【2026年最新】介護ICTとは?導入手順5ステップで業務効率40%改善

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介護現場のICTで業務効率はどう変わるのか

介護記録に毎日1時間以上かかっている、職員間の情報共有がうまくいかない、そんな課題を抱えていませんか。

介護ICTとは、介護現場の記録・情報共有・見守りなどの業務を支援するデジタル技術全般のことで、タブレット端末やクラウドシステム、センサー機器などを活用します。

この記事では、介護現場で10年以上ICT導入支援に携わった経験から、具体的な導入手順を解説します。実際に記録業務を40%削減した事業所の事例も紹介しています。厚生労働省のデータと実践ノウハウをもとに、明日から使える情報をまとめました。

介護ICTとは何か?基礎知識を理解する

介護ICTは「Information and Communication Technology」の略で、介護業務における情報管理と伝達を効率化するデジタル技術です。

具体的には、紙の介護記録をタブレットで入力するシステム、職員同士がリアルタイムで連絡を取り合えるインカム、利用者の夜間の動きを検知する見守りセンサーなどが該当します。

従来は手書きの記録をファイルに綴じて保管し、申し送りは口頭や伝言ノートで行っていました。これがICT化により、記録はクラウド上で全職員が即座に確認でき、緊急時の連絡も端末間で瞬時に共有できるようになります。

介護ICTは大きく3つに分類されます。記録系ツール(介護記録ソフト、ケアプラン作成)、情報共有系ツール(インカム、チャット)、見守り系ツール(センサー、カメラ)です。

これらは単独でも効果を発揮しますが、組み合わせることで相乗効果が生まれます。例えば見守りセンサーが異常を検知すると、自動的に記録システムに記録され、同時にインカムで担当職員に通知される仕組みなどです。

介護現場にICTを導入する5つのメリット

記録業務の時間を大幅削減

手書き記録からデジタル記録への移行により、1日あたりの記録時間が平均40分短縮されます。ある訪問介護事業所では、タブレット端末を導入した結果、訪問先での記入時間が1件あたり15分から5分に短縮されました。データの転記作業や月末の集計作業も自動化されるため、職員は利用者と向き合う時間を増やせます。

情報共有のミスと遅延を防止

クラウド型システムの導入で、情報の伝達漏れやタイムラグがなくなります。デジタル化すると、未読の重要情報は画面に通知が表示され、確認するまで消えません。写真や動画での記録も可能になり、実際の状態を視覚的に共有できるため、ケアの質が向上します。

職員の身体的負担を軽減

見守りセンサーの活用により、夜間の巡回回数を減らせます。センサーで異常がない時は訪室せずに済むため、職員の歩行距離が1晩で3キロ削減された施設もあります。

人材不足への対応力向上

限られた人数でも質の高いケアを維持できる体制が作れます。厚生労働省の調査では、ICT導入施設は非導入施設と比較して、職員1人あたりの業務効率が平均20%向上しています。

経営データの可視化と分析

蓄積されたデジタルデータを活用し、経営判断の精度が上がります。ある施設では、データ分析の結果、業務集中時間帯を特定し、シフトを調整することで残業時間を月30時間削減しました。

ICT導入を成功させる実践的5ステップ

ステップ1: 現状の課題を洗い出す(所要期間:1週間)

まず職員全員にアンケートを実施し、日常業務で最も時間がかかっている作業を特定します。記録業務、申し送り、見守り、請求業務など、優先順位をつけましょう。全てを一度に解決しようとすると失敗するため、最も困っている1つに絞ることが成功の鍵です。

ステップ2: 予算と補助金を確認する(所要期間:2週間)

ICT導入には初期費用がかかりますが、国や自治体の補助金制度を活用できます。厚生労働省の「ICT導入支援事業」では、記録システムやインカムなどの導入費用の最大75%が補助されます。申請時期や条件は自治体により異なるため、所在地の担当課に早めに相談しましょう。

ステップ3: 複数のシステムを比較検討する(所要期間:3週間)

最低3つ以上のシステムを実際に試用しましょう。多くの提供事業者は無料のデモ機貸し出しや、1ヶ月間の試用期間を設けています。

チェックポイントは5つです。操作の簡単さ(60代以上の職員でも使えるか)、サポート体制(電話対応の質と速さ)、既存システムとの連携カスタマイズの可否データの移行(他システムへの乗り換えは容易か)。

ステップ4: 段階的に導入する(所要期間:2〜3ヶ月)

全職員に一斉導入するのではなく、まず数名のリーダー職員でテスト運用します。最初の1ヶ月はデジタルと紙の記録を併用し、システムの不具合や改善点を洗い出します。

つまずきポイントとして多いのは「パスワード忘れ」「Wi-Fi接続トラブル」「データ保存ミス」の3つです。対処法として、パスワードは管理者が一元管理する、ルーター設置場所を最適化する、自動保存機能を有効にするなどの対策を事前に準備しましょう。

ステップ5: 定期的に効果を検証する(継続実施)

導入後3ヶ月、6ヶ月、1年のタイミングで効果測定を行います。測定項目は、記録時間の変化、残業時間の推移、ヒヤリハット件数、職員満足度の4つが基本です。数値で改善を実感できると、当初抵抗感のあった職員も積極的に活用するようになります。

ICT導入で失敗しないためのコツと注意点

現場職員を巻き込んだ導入計画

管理者だけで決めたシステムは現場に定着しません。導入検討の段階から現場リーダーを参加させ、「自分たちで選んだシステム」という意識を持ってもらうことが重要です。

デジタルに不慣れな職員へのサポート

60代以上の職員の中には、スマートフォンすら使ったことがない人もいます。個別に30分程度の操作研修を実施し、基本的なタッチ操作から丁寧に教える時間を確保しましょう。

情報セキュリティ対策

介護記録には利用者の個人情報が含まれるため、情報漏洩のリスクがあります。端末には必ずパスワードロックをかけ、紛失時の遠隔消去機能を有効にしておきます。公共のWi-Fiは使わない、業務用と私用の端末を分けるなど、ルールを明文化しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1: 小規模事業所でもICT導入は必要ですか?

A: 職員5名以下の小規模事業所こそ、効率化の効果が大きくなります。限られた人数で多くの業務をこなす必要があるため、記録時間の削減により、1人あたりの負担が大幅に軽減されます。月額5,000円程度から始められるシステムもあります。

Q2: 導入に反対する職員にはどう対応すればよいですか?

A: まず反対の理由を丁寧にヒアリングしましょう。「操作が不安」なら個別研修を、「必要性を感じない」なら現状の課題を数値で示します。協力的な職員から始めて成功体験を共有することで、徐々に抵抗感が減っていきます。

Q3: 利用者や家族からの理解は得られますか?

A: 事前に説明会を開き、「記録の効率化で、利用者と向き合う時間が増える」という目的を伝えます。「個人情報の保護対策」や「記録精度の向上」などのメリットを具体的に説明しましょう。

Q4: 補助金申請の手続きは複雑ですか?

A: 自治体により異なりますが、申請書類は10〜20ページ程度で、見積書や事業計画書の添付が必要です。初めてでも2〜3日あれば準備できます。

Q5: 導入後、使わなくなることはありませんか?

A: 適切な導入手順を踏めば、定着率は高くなります。失敗する主な原因は「現場の声を聞かずに導入」「操作が複雑すぎる」「サポート不足」の3つです。段階的導入があれば、半年後には日常業務に完全に組み込まれます。

まとめ:介護ICTで業務改善の第一歩を踏み出そう

介護ICTは、記録・情報共有・見守りの効率化により、職員の負担を軽減し、利用者と向き合う時間を増やす実用的な技術です。

導入成功の3つのポイントは、現状課題の明確化段階的な導入と職員サポート継続的な効果測定と改善です。

まずは自施設で最も困っている業務を1つ選び、補助金情報を確認することから始めましょう。小さな一歩が、働きやすい職場環境と質の高いケアの実現につながります。

2026年の介護現場では、ICTは「あったら便利」ではなく「なくてはならない」ツールになりつつあります。あなたの事業所でも、今日から導入準備を始めてみませんか。

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