介護サポートサービスの選び方がわからず不安を感じている
介護サポートサービスは、訪問・通所・施設の3分類25種類以上あり、要介護度や生活状況に応じて選びます。適切なサービスを選ぶには、まず地域包括支援センターで要介護認定を受け、ケアマネジャーと相談しながらケアプランを作成することが基本です。
本記事では、介護現場で15年以上携わってきた経験をもとに、介護サポートサービスの種類から選び方、効果的な活用法までを具体的に解説します。2026年の介護保険制度改正にも対応した最新情報で、あなたとご家族に最適なサービス選びをサポートします。
筆者は複数の介護事業所で相談員として1,000件以上のケースに関わり、利用者とご家族の悩みに寄り添ってきました。実際のつまずきポイントと解決策を熟知しているため、実践的なアドバイスができます。
この記事を読めば、介護サービス選びの不安が解消され、自信を持って最初の一歩を踏み出せるでしょう。
介護サポートサービスとは?基礎知識を理解する
介護サポートサービスとは、高齢者や障がい者が日常生活を安心して送れるよう、介護保険制度に基づいて提供される支援の総称です。身体介護から生活援助、リハビリテーション、施設入所まで、多様なニーズに対応しています。
サービスは大きく「居宅サービス(在宅系)」「施設サービス(入所系)」「地域密着型サービス」の3つに分類されます。居宅サービスは自宅で生活しながら利用でき、施設サービスは24時間体制の施設に入所して利用します。地域密着型サービスは住み慣れた地域で暮らし続けるための支援です。
具体的には、訪問介護(ホームヘルパーによる自宅での介護)、通所介護(デイサービスでの日中活動)、短期入所(ショートステイでの一時的な宿泊)などがあり、これらを組み合わせて利用することが一般的です。
介護保険を利用すれば、サービス費用の1〜3割負担で利用できます。例えば、月額10万円のサービスを受けても、利用者負担は所得に応じて1〜3万円程度で済みます(自己負担割合は所得により異なります)。
重要なのは、介護サポートは利用者本人の自立支援を目的としている点です。単に「やってもらう」のではなく、できることは自分で行いながら、必要な部分だけサポートを受けることで、生活の質と尊厳を保ちます。
介護サポートサービス活用の5つのメリット
介護サポートサービスを適切に活用することで、本人とご家族の双方に大きな利点があります。
本人の自立した生活を維持できる
専門的なケアを受けることで、身体機能の低下を予防し、できるだけ自分でできることを増やせます。リハビリテーションを組み合わせれば、歩行能力や日常動作の改善も期待できます。
実際に通所リハビリ(デイケア)を週2回利用した方が、3ヶ月で杖なし歩行が可能になった事例もあります。専門職による適切な運動指導とモチベーション維持が、機能回復につながります。
また、認知症の方でも、デイサービスで他者と交流することで表情が明るくなり、認知機能の低下スピードが緩やかになるケースが多く見られます。
家族介護者の負担を大幅に軽減できる
24時間365日の在宅介護は、家族に大きな身体的・精神的負担をかけます。介護サポートサービスを利用することで、定期的に休息時間(レスパイト)を確保できます。
厚生労働省の調査では、介護サービス利用者の家族の約70%が「介護負担が軽減された」と回答しています。特にデイサービスやショートステイを活用すれば、仕事と介護の両立も可能になります。
介護離職を防ぐためにも、早期からサービスを導入することが推奨されています。無理を続けて介護うつになるケースを避けるため、「頑張りすぎない介護」が重要です。
専門職による安全で質の高いケアを受けられる
介護福祉士や看護師、理学療法士など、有資格者による専門的なケアを受けられます。例えば訪問看護では、医療的ケア(褥瘡処置、服薬管理など)も自宅で対応可能です。
素人判断による誤った介助方法は、本人の状態悪化や介護者の腰痛を引き起こします。プロの技術を学ぶことで、家族介護の質も向上します。
事業所には安全管理体制や緊急時対応マニュアルが整備されており、万が一の事故にも迅速に対応できる体制があります。
社会的孤立を防ぎ生きがいを見出せる
高齢になると外出機会が減り、社会との接点が失われがちです。デイサービスや地域の集いの場に参加することで、同世代との交流が生まれ、孤立感が解消されます。
ある利用者は、デイサービスで出会った仲間とカラオケやゲームを楽しみ、「週2回のデイが生活の楽しみになった」と話していました。趣味活動や季節行事への参加も、生活に彩りを与えます。
特に独居高齢者にとって、定期的な訪問や通所は安否確認の役割も果たし、何かあった際の早期発見につながります。
費用負担を抑えながら充実したケアを受けられる
介護保険を利用すれば、1〜3割の自己負担で多様なサービスを組み合わせられます。要介護度に応じて月額の支給限度額が設定されており、その範囲内なら複数サービスの併用も可能です。
例えば要介護2の場合、月額支給限度額は約19.7万円(1単位=10円の地域)で、自己負担1割なら約2万円で19.7万円分のサービスを利用できます。訪問介護週3回、デイサービス週2回、ショートステイ月1回の組み合わせも可能です。
さらに低所得者向けの負担軽減制度もあり、申請すれば食費・居住費の減額を受けられる場合があります。
介護サポートサービス選びの実践的5ステップ
ここでは初めて介護サービスを利用する方向けに、申請から利用開始までの具体的な手順を解説します。
ステップ1:要介護認定の申請(所要期間:約1ヶ月/難易度:低)
まず行うのは市区町村の介護保険窓口または地域包括支援センターへの相談です。「最近、親の物忘れが増えて心配」「歩行が不安定で転倒リスクがある」など、具体的な困りごとを伝えましょう。
相談後、要介護認定の申請書を提出します。必要書類は申請書、介護保険被保険者証、主治医の情報(氏名・医療機関名)です。本人または家族が申請できますが、地域包括支援センターに代行依頼も可能です。
申請から約1週間後、市区町村の認定調査員が自宅を訪問し、心身の状態を調査します(所要時間60〜90分)。日常生活の様子を正確に伝えることが重要で、「できていること」「できないこと」「介助が必要な場面」を具体的に説明しましょう。
つまずきポイントは、本人が見栄を張って「できる」と答えてしまうことです。実際にはできないことも「できる」と言うと、軽い要介護度になり必要なサービスを受けられません。家族が同席して補足説明することをお勧めします。
申請から原則30日以内に結果通知が届き、要支援1〜2または要介護1〜5の認定を受けます。
ステップ2:ケアマネジャーの選定と契約(所要期間:1〜2週間/難易度:中)
次に取り組むのはケアマネジャー(介護支援専門員)が所属する居宅介護支援事業所の選定です。地域包括支援センターから事業所リストをもらい、複数の事業所に電話で問い合わせましょう。
選定のポイントは以下の5つです。
- 話をじっくり聞いてくれる姿勢があるか
- 専門知識が豊富で説明が分かりやすいか
- 連絡がつきやすく対応が迅速か
- 地域の介護資源に詳しいか
- 本人・家族の意向を尊重してくれるか
初回面談では、現在の生活状況、困っていること、どんな生活を送りたいか、家族のサポート体制などをヒアリングされます。遠慮せず本音で話すことが、適切なケアプラン作成につながります。
つまずきポイントは、ケアマネジャーとの相性です。数回やり取りして「合わない」と感じたら、変更も可能です。遠慮して我慢する必要はありません。
契約時に「重要事項説明書」の説明を受け、同意書にサインします。居宅介護支援(ケアプラン作成)は全額介護保険負担のため、利用者の自己負担は0円です。
ステップ3:ケアプランの作成と確認(所要期間:1〜2週間/難易度:中)
まず実施されるのはケアマネジャーによる詳細なアセスメント(課題分析)です。自宅を訪問し、本人の心身状態、生活環境、家族状況、利用できる社会資源などを総合的に評価します。
次に作成されるのはケアプラン(居宅サービス計画書)です。「週3回入浴したい」「外出の機会を増やしたい」などの希望を踏まえ、具体的なサービス内容・頻度・事業所を記載した計画書が提示されます。
ケアプランの一例(要介護2・独居の場合):
- 訪問介護:週3回(入浴介助、調理、掃除)
- 通所介護:週2回(入浴、機能訓練、レクリエーション)
- 福祉用具貸与:歩行器、手すり
- 月額利用料:約20,000円(1割負担の場合)
プラン内容に納得したら、サービス担当者会議が開催されます。本人・家族、ケアマネジャー、各サービス事業所の担当者が集まり、ケアプランの共有と確認を行います。
つまずきポイントは、遠慮して希望を言えないことです。「こんなこと言っていいのかな」と思わず、生活で困っていることは全て伝えましょう。ケアプランは修正可能です。
ステップ4:サービス事業所との契約(所要期間:1週間/難易度:低)
契約を結ぶのはケアプランに記載された各サービス事業所です。訪問介護事業所、デイサービス、福祉用具貸与事業所など、利用する全事業所と個別に契約します。
各事業所から「重要事項説明書」で、サービス内容、料金、営業時間、緊急時対応、苦情受付窓口などの説明を受けます。不明点は遠慮なく質問しましょう。
契約書と重要事項説明書を受け取り、署名・捺印します。この時点で、具体的な訪問日時や送迎時間などのスケジュールも調整されます。
つまずきポイントは、書類の多さに圧倒されることです。複数事業所と契約すると書類が大量になりますが、ケアマネジャーが段取りをサポートしてくれるため安心してください。書類は必ず保管し、わからないことがあればすぐに確認できるようにしましょう。
ステップ5:サービス利用開始と定期的な見直し(継続的/難易度:低)
いよいよ開始するのは実際のサービス利用です。初回は担当者が丁寧に説明しながら進めてくれるため、緊張せずに指示に従いましょう。デイサービスなら送迎車が自宅まで迎えに来て、帰りも送ってくれます。
利用開始後、気になることや困ったことがあれば、すぐにケアマネジャーや事業所に連絡してください。「デイサービスの入浴が負担」「訪問時間を変更したい」など、小さなことでも遠慮せず伝えることが重要です。
定期的に実施されるのはモニタリング(経過観察)です。ケアマネジャーが月1回程度訪問し、サービスの実施状況や本人の状態変化を確認します。状態が変わればケアプランを見直し、サービス内容を調整します。
また、要介護認定は有効期間(通常6〜12ヶ月)があり、期限前に更新手続きが必要です。ケアマネジャーが時期を知らせてくれますが、自分でもスケジュール管理しておきましょう。
つまずきポイントは、状態変化を見逃すことです。「最近、歩くのがつらそう」「物忘れが増えた」など、変化に気づいたらすぐにケアマネジャーに報告し、ケアプランの見直しを依頼しましょう。
介護サポートサービス活用成功のコツと注意点
適切なサービス選びと活用には、経験者が陥りやすい失敗を避け、効果的な利用方法を知ることが重要です。
よくある失敗例と対策
失敗例1:サービスを使いすぎて本人の自立度が低下した
「楽だから」と何でもヘルパーに任せると、できることまで失ってしまいます。例えば自分で着替えられるのにヘルパーに全て任せると、数ヶ月で着替え能力が低下します。
対策として、ケアプランは「自立支援」を基本に作成してもらいましょう。できることは自分で行い、難しい部分だけサポートを受ける「部分介助」が理想です。ケアマネジャーと「維持したい能力」を明確に共有してください。
失敗例2:本人が嫌がってサービスを拒否し続ける
特にデイサービスは「知らない人ばかりで行きたくない」と拒否されることがあります。無理強いすると関係が悪化し、必要なケアも受けられなくなります。
対策として、まず体験利用(見学・お試し利用)を活用しましょう。多くの事業所が無料体験を実施しています。また、本人が興味を持つ活動(カラオケ、麻雀、手芸など)がある施設を選ぶと、参加意欲が高まります。
最初は週1回から始め、慣れてから回数を増やすのも有効です。
失敗例3:費用が高額になり経済的に負担が大きくなった
支給限度額を超えたサービス利用や、介護保険外サービスの多用で、想定以上の費用がかかるケースがあります。
対策として、ケアプラン作成時に月額の自己負担額を必ず確認しましょう。限度額内でのサービス組み合わせを基本とし、どうしても必要な場合のみ限度額超過や保険外サービスを検討します。
低所得者向けの減額制度や高額介護サービス費(月の自己負担上限額を超えた分が払い戻される制度)も活用してください。
サービスの質を見極めるポイント
事業所選びでは、以下の点をチェックしましょう。
- 見学時の職員の対応が丁寧で明るいか
- 施設内が清潔で整理整頓されているか
- 利用者の表情が穏やかで楽しそうか
- 個別対応を重視しているか(画一的でないか)
- 緊急時の連絡体制が明確か
複数の事業所を見学・比較し、本人に合った雰囲気の場所を選ぶことが重要です。口コミや評判も参考になりますが、実際に訪問して自分の目で確認しましょう。
家族とサービス提供者の連携を密にする
良好な関係を築くには、日頃からコミュニケーションを大切にします。訪問時や送迎時に短時間でも会話し、様子を共有しましょう。
気になることは遠慮せず伝え、逆に感謝の言葉も積極的に伝えます。「いつもありがとうございます」の一言が、より良いケアにつながります。
また、連絡帳やケアノートを活用し、情報共有を徹底します。夜間の様子や体調変化など、小さな変化も記録して伝えることで、適切な対応が可能になります。
よくある質問(FAQ)
Q1: 要介護認定を受けなくてもサービスは利用できますか?
A: 介護保険を利用したサービスは要介護認定が必須です。ただし、認定結果が出るまでの暫定ケアプランで、申請中からサービス利用を開始できます。また、介護保険外の自費サービス(家事代行、配食サービスなど)は認定なしでも利用可能ですが、全額自己負担となります。
Q2: ケアマネジャーが合わない場合、変更できますか?
A: 変更可能です。まず現在のケアマネジャーまたは事業所に変更希望を伝えます。言いにくい場合は、地域包括支援センターに相談して仲介してもらえます。変更には数週間かかる場合がありますが、我慢して付き合い続ける必要はありません。相性は大切です。
Q3: 介護サービスの利用を始めたら、ずっと続けなければいけませんか?
A: 必要に応じて中断・再開が可能です。体調が回復した、家族のサポート体制が整った、などの理由でサービスを減らしたり一時休止したりできます。逆に状態が悪化した場合は増やすこともできます。ケアマネジャーに相談し、柔軟に調整しましょう。
Q4: 要介護度が低いと十分なサービスを受けられませんか?
A: 要介護度に応じた支給限度額の範囲内で、必要なサービスを組み合わせられます。要支援1・2や要介護1の方でも、訪問サービスと通所サービスの組み合わせなど、効果的なプランが可能です。限度額内でどう活用するかが重要で、ケアマネジャーが最適な組み合わせを提案してくれます。
Q5: 独居高齢者でも在宅介護サービスだけで生活できますか?
A: 要介護度や認知症の有無により異なりますが、適切なサービス組み合わせで在宅生活を継続している方は多くいます。訪問介護、訪問看護、配食サービス、緊急通報システムなどを活用し、見守り体制を整えれば可能です。ただし、重度の場合は施設入所も視野に入れ、定期的に状況を評価することが重要です。
まとめ
介護サポートサービス選びの成功には、①要介護認定の早期申請、②信頼できるケアマネジャーとの出会い、③本人の希望を反映したケアプラン作成の3つが不可欠です。サービスは要介護度に応じて柔軟に調整でき、自己負担1〜3割で充実したケアを受けられます。
次のアクションとして、まずお住まいの市区町村の介護保険窓口または地域包括支援センターに連絡し、要介護認定の申請から始めましょう。相談は無料で、親身に対応してもらえます。
介護は一人で抱え込まず、専門職の力を借りながら進めることが大切です。適切なサービス活用で、本人もご家族も笑顔で過ごせる日々を取り戻せます。あなたの介護生活がより良いものになることを心から願っています。

