CASE 03|リスキリング支援コースで業務DXを実現した障害者支援施設の事例

補助金/助成金

活用コース:事業展開等リスキリング支援コース


「記録業務が紙からタブレット入力に変わると聞いたとき、最初は正直怖かったです。でも研修で基礎からしっかり教えてもらえたので、今では私が一番使いこなしているかもしれません(笑)。記録を書く時間が減って、その分だけ利用者さんと向き合えるようになりました」

──障害者支援施設・生活支援員(50代・女性)


導入前の課題

知的障害者のグループホームと日中活動支援を運営するある社会福祉法人では、30名のスタッフが紙の記録・報告書に多くの時間を費やしていました。1日あたりの記録作業時間はスタッフ1名平均で約52分。24名の支援対象者に関する日誌・モニタリング記録・支援計画書などを手書きで作成・ファイリングする作業が、業務全体の大きな負担となっていました。

そこで法人は、介護・障害福祉向けの記録・情報共有システムを導入することを決定。しかしIT導入の最大の壁は「スタッフのデジタルスキル不足」でした。

スタッフの平均年齢は43.2歳で、パソコンやスマートフォンの操作に自信がないという職員が全体の約60%に達していました。システムを入れても使いこなせなければ意味がない——そこでリスキリング研修への投資を決断しましたが、想定費用は総額で150万円を超える規模となりました。

そのタイミングで社会保険労務士からの提案で知ったのが、「事業展開等リスキリング支援コース」です。


補助金の活用内容

項目内容
助成金コース人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
訓練種別新たなIT活用に伴うOFF-JT(外部研修・集合型)
対象スタッフ数22名(雇用保険被保険者)
訓練内容記録システム操作・タブレット基礎・情報セキュリティ・クラウド活用(計32時間)
訓練経費総額154万円(外部研修委託費・教材・機器使用料)
経費助成額(助成率75%)115.5万円
賃金助成額約16.7万円(760円×22名×10時間)
助成合計約132.2万円
法人の実質自己負担約21.8万円

研修は法人内の会議室で実施(集合型OFF-JT)。外部のIT研修会社が講師を派遣し、実際に導入するシステムを使った実践的なカリキュラムを提供しました。スタッフのITリテラシー差を考慮し、「基礎コース」と「応用コース」の2段階に分けて実施したことが、スムーズな習得につながりました。


導入後の効果(Before → After)

指標Before(導入前)After(導入後6か月)
1日あたり記録作業時間52分/人21分/人(約60%減)
月間記録関連残業時間(全体)約186時間約75時間(約60%減)
ヒヤリハット情報共有のタイムラグ平均1.8日即日〜数時間に短縮
「IT操作に自信なし」のスタッフ60%18%(大幅改善)

まとめ

月間186時間の記録残業が75時間に削減されたことで、残業コストとして換算すると年間約182万円の人件費削減につながりました。

自己負担21.8万円の投資に対し、初年度だけで約8.3倍のコスト削減効果が得られた計算です。「IT化は難しそう」「うちのスタッフには無理」と感じている福祉事業者こそ、リスキリング支援コースと助成金を活用して、デジタル化への第一歩を踏み出すタイミングです。現場を変えるのはシステムではなく、使いこなすスタッフの力です。


※本事例はモデルケースです。実際の助成額・効果は事業所の規模・訓練内容・申請状況等により異なります。最新の助成率・要件は厚生労働省の公式情報をご確認ください。

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