障害者の仕事とは?向いている職種7選と失敗しない職場選び【2025年版】

福祉経営
  1. はじめに:障害があっても自分らしく働ける時代
  2. 障害者雇用の現状と平均賃金を知る
    1. 障害種別の平均月収
    2. 障害者が多く働く産業トップ5
  3. 障害の種類別:向いている仕事7選
    1. 1. 事務職(データ入力・書類作成)
    2. 2. 軽作業・工場内作業(検品・梱包・組立)
    3. 3. 清掃職(ビル・施設・オフィス)
    4. 4. コールセンター(テクニカルサポート)
    5. 5. システムエンジニア・Webデザイナー
    6. 6. 農業(種まき・収穫・水やり)
    7. 7. お弁当作成・軽食調理
  4. 障害者が働きやすい勤務形態4つ
    1. 1. 障害者雇用枠での就職
    2. 2. 在宅勤務(テレワーク)
    3. 3. 特例子会社での就労
    4. 4. 就労継続支援A型・B型
  5. 失敗しない職場選び:5つのチェックポイント
    1. 1. 障害への理解度を確認する
    2. 2. 合理的配慮の内容を具体的に聞く
    3. 3. 在宅勤務・時差出勤の可否
    4. 4. 実際の業務内容と業務量
    5. 5. 障害者雇用の実績と定着率
  6. 障害者の仕事探しで活用できる支援機関4つ
    1. 1. ハローワーク(専門援助部門)
    2. 2. 就労移行支援事業所
    3. 3. 地域障害者職業センター
    4. 4. 障害者就業・生活支援センター
  7. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 障害者手帳がなくても障害者雇用で働けますか?
    2. Q2. 障害を開示せずに働くことはできますか?
    3. Q3. 週20時間未満でも障害者雇用で働けますか?
    4. Q4. 障害者雇用の給料は一般雇用より低いのですか?
    5. Q5. 就労移行支援とハローワーク、どちらを利用すべきですか?
  8. まとめ:今日から始める3つのアクション
    1. 今日から始める3つのアクション

はじめに:障害があっても自分らしく働ける時代

障害者の仕事探しで悩んでいませんか?「障害があっても働ける仕事はあるのか」「どうやって自分に合った職場を見つければいいのか」と不安を感じる方は多いでしょう。

障害者雇用で働く方は全国で67万人以上、19年連続で過去最高を更新しています。身体・知的・精神・発達障害を問わず、一人ひとりの特性に合わせて活躍できる職場が確実に増えています。

この記事では、障害者支援施設で8年間就労支援を担当してきた経験から、障害の種類別に向いている仕事、職場選びで確認すべきポイント、実際に使える支援制度を具体的に解説します。

「障害があっても安心して長く働き続けたい」というあなたの願いを実現するための実践的な情報をお伝えします。

障害者雇用の現状と平均賃金を知る

障害者が働く環境は年々改善しており、2024年には民間企業で働く障害者数が677,461人(対前年比5.5%増)と過去最高を記録しました。実雇用率も2.41%に達し、法定雇用率の引き上げ(2024年4月に2.5%、2026年7月に2.7%)により、今後さらに雇用機会が拡大します。

障害種別の平均月収

厚生労働省「令和5年度障害者雇用実態調査」によると、障害種別の平均月収は以下の通りです。

障害種別全体平均週30時間以上週20~30時間未満
身体障害235,000円268,000円162,000円
知的障害137,000円157,000円111,000円
精神障害149,000円193,000円121,000円
発達障害130,000円155,000円107,000円

雇用形態や労働時間によって収入は大きく変動しますが、フルタイム勤務であれば月収15万〜26万円程度が目安です。正社員として無期契約で働く障害者も増えており、身体障害者の49.3%、精神障害者の25.0%が正社員の無期契約で働いています。

障害者が多く働く産業トップ5

産業別の実雇用率では、医療・福祉(3.19%)が最も高く、運輸業・郵便業、製造業、サービス業と続きます。職種としては、事務職、生産工程職(工場作業)、清掃、サービス職が人気です。

特に製造業と小売業では、身体・知的・精神障害者いずれも15%以上が就業しており、障害の種類を問わず働きやすい環境が整っています。

障害の種類別:向いている仕事7選

障害の特性によって得意とする仕事は異なります。ここでは、実際に多くの障害者が活躍している職種を7つ紹介します。

1. 事務職(データ入力・書類作成)

向いている障害
身体障害(26.3%)、精神障害(29.2%)

パソコンを使ったデータ入力、書類作成、電話・メール対応など、座位で行える作業が中心です。自分のペースで進められるため、体力的な負担が少なく、通院や体調に配慮した勤務調整もしやすい職種です。

実際の配慮例
車椅子対応デスク、音声入力ソフト導入、定期面談による業務量調整、時差出勤・在宅勤務の許可。

求人例
障害者雇用枠の一般事務(月給18万〜22万円、正社員)、完全在宅のデータ入力(契約社員、月給15万〜18万円)。

2. 軽作業・工場内作業(検品・梱包・組立)

向いている障害
身体障害、知的障害、精神障害

工場での商品検品、梱包、簡単な組立作業、仕分けなど、マニュアル化されたルーチンワークが中心です。一度作業を覚えれば繰り返しおこなうため、変化が苦手な方でも安心して取り組めます。座り作業が選べる職場も多く、身体的負担を調整しやすい点が特徴です。

実際の配慮例
写真付きマニュアル、作業工程の分割、定期的な休憩時間の設定、健常者とのペア配置。

求人例
化学製品メーカー工場作業(正社員、月給19万〜25万円)、食品工場の盛り付け・検品(パート、時給1,000〜1,200円)。

3. 清掃職(ビル・施設・オフィス)

向いている障害
知的障害(13.2%)、身体障害、精神障害

オフィスビル、公共施設、ホテル、病院などの清掃業務です。作業手順が決まっており、コミュニケーションの頻度も少ないため、対人関係が苦手な方でも働きやすい職種です。「きれいになった」と感謝されることでやりがいを感じられます。

実際の配慮例
清掃手順の視覚化(写真・イラスト付き)、作業エリアの固定、清掃道具の工夫、柔軟な勤務時間設定。

大都市圏の実績
都庁舎で知的障害者を清掃業務に雇用。知的障害者への清掃業務管理マニュアルも公開されています。

4. コールセンター(テクニカルサポート)

向いている障害
精神障害、身体障害

製品の使い方や問い合わせに対応するテクニカルサポート業務です。詳細なマニュアルが完備されているため、マニュアル通りに対応すれば良く、精神的な負担が軽減されます。座位での業務なので身体的負担も少なく、在宅勤務が可能な職場も増えています。

実際の配慮例
マニュアルの充実、対応時間の調整、チャット対応への切り替え、在宅勤務の許可。

5. システムエンジニア・Webデザイナー

向いている障害
身体障害(11%)、発達障害を含む精神障害(15.6%)

プログラミング、システム設計、Webデザインなど、専門スキルを活かせる職種です。発達障害のある方の中には、特定分野で突出した才能を持つ方もおり、技術職として活躍する事例が多数あります。在宅勤務やフレックス制度が利用しやすく、自分のペースで働けます。

必要なスキル
プログラミング言語(Python、Javaなど)、デザインツール(Photoshop、Illustratorなど)、基本的なITリテラシー。

求人例
システムエンジニア(正社員、月給24万円以上、実務経験者優遇)、Webデザイナー(パート、時給1,112円以上、制作経験必須)。

6. 農業(種まき・収穫・水やり)

向いている障害
精神障害、知的障害、身体障害

種まき、水やり、収穫、選別など、作業ペースを自分で調整できる仕事です。天候や体調に合わせて作業内容を変更できるため、無理なく働けます。自然の中で働くことで精神的なリラックス効果もあり、障害者の就労継続支援B型事業所でも多く採用されています。

実際の配慮例
作業時間の柔軟な調整、屋内・屋外作業の選択、天候による作業変更、定期的な休憩。

7. お弁当作成・軽食調理

向いている障害
知的障害、精神障害

食材の準備、調理、盛り付け、梱包など、工程ごとに分かれた作業です。同じ動作の繰り返しが多く、一度覚えれば安定して働けます。「おいしい」と喜ばれることでやりがいを感じられ、習熟度に応じてリーダーや社員へのキャリアアップも可能です。

実際の配慮例
作業工程の分割、写真付きレシピ、衛生管理の視覚化、短時間勤務からのスタート。

障害者が働きやすい勤務形態4つ

障害の程度や生活状況に合わせて、さまざまな働き方が選べます。

1. 障害者雇用枠での就職

メリット
障害への理解がある職場、合理的配慮を受けやすい、長期就労しやすい(定着率70.4%)。

デメリット
障害者手帳が必要、求人数が一般雇用より少ない、週20時間以上の勤務が原則。

活用例
通院への配慮、時差出勤、業務量の調整、定期面談の実施。

2. 在宅勤務(テレワーク)

通勤が困難な方や、対人関係が苦手な方に最適です。データ入力、Webデザイン、プログラミング、ライティング、コールセンター業務など、完全在宅で働ける求人が増えています。自分のペースで仕事ができ、ストレスを軽減できます。

注意点
コミュニケーション手段の確認(チャット、メール、Web会議)、業務報告の方法、必要な機器の準備。

3. 特例子会社での就労

特例子会社とは
障害者の雇用促進を目的に設立された、大企業のグループ会社。バリアフリー設備、専門相談員の配置、柔軟な勤務体制など、障害者が働きやすい環境が整備されています。

メリット
大企業の安定性、障害への深い理解、同じ境遇の仲間がいる安心感。

4. 就労継続支援A型・B型

A型
雇用契約あり、最低賃金以上の給与、週20時間以上勤務、一般就労に近い環境。

B型
雇用契約なし、工賃制(平均月額1.6万円)、自分のペースで働ける、体調に応じた勤務調整が容易。

どちらを選ぶ?
体調が安定しており週20時間以上働けるならA型、体調の波があり短時間から始めたいならB型がおすすめです。

失敗しない職場選び:5つのチェックポイント

障害者雇用で長く働き続けるには、職場選びが最重要です。面接や見学時に必ず確認すべき5つのポイントを紹介します。

1. 障害への理解度を確認する

確認方法
「過去に同じ障害の方を雇用した経験はありますか?」「障害に関する社内研修はありますか?」と質問しましょう。

良い兆候
具体的な事例を話してくれる、障害特性を決めつけず個別に聞き取る姿勢がある、相談窓口が設置されている。

2. 合理的配慮の内容を具体的に聞く

合理的配慮とは
障害のある方が働きやすくするための、企業側の調整や環境変更。

確認すべき配慮例
通勤時間の調整、休憩時間の増加、業務内容の変更、支援機器の導入、定期面談の実施。

注意点
「できる範囲で配慮します」という曖昧な回答ではなく、「具体的にどのような配慮が可能か」を確認しましょう。

3. 在宅勤務・時差出勤の可否

質問例
「体調が不安定な時は在宅勤務できますか?」「通院日は時差出勤できますか?」

重要な理由
通勤ラッシュや長時間通勤が困難な場合、柔軟な働き方ができると長期就労につながります。

4. 実際の業務内容と業務量

確認方法
「1日の業務スケジュールを教えてください」「繁忙期の残業時間はどのくらいですか?」

つまずきポイント
求人票と実際の業務が違う、想定外の業務を任される、業務量が多すぎて体調を崩すケースがあります。面接時に具体的な業務内容を確認しましょう。

5. 障害者雇用の実績と定着率

質問例
「現在、何名の障害者が働いていますか?」「平均勤続年数はどのくらいですか?」

判断基準
障害者雇用の実績が豊富で、定着率が高い企業は、障害への理解とサポート体制が整っています。

障害者の仕事探しで活用できる支援機関4つ

一人で仕事を探すのは不安という方も多いでしょう。以下の支援機関を活用すれば、専門スタッフがサポートしてくれます。

1. ハローワーク(専門援助部門)

提供サービス
障害者求人の紹介、職業相談、応募書類の添削、面接同行、企業への推薦状発行。

メリット
無料、全国に拠点あり、求人数が豊富、障害の専門知識を持つ職員が対応。

利用方法
最寄りのハローワークの専門援助部門に予約し、障害者手帳または医師の診断書を持参。

2. 就労移行支援事業所

提供サービス
就職に向けた訓練(ビジネスマナー、PCスキル、専門スキル)、職場実習、求人紹介、就職後の定着支援(最長3年6か月)。

メリット
スキル習得と就職活動を同時進行できる、企業とのネットワークが豊富、就職後も継続サポート。

対象者
65歳未満の障害者(障害者手帳または医師の意見書が必要)、原則2年間利用可能。

利用料
世帯収入に応じて0円〜37,200円/月(9割以上の利用者が無料)。

3. 地域障害者職業センター

提供サービス
職業リハビリテーション
職業適性検査
ジョブコーチ支援(職場適応援助者)
リワーク支援(復職支援)

メリット
専門的なアセスメント、個別支援計画の作成、企業とハローワークとの連携。

注意点
直接求人を紹介する機関ではないが、ハローワークと連携して就職活動を進められます。

4. 障害者就業・生活支援センター

提供サービス
就職相談、生活相談、職場定着支援、金銭管理支援、福祉サービスとの連携。

メリット
就職だけでなく生活全般をサポート、身近な地域で相談できる、関係機関との連携が充実。

全国設置数
334か所(2023年4月時点)。

よくある質問(FAQ)

Q1. 障害者手帳がなくても障害者雇用で働けますか?

A. 原則として障害者雇用枠への応募には障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれか)が必要です。

ただし、手帳がなくても一般雇用枠で働くことは可能で、合理的配慮を求めることもできます。障害者雇用での就職を希望する場合は、まず障害者手帳の取得手続きを進めましょう。

Q2. 障害を開示せずに働くことはできますか?

A. 一般雇用であれば、障害を開示せずに働くことは可能です。ただし、障害者職業総合センターの調査によると、障害を開示して働く場合の1年後定着率は70.4%、開示せずに働く場合は30.8%と約2倍の差があります。

長く安定して働きたい場合は、障害を開示し配慮を受けながら働くことをおすすめします。

Q3. 週20時間未満でも障害者雇用で働けますか?

A. 障害者雇用促進法では、原則として週20時間以上の勤務が対象です。ただし、2024年の法改正により、週10時間以上20時間未満の短時間労働者も雇用率にカウントされるようになりました(0.5人分として算定)。

体調に不安がある場合は、短時間勤務が可能か企業に相談してみましょう。

Q4. 障害者雇用の給料は一般雇用より低いのですか?

A. 給料は障害の種類、雇用形態、労働時間、職種によって異なります。フルタイム勤務(週30時間以上)であれば、身体障害者で平均月収26.8万円、精神障害者で19.3万円です。一般雇用と比較して必ずしも低いわけではなく、正社員として長期就労すれば昇給や賞与も期待できます。

Q5. 就労移行支援とハローワーク、どちらを利用すべきですか?

A. 両方を併用することも可能です。就職に向けたスキル習得や訓練が必要な場合は就労移行支援すぐに求人を探したい場合はハローワークがおすすめです。就労移行支援では就職後の定着支援も受けられるため、初めて障害者雇用で働く方には特に有効です。自分の状況に合わせて選びましょう。

まとめ:今日から始める3つのアクション

障害者の仕事は、事務職、軽作業、清掃、コールセンター、IT職、農業、調理など多岐にわたります。障害の種類や程度に応じて、自分に合った職種を選ぶことが長期就労の鍵です。

障害者雇用で働く場合は、職場の障害への理解度、合理的配慮の内容、柔軟な働き方の可否を事前に確認しましょう。ハローワークや就労移行支援などの支援機関を活用すれば、専門スタッフがあなたの就職活動をサポートしてくれます。

今日から始める3つのアクション

  • 最寄りのハローワーク専門援助部門に電話し、相談予約を取る
  • 自分の障害特性と得意なこと・苦手なことを書き出してみる
  • 就労移行支援事業所の見学を申し込み、支援内容を確認する

障害があっても、あなたの能力を活かせる職場は必ずあります。一人で悩まず、支援機関を活用しながら、自分らしく働ける仕事を見つけましょう。あなたの新しい一歩を応援しています。

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