仕事と介護の両立を諦めない社会へ、テクノロジー企業2社が連携
仕事を続けながら家族の介護を担う「ビジネスケアラー」の増加が社会問題となるなか、AI開発を手がけるテオリア・テクノロジーズ株式会社(東京都千代田区)と、介護支援サービスを展開する株式会社インターネットインフィニティー(東京都渋谷区)が手を組んだ。
両社は2025年8月に協業基本契約を締結し、同年12月から実証実験を開始する予定だ。誰でも使い慣れたコミュニケーションアプリ「LINE」を入口に、AIが24時間365日にわたって介護者の相談に応じる仕組みを構築する。
なぜ今、AIと介護支援なのか
総務省が公表した2022年の就業構造基本調査によれば、介護や看護を理由に職を離れた人は年間で約10万6,000人にのぼる。キャリアを中断される当事者の負担はもちろん、企業にとっても熟練した人材を失うという深刻なダメージとなっている。
介護の問題は「誰にでも突然訪れる」ものでありながら、相談相手を見つけにくく、深夜や早朝に不安が募っても専門家へのアクセスは難しい。この空白を埋めるための手段として、両社が着目したのがAIによる対話型サポートだった。
テオリア・テクノロジーズはエーザイグループの一員として、自然言語処理技術を活かした対話型ソリューションの開発に注力してきた。
一方のインターネットインフィニティーは、法人向け介護支援サービス「わかるかいごBiz」を通じて、企業内の介護支援体制づくりを長年サポートしてきた実績を持つ。両社のビジョンが重なり、今回の協業へと至った。
LINEで始まる新しい介護サポートの形
実証実験は2025年12月1日から2026年3月31日までの約4カ月間、「わかるかいごBiz」を既に導入している複数の大手企業を対象に行われる。
活用されるのは、テオリアが開発した介護者支援AI「ヨルニモ」のLINE版だ。日常的に使い慣れたLINEをそのまま使えるため、新たなアプリのインストールや煩雑な登録作業は不要。思い立った瞬間に相談を始められるハードルの低さが特徴だ。
主な機能は次の4点にまとめられる。
① 24時間AIチャット相談
深夜や早朝など、専門家への問い合わせが難しい時間帯でも気軽に介護の悩みを打ち明けられる。
② 個人に最適化された対話
会話を重ねるほど、AIがその人の状況や考え方のパターンを学習し、より的確なアドバイスを返せるようになる。
③ 実際の介護者による知恵の共有
他の介護経験者が実践している工夫や体験談を、利用者の状況に合わせて届ける機能。検索では出てきにくい「自分に合った答え」に出会える点が売りだ。
④ 月次の振り返りレポート
日々の会話をもとに、自分の変化や気づきをまとめたレポートを月に一度提供。介護と向き合う自分自身の成長を可視化することで、前向きなマインドを支える。
実証から先へ——2026年度の本格展開を見据えて
今回の実証実験はゴールではなく、あくまでも出発点だ。両社はその結果をもとにLINE版サービスを改良したうえで、ネイティブアプリとしての本格展開を2026年度中に目指す計画を持つ。
さらに中長期的には、インターネットインフィニティーが運営するリハビリ型デイサービスやケアマネジャー向け支援ツールとのデータ・サービス連携も視野に入れており、オンラインとオフラインを融合した包括的な介護支援のモデルケースを構築していく考えだ。
介護という個人的でありながら社会全体に関わる課題に、テクノロジーがどこまで応えられるか。この試みの結果が、今後の高齢化社会における「働き方」と「介護の在り方」を変える一歩となるかもしれない。
参照元: PR TIMES(テオリア・テクノロジーズ株式会社)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000138825.html
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