流も積極的に行われます。
障害者施設を利用する3つのステップ
ステップ1:障害支援区分の確認と申請(所要期間:1〜2か月)
まず、市区町村の障害福祉担当窓口に相談し、障害支援区分の認定を受けます。認定調査員が自宅を訪問し、心身の状態や介護の必要性について80項目の調査を実施します。医師の意見書も提出し、区分1〜6の判定を受けます。
入所施設を利用するには、原則として区分4以上(50歳以上は区分3以上)が必要です。数字が大きいほど支援の必要度が高く、区分4以上は「ほぼ全面的な支援が必要」なレベルです。調査から認定まで約1〜2か月かかります。
ステップ2:サービス利用計画の作成と支給決定(所要期間:2週間〜1か月)
障害支援区分が認定されたら、相談支援事業所に依頼してサービス等利用計画を作成します。相談支援専門員が、本人や家族の希望、生活状況を聞き取り、必要なサービスを組み立てた計画案を作成します。
市区町村がこの計画案を審査し、支給決定を行います。「障害福祉サービス受給者証」が交付され、利用できるサービスの種類と期間が記載されます。この段階で施設の見学や体験利用も並行して進めましょう。
ステップ3:施設との契約と利用開始(所要期間:1週間〜数か月)
希望する施設に空きがあれば、施設と直接契約を結びます。重要事項説明を受け、サービス内容や費用、生活ルールなどを確認します。体験入所(数日〜1週間程度)ができる施設も多く、実際の雰囲気を確かめてから入所を決められます。
ただし、人気の施設では数か月〜数年の待機期間が発生する場合があります。複数の施設に申し込みを行い、定期的に空き状況を確認することが重要です。緊急性が高い場合は、ショートステイ(短期入所)を利用しながら待つ方法もあります。
障害者施設の費用|月7〜8万円が一般的
所得に応じた利用料の負担上限
障害福祉サービスの利用料は、サービス費用の1割が自己負担ですが、所得に応じて月額負担上限額が設定されています。生活保護世帯と住民税非課税世帯は0円、住民税課税世帯で所得割16万円未満は9,300円、それ以上は37,200円が上限です。
例えば、月のサービス費用が50万円かかっても、住民税非課税世帯なら利用料負担は0円です。多くの利用者が負担上限額以内で収まるため、高額な請求を心配する必要はありません。
食費・居住費の実費負担
利用料とは別に、食費・光熱水費の実費が必要です。施設ごとに異なりますが、合計で月額54,000円を上限として設定されています。1日あたりの目安は、食費1,300〜1,500円程度、光熱水費300〜400円程度です。
低所得者には補足給付制度があり、収入から利用料と実費を差し引いても、手元に最低25,000円(障害基礎年金1級受給者は28,000円、65歳以上は30,000円)が残るよう調整されます。
就労収入がある場合は、24,000円まで収入として認定されず、それを超える額も70%しか収入として扱われないため、働く意欲を損なわない配慮がされています。
その他の費用
日用品費(洗剤・シャンプーなど)、被服費、理美容代、通信費、医療費などは別途必要です。これらを合わせて月1〜2万円程度が目安です。外出時の交通費や娯楽費も個人負担となります。
施設によっては、レクリエーション参加費や行事費が発生する場合もあります。入所前に費用の詳細を確認し、家計とのバランスを検討しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1:障害者手帳がないと障害者施設は利用できませんか?
障害者手帳がなくても、医師の診断書や自治体の判定により障害があると認められれば、サービスを利用できます。まずは市区町村の障害福祉窓口に相談しましょう。
Q2:入所までどのくらい待ちますか?
施設や地域により大きく異なります。空きがあればすぐに入所できる場合もあれば、数か月〜数年待つ場合もあります。複数施設への申し込みと、ショートステイの活用をおすすめします。
Q3:一度入所したら一生そこで暮らすのですか?
必ずしもそうではありません。状態が改善すればグループホームや自宅へ移行することもできます。また、本人の希望で他の施設へ転所することも可能です。
Q4:家族の面会や外出はできますか?
多くの施設で面会や外出は可能ですが、感染症対策などでルールが設けられています。事前に施設の方針を確認しましょう。外泊も届け出により可能な施設が一般的です。
Q5:医療的ケアが必要でも入所できますか?
入所施設には看護師が配置されており、たんの吸引・経管栄養・インスリン注射など、一定の医療的ケアに対応できます。ただし施設により対応範囲が異なるため、事前確認が必要です。
まとめ|家族の状況に合った施設を選ぶ
障害者施設は、通所施設と入所施設に大別され、障害の程度や家族の状況、本人の希望に応じて選択できます。入所施設は24時間体制で重度障害者を支援し、グループホームは地域での自立生活を目指す方に適しています。
利用開始の3つのステップは明確です。
第一に、障害支援区分の認定を受けること。第二に、サービス利用計画を作成し支給決定を受けること。第三に、施設見学と体験を経て契約することです。
費用は所得に応じた負担上限があり、低所得者には補足給付もあるため、経済的負担を過度に心配する必要はありません。月7〜8万円程度が一般的な負担額です。
まずは市区町村の障害福祉窓口に相談し、相談支援事業所の紹介を受けることから始めましょう。複数の施設を見学し、スタッフの対応や雰囲気を確かめることが、家族にとって最適な施設選びにつながります。
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