政府は、外国人材の受け入れに関する分野別運用方針を決定し、2029年3月末までの介護分野の受け入れ上限を16万700人(特定技能12万6,900人、育成就労3万3,800人)としました(出典: 福祉新聞Web、2026年8月)。この記事では、福祉法人の経営者・採用担当者に向けて、この方針から読み取るべき3つの論点を整理します。
何が決定されたのか
2026年1月の閣議決定により、育成就労と特定技能の分野別運用方針が定められ、介護分野については2029年3月末までの受け入れ上限が16万700人とされました。これは、生産性向上や国内人材の確保に取り組んでもなお不足すると見込まれる人数として算出されたものです。2025年11月末時点の在留者数は6万5,505人となっており、上限に対してはまだ余地がある状況です。
福祉法人が押さえておくべき3つの論点
1. 上限枠には施設単位の制限もある
国全体の受け入れ上限とは別に、介護分野では1つの法人が受け入れられる特定技能外国人の数に、常勤介護職員数との比率を基準とした施設単位の制限が設けられています。国全体の枠に余裕があっても、自法人が受け入れられる人数には制約がある点を、採用計画を立てる際に確認しておく必要があります。
2. 訪問介護への従事が可能になっている
2025年4月からは、介護職員初任者研修課程等を修了し、実務経験を1年以上積んだ特定技能外国人・技能実習生が訪問介護に従事できるようになっています。施設サービスだけでなく、訪問系サービスの人材確保においても外国人材の活用が選択肢に入ってきている点は、採用戦略を検討する上で重要な変化です。
3. 上限到達による新規停止のリスクを念頭に置く
外食分野では2026年4月に上限到達により新規受け入れが一時停止された実例があります。介護分野は現時点で上限到達の情報はないものの、他分野での前例がある以上、外国人材の受け入れを中長期の採用計画に組み込む法人は、上限の消化状況を定期的に確認しておくことが望まれます。
採用計画との連動
職員の資格取得支援制度を設計するで扱ったように、外国人材の受け入れも既存の人事施策全体との整合性を踏まえて計画する必要があります。福祉法人の予算編成手順で紹介した年間スケジュールの中に、外国人材の受け入れにかかる初期費用や研修費用を組み込んでおくことも実務上重要です。
まとめ
介護分野の外国人材受け入れ上限は16万700人と定められ、国全体としてはまだ受け入れの余地がある状況です。ただし施設単位の制限や、訪問介護への従事拡大といった実務上の変化を踏まえ、自法人の採用計画にどう反映させるかを個別に検討する必要があります。
出典: 福祉新聞Web「外国介護人材の受け入れ上限16万700人 政府が分野別方針を決定」(2026年8月)
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