AIとLINEで変わる訪問介護の現場――「すっぽかし」ゼロを実現した新システムとは

■ リード文 深刻な人手不足が続く介護業界において、現場管理者を悩ませてきた「直前キャンセル」や「日程変更対応」の問題。東京都港区に拠点を置くスタートアップ企業が、AIとLINEを組み合わせた訪問介護向けサービスを開発し、実証実験で当日キャンセルをゼロに抑えることに成功した。…

AIとLINEで変わる訪問介護の現場――「すっぽかし」ゼロを実現した新システムとは

■ リード文

深刻な人手不足が続く介護業界において、現場管理者を悩ませてきた「直前キャンセル」や「日程変更対応」の問題。

東京都港区に拠点を置くスタートアップ企業が、AIとLINEを組み合わせた訪問介護向けサービスを開発し、実証実験で当日キャンセルをゼロに抑えることに成功した。
高齢者のデジタル活用という壁を乗り越えた独自のUI設計も注目を集めている。


「見えない業務」が現場を圧迫

訪問介護の事業所では、介護記録のデジタル化こそ進んできたものの、利用者との連絡・調整業務は長らく電話やアナログ対応が主流だった。

スケジュール変更の発生頻度は想像以上に高く、ある事業所では14日間に16件もの日程変更が確認されたケースもあるという。
こうした調整対応に追われることで、管理者の時間は直接収益に結びつかない作業に費やされ続けてきた。

訪問介護特化AIサービス「ビジタ」の誕生

この課題に着目したのが、医療・介護分野のAIソリューションを手がける株式会社HYPER CUBE(代表取締役:大林謙)だ。
同社は訪問介護事業所向けの業務自動化サービス「ビジタ」(https://visita.jp/)の提供を2025年より開始。

訪問2〜3日前の自動リマインド送信、24時間365日対応のAIによる変更受付、さらに訪問のない日における利用者の体調モニタリングという三つの機能を核として、事業所の経営安定と現場の負担軽減を同時に支援する設計になっている。

80代の返信率80%――高齢者でも使えるUI

サービスの肝となるのは、LINEを活用したシンプルな操作性だ。
「予定どおり」「変更したい」といった選択肢をタップするだけで完結する仕組みを採用しており、スマートフォン操作に慣れていない高齢者でも無理なく使えるよう配慮されている。

実証実験では80代の利用者の返信率が80%に達し、さらに前日通知とAIによるヒアリングを組み合わせることで、実験期間中の当日キャンセル件数をゼロに抑えた。

現場が実感する変化

導入した事業所からは複数の好反応が報告されている。
利用者側からは「LINEになってから気軽に追加の依頼ができるようになった」との声とともに、サービスの追加依頼が実際に増加する効果も確認された。

また、過去に他事業所で訪問の約束を破られた経験を持つ利用者の家族からは、事前に訪問予定が通知されることへの安心感が高く評価されているという。
管理者の視点では、利用者の状態を事前に把握できることで、担当者の配置変更や当日のケア準備が可能になり、現場対応の質向上につながっているとの報告もある。

料金と今後の展開

「ビジタ」の費用体系は初期費用20万円(税別・初年度のみ)、月額2万円(税別)。
複数事業所への導入にはボリュームディスカウントも用意されており、まず2週間の無料トライアルから試すことができる。

同社はISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得しており、利用者データの管理体制も整備されている。
なお、2026年2月25日〜27日に東京ビッグサイトで開催された日本最大級の介護・福祉展「ケアテックス東京’26」にも出展し、デモ体験を通じてサービスを広くアピールした。

超高齢社会が進展する中、介護現場のDXは喫緊の課題だ。
「ビジタ」のような、利用者・家族・事業者の三者が恩恵を受けられる仕組みが、持続可能な介護インフラの構築に向けた一つの解となり得るか、今後の普及状況が注目される。


参照元: PR TIMES|株式会社HYPER CUBE プレスリリース(2026年2月25日配信) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000044934.html

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