記事② シフト作成が月20時間→2時間に――特別養護老人ホームのシフト管理DX事例

補助金/助成金

「毎月末が地獄でした。Excelとにらめっこしながら、深夜まで試行錯誤。それでも必ずどこかでミスが出て……」 (施設長代理・勤続12年)

導入前の課題:Excelシフトが限界に達していた

定員80名の特別養護老人ホームで、シフト管理を担当していた主任は毎月末の約3〜4日間、他の業務を後回しにしてシフト作成に専念せざるを得ない状況でした。

スタッフ数は常勤・非常勤合わせて約45名。夜勤体制・有休申請・資格要件(夜勤は介護福祉士必須など)・法定人員配置基準を満たしながらExcelで手動調整する作業は、毎月平均20時間以上を費やしていました。

特に問題だったのが急な欠員対応です。電話・LINEが混在し、代替スタッフへの連絡漏れが月2〜3件発生。そのたびに管理職が現場に入らざるを得ず、管理業務が停滞する悪循環に陥っていました。

介護職の年間離職者数は6名で、退職アンケートでは「シフトが不公平」「急な呼び出しが多い」という声が繰り返し挙がっていました。

補助金の活用内容

人員配置基準チェック機能や自動シフト最適化機能を備えたクラウド型シフト管理システムを「IT導入補助金2024(通常枠)」で導入しました。

費用項目金額
システム導入・初期設定費250,000円
月額利用料(45名 × 1,200円 × 12ヶ月)648,000円
研修・マニュアル作成費80,000円
合計費用978,000円
補助額(補助率1/2)489,000円
自己負担額489,000円

導入後の効果

指標導入前導入後
月間シフト作成時間約20時間約2時間(90%減
急な欠員の連絡漏れ月2〜3件0件(導入後8ヶ月)
スタッフの休暇取得率62%84%
年間離職者数6名2名(翌年度)
管理職の時間外労働月18時間月6時間

スタッフ自身がアプリから希望休を入力できるようになり、「希望が通りやすくなった」という声が増加。シフト調整の透明性が上がったことで職員満足度も向上しました。人員配置基準の自動チェック機能により、法令違反リスクがゼロになったことも大きなメリットです。

まとめ

シフト管理のDXは「業務効率化」にとどまらず、「スタッフが働き続けられる環境づくり」そのものです。

月20時間の節約は年間240時間——約6週間分の業務時間を取り戻すことを意味します。IT導入補助金を活用すれば、実質負担50万円以下でこうした変化を起こすことが可能です。採用・育成コストが高騰する今こそ、定着率改善への投資を検討するタイミングです。

※本事例はモデルケースです。実際の補助金額・効果は事業者の規模・申請内容によって異なります。IT導入補助金の詳細はhttps://it-shien.smrj.go.jp/をご確認ください。

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