翻訳・言語AIを手がけるDeepLが2025年12月に公開した大規模調査で、世界5カ国の経営幹部のうち約69%が「2026年中に自律型AIによる業務の大幅な再編が起きる」と予測していることが明らかになった。AIは実験段階を脱し、企業インフラの中核へと移行しつつある。
AIエージェント導入、いよいよ本番フェーズへ
本調査はDeepLの委託のもと調査会社Censuswideが2025年9月に実施したもので、米国・英国・ドイツ・フランス・日本の経営幹部計5,000名が回答した。
結果が示す変化のスピードは目を引く。回答者の44%が「2026年に自律型AIが大きな変革をもたらす」と見ており、さらに25%は「変革はすでに進行中だ」と答えた。AIエージェントによる業務への影響は「ない」とした回答者はわずか7%にとどまった。
AIエージェントへの信頼を高めている要因としては、実証済みのROI・効率改善(22%)、従業員の適応力(18%)、企業側の受け入れ態勢の整備(18%)が上位に挙がった。一方で、導入コスト(16%)や技術の成熟度への懸念(12%)が課題として残る。
ビジネス成長の主役はAI──ただし国によって温度差
AI施策全般についても、肯定的な評価が広がっている。67%の経営幹部が「今年のAI投資でROIが向上した」と回答し、52%が「来年は他のどの技術よりもAIが事業成長に貢献する」と予想している。
国別に見ると、AIによる業績向上の実感には顕著な差がある。英国(80%)とドイツ(78%)が上位を占め、米国(71%)・フランス(70%)がそれに続く。日本はわずか35%にとどまり、他国との間に大きな開きがある。
雇用面では、51%が「AIによって失われる職種より新たに生まれる職種の方が多くなる」と予測し、52%が「今後の採用でAIスキルが必須になる」と述べた。
言語AI・音声AIは「ツール」から「インフラ」へ
DeepLが特に注目するのが、言語AIおよび音声AIの位置づけの変化だ。
グローバル企業の64%が2026年に言語AI関連の投資を拡大する計画を持っており、英国(76%)・ドイツ(74%)・米国(67%)での意欲が際立っている。日本は38%と消極的だが、それでも3人に1人以上が関心を示している点は見逃せない。
音声AI分野では変化がさらにドラマチックだ。リアルタイム音声翻訳を「現時点で不可欠」とする回答は32%だったが、「2026年までに不可欠になる」と答えた層は54%に上り、短期間での普及が見込まれる。
英国(48%)とフランス(33%)ではすでに早期導入が進んでいる一方、日本の現時点での採用率は11%にとどまっている。
DeepLの見立て
DeepLのCEO兼創業者ヤレック・クテロフスキー氏は、AIエージェントを「もはや実験段階ではなく、避けて通れない存在」と表現し、2026年には従業員が反復作業から解放されて本質的な業務に集中できる環境が整うとの見通しを示している。
また音声翻訳については「相互理解が深まることでコラボレーションが加速する」とその重要性を強調した。
DeepL自身も現在、自律型AIアシスタント「DeepL Agent」の開発を進めており、事務・専門職の業務変革を目指している。同社は2017年設立、従業員1,000名超、228市場・20万社以上に利用されるグローバルAI企業だ。
参照元: PR TIMES「DeepL、グローバル経営幹部の69%が、2026年にAIエージェントによるビジネス再編が起こると予測との調査結果を発表」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000112534.html

