1. Google for Nonprofitsとは
Google for Nonprofitsは、非営利団体の活動を支援するためにGoogleが提供する総合的な支援プログラムです。このプログラムを活用することで、限られた予算の中で広報活動や業務効率化、支援者獲得といった課題を解決できます。
一番の魅力は、月額約140万円相当の広告費用や、通常有料のGoogle Workspaceが無料で使えること。ITコストを大幅に削減しながら、プロフェッショナルなツールを使って団体の活動を加速させることができます。
2. サービス基本情報
どんなツールか
Google for Nonprofitsは、Googleが提供する非営利団体向けの包括的な支援プログラムです。メール・ドライブ・カレンダーなどのビジネスツール(Google Workspace)、検索連動型広告(Google Ad Grants)、YouTubeの寄付機能、地図サービスなど、多岐にわたるGoogleサービスを特典として利用できます。
非営利団体は無料/割引で使えるか
はい。基本サービスは完全無料で利用可能です。さらに上位プランが必要な場合も、通常価格の70~75%オフという大幅割引で利用できます。
提供している会社
Google LLC(審査はGoodstackという認証機関が担当)
3. どんな団体におすすめ?
組織の規模
- 小規模団体(1~10名):無料プランで十分な機能を利用できます
- 中規模団体(11~50名):無料プランで基本機能、必要に応じて割引プランへアップグレード可能
- 大規模団体(51名以上):Enterpriseプランでも大幅割引が適用されます(無料プランは最大2,000ユーザーまで)
具体的な使用場面
- 支援者を増やしたい:Google Ad Grantsで検索広告を無料配信
- 寄付を集めたい:YouTube動画に寄付ボタンを設置
- 業務を効率化したい:Google Workspaceでチーム内の情報共有を改善
- イベント案内を送りたい:独自ドメインのメールで信頼性の高い告知が可能
- 活動拠点を地図で示したい:Google Maps Platformで自団体のウェブサイトに地図を埋め込み
4. できること(主要機能)
機能1:Google Workspace for Nonprofits(完全無料)
独自ドメインのGmail、Googleドライブ(100TB)、Googleカレンダー、Google Meet(最大100人参加)、ドキュメント・スプレッドシート・スライドなど、ビジネスに必要なツール一式を無料で利用できます。
機能2:Google Ad Grants(毎月約140万円相当の広告費無料)
Google検索に表示されるテキスト広告を、月額最大10,000ドル(約140万円)分まで無料で掲載できます。寄付者やボランティアの募集、イベント告知などに活用できます。
機能3:YouTube非営利プログラム
YouTube動画に寄付ボタンを設置したり、ライブ配信で寄付を募ったりできます。視聴者が直接寄付できる仕組みを作れます。
機能4:Google Maps Platform クレジット
自団体のウェブサイトやアプリにGoogle Mapsの機能を組み込む際に使えるクレジット(毎月250ドルから)が提供されます。活動拠点の表示やイベント会場案内に便利です。
機能5:NotebookLM・Gemini AI機能
無料プランでもGoogleのAI機能を活用できます。議事録の要約作成や、ドキュメント作成のアシスト機能などが利用可能です。
5. 非営利団体の特典
無料/割引の詳細
| プラン | 通常価格 | 非営利団体向け価格 | 割引率 |
| Google Workspace for Nonprofits | 約680円/月/ユーザー相当 | 完全無料 | 100%オフ |
| Google Ad Grants | – | 月10,000ドル分無料 | 完全無料 |
| Business Standard | 約1,360円/月/ユーザー | 約400円/月/ユーザー | 75%オフ |
| Business Plus | 約2,040円/月/ユーザー | 約570円/月/ユーザー | 72%オフ |
| Enterprise Standard/Plus | 要問い合わせ | 通常の30%の価格 | 70%オフ |
通常プランとの違い
無料のGoogle Workspace for Nonprofitsは、有料のBusiness Starterプランと同等の機能を持っています。ただし、Google Meetの録画機能やノイズ除去、ブレイクアウトルームなどの高度な機能を使いたい場合は、割引価格で上位プランへアップグレードできます。
どんな法人が対象か
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 公益社団法人・公益財団法人
- 社会福祉法人
- 非営利型一般社団法人
- 認定NPO法人
ただし、政府機関、病院・医療機関、学校・学術機関は対象外です。
6. 始め方
申請のステップ
- Google for Nonprofitsにアクセス
公式サイト(https://www.google.com/intl/ja_JP/nonprofits/)から「使ってみる」をクリック - 団体情報を入力
団体名、所在地、法人格、代表者情報などを入力します - Goodstackによる審査
Googleの審査パートナーであるGoodstackが、団体が正式な非営利法人であることを確認します - 承認通知を受け取る
審査に通過すると、メールで通知が届きます - 各サービスを有効化
Google Workspace、Google Ad Grantsなど、使いたいサービスを個別に有効化します
必要な書類
- 登記簿謄本(法人の登記情報)
- 定款
- 事業報告書
- 決算報告書(場合により)
これらの書類はPDFなどでアップロードします。
申請から使えるまでの期間
- 初回審査:通常3~5営業日(最大2週間程度)
- サービス有効化審査:1週間~1ヶ月程度
各サービスごとに個別審査があるため、すべてが使えるようになるまで時間がかかることがあります。早めに申請することをおすすめします。
申請ページのURL
https://www.google.com/intl/ja_JP/nonprofits/
7. 料金比較
| 項目 | 一般向け | 非営利団体向け |
| 独自ドメインメール | Business Starter(約680円/月) | 完全無料 |
| ストレージ容量 | Business Starter(30GB/ユーザー) | 100TB(組織全体で共有) |
| Google Meet | Business Starter(100人まで) | 100人まで(無料) |
| Google検索広告 | クリック単価(数十円~数百円) | 月10,000ドル分無料 |
| ビデオ会議録画機能 | Business Standard以上(約1,360円/月) | 約400円/月(75%オフ) |
| ユーザー数上限 | 無制限(プランによる) | 無料プランは2,000人まで |
8. 使い方の例
例1:寄付者・支援者の獲得
Google Ad Grantsを使って「動物保護 寄付」「環境保全活動 支援」などのキーワードで検索広告を配信。興味を持った人が検索したときに団体のウェブサイトが表示され、新規支援者の獲得につながります。月140万円分の広告を無料で運用できるため、継続的に支援者を増やせます。
例2:チーム内の情報共有と業務効率化
Google Workspaceの共有ドライブに活動報告書や会計資料を保存し、スタッフやボランティアがいつでもアクセスできる環境を構築。Googleカレンダーでイベント日程を共有し、Google Meetでオンライン会議を開催。独自ドメインのメールで対外的な信頼性も向上します。
例3:YouTubeでの活動発信と寄付受付
団体の活動を紹介する動画をYouTubeにアップロードし、動画の下に寄付ボタンを設置。視聴者が動画を見て共感したら、その場で寄付できる導線を作ります。ライブ配信イベントでリアルタイムに寄付を募ることも可能です。
9. 注意点
使えない場合
- 政府機関、公立学校、病院、医療機関は対象外
- 営利型の一般社団法人は対象外(非営利型のみ可)
- 設立直後で登記簿謄本などの書類が揃っていない団体は審査に時間がかかる場合があります
制限事項
- Google Ad Grantsは1クリックあたりの上限が2ドルに設定されています
- Ad Grantsは検索広告のみ利用可能(ディスプレイ広告や動画広告は対象外)
- アカウント全体のクリック率を毎月5%以上に保つ必要があります(2ヶ月連続で5%未満だとアカウント停止)
- 無料のGoogle Workspace for Nonprofitsは最大2,000ユーザーまで
うまく使うコツ
- 早めに申請する:審査に時間がかかるため、使いたい時期の1~2ヶ月前には申請しましょう
- Ad Grantsは定期的に管理:月1回以上はログインし、広告のパフォーマンスを確認しましょう
- コンバージョン設定を忘れずに:Ad Grantsでは寄付やボランティア登録などのコンバージョン(成果)を計測する設定が必要です
- Goodstackからのメールを確認:追加書類の依頼などが迷惑メールフォルダに入ることがあるので注意
10. よくある質問
Q1. すでに有料のGoogle Workspaceを使っていますが、無料プランに切り替えられますか?
A. はい、可能です。Google for Nonprofitsに申請・承認後、既存アカウントに割引を適用できます。ただし、データ移行などの作業が必要な場合があります。
Q2. 一般社団法人でも申請できますか?
A. 非営利型の一般社団法人であれば申請可能です。営利型の一般社団法人は対象外となります。定款で「剰余金の分配を行わない」ことが定められていることが条件です。
Q3. Google Ad Grantsの審査に落ちました。再申請できますか?
A. はい、再申請可能です。不承認の理由を確認し、ウェブサイトの内容改善や広告設定の見直しを行ってから再度申請しましょう。
Q4. 有料の広告アカウントとGoogle Ad Grantsを同時に使えますか?
A. はい、併用可能です。Ad Grants(無料)と有料広告は別々のオークションで処理されるため、競合しません。
Q5. Google for Nonprofitsの更新手続きは必要ですか?
A. 基本的に自動更新されますが、年1回程度、団体情報の確認やポリシー遵守状況の確認が求められることがあります。Googleからのメールを確認しましょう。
11. 似たツールとの比較
Microsoft 365 Nonprofit
Microsoftも非営利団体向けに無料・割引プランを提供しています。WordやExcelに慣れている団体には適していますが、Google Workspaceの方がリアルタイム共同編集やクラウド連携に優れています。
Canva for Nonprofits
デザインツールのCanvaも非営利団体向けプランがあります。チラシやSNS投稿のデザインに特化しており、Google for Nonprofitsと併用することで広報活動がさらに強化されます。
Zoom割引プログラム(Zoom Cares)
ビデオ会議ツールのZoomも非営利団体向け割引(50%オフ)を提供しています。Google Meetで十分な場合もありますが、大規模ウェビナーを頻繁に開催する団体にはZoomが向いています。
Google for Nonprofitsを選ぶべき理由
Google for Nonprofitsは、広告・メール・ドライブ・動画・地図など、総合的なツールが一つのプログラムで手に入る点が最大の強みです。特にGoogle Ad Grantsの月140万円相当の広告費無料は、他にはない大きなメリットです。
12. まとめ
Google for Nonprofitsは、非営利団体の活動を多方面から支援する包括的なプログラムです。月額約140万円相当の広告費無料、業務効率化ツールの無償提供、YouTube寄付機能など、限られた予算の中で最大限の成果を出すための強力なサポートが揃っています。
特に、広報活動や支援者獲得に悩んでいる団体、ITコストを削減したい団体、オンラインでの活動を強化したい団体にとって、このプログラムは大きな助けとなるでしょう。審査には時間がかかることもありますが、一度承認されれば継続的に利用できる非常にお得な制度です。次にやるべきこと
まずは公式サイト(https://www.google.com/intl/ja_JP/nonprofits/)にアクセスし、団体の参加資格を確認しましょう。対象となる法人格であれば、すぐに申請手続きを開始することをおすすめします。申請から承認までに時間がかかるため、早めの行動が重要です。

