生成AIが企業経営の「基盤技術」へ——2,200ページの総合白書が示す2030年への道筋

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年率84%超の市場拡大、企業導入率は3年で約3倍に。最新の調査白書が、AIシフトの全貌を体系的に整理した。


一般社団法人 次世代社会システム研究開発機構(INGS)は2025年12月22日、生成AIの市場動向から実装戦略までを網羅した調査報告書『生成AI総覧白書2026年版』を発刊した。総ページ数は2,200ページに及び、製本版とPDF版の2形式で提供されている。

急膨張する市場、3年で企業導入率が3倍へ

白書が提示するデータによると、生成AIおよびエージェントシステムの世界市場は2023年時点で約10億ドル規模だったものが、2028年には約80億ドルへと拡大する見通しだ。この間の年平均成長率は84.4%に達するとされており、テクノロジー分野のなかでも突出した伸びを記録している。

企業側の対応も急速だ。生成AIの導入率は2023年の14.7%から2025年予測では41.6%まで高まるとされており、わずか2年で約3倍の水準に達する計算になる。さらに2027年以降は、110を超える主要なビジネス活用シーンが実装フェーズに入るとも分析されている。

経営層から現場担当者まで「使い分けられる」設計

今回の白書が特徴的なのは、その対象読者の幅広さだ。市場の全体像を俯瞰したい経営層向けの戦略的インサイトから、IT部門向けのシステム選定・導入ガイド、マーケティング・営業部門向けの顧客ソリューション開発支援、さらには規制対応やリスク管理を担う法務・コンプライアンス部門向けの情報まで、244項目のトピックが階層別に整理されている。

技術的な内容も充実しており、基盤モデルのアーキテクチャ動向や、オープンソースツール・APIの活用方針なども収録。研究開発部門が次世代技術への投資判断を行う際の参考資料としても活用できる構成になっている。

国内外の規制環境も横断的に整理

AI規制の急速な整備が進む中、白書ではEU AI ActやアメリカのAI関連規制、中国の動向に加え、日本国内のガイドラインや日本語LLMの開発状況についても詳細に記載している。企業がグローバルとローカルの両軸でコンプライアンス対応を進めるうえで、横断的な参照資料として機能することが想定されている。

情報源としてはIDC、McKinsey、PwCなど国際的な調査機関のデータが活用されており、実際の企業事例や主要AIベンダーの動向も反映されているという。

シンクタンクとしての20年超の蓄積

INGSは、前身組織を含めると20年以上にわたって産業・技術・経済分野のシンクタンク活動を続けてきた法人だ。これまでに数百冊の刊行実績を持ち、政府系機関や大手企業、投資ファンドなどにも納品してきた実績がある。今回の白書も、英語版・中国語版の展開が視野に入れられている。

生成AIが単なる効率化ツールにとどまらず、ビジネスモデルそのものを変える基盤技術として位置づけられつつある今、こうした包括的な調査資料の需要は今後も高まりそうだ。


参照元: PR TIMES「2026年の一手が変わる:『生成AI総覧白書2026年版』をリリース」(一般社団法人 次世代社会システム研究開発機構) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000115680.html

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