記事⑤ 採用コスト60%減・新人研修期間を2ヶ月短縮――障害福祉サービス事業所のHRテック活用事例

補助金/助成金

「求人を出しても来ない。来ても辞める。また求人を出す。この繰り返しで、もう疲れ果てていました。採用にかけるお金と時間がどんどん膨らんでいく一方で……」 (管理者・勤続15年)

導入前の課題:採用コストと研修負担の二重苦

就労継続支援B型・生活介護を運営するこの事業所では、年間採用費用が求人サイト掲載料・ハローワーク対応・面接コストを合わせて約240万円に上っていました。

それにもかかわらず採用した職員の1年以内離職率は38%という高水準で、採用→退職→再採用のサイクルが止まりませんでした。

新人研修もOJT中心で、指導担当の先輩職員が現場を離れる時間が月平均30時間以上発生。

「人によって教える内容が違う」「研修後のフォローができない」という問題が常態化し、新人が独り立ちするまでに平均3〜4ヶ月かかる状況が現場の疲弊感に直結していました。

補助金の活用内容

採用管理・オンボーディング・eラーニング研修を一体化したHRクラウドシステムを「IT導入補助金2024(通常枠)」で導入しました。

費用項目金額
採用管理システム(ATS)年間利用料180,000円
eラーニング研修プラットフォーム導入費300,000円
研修コンテンツ制作費(動画・テスト)250,000円
システム連携・設定費100,000円
管理者向け操作研修50,000円
合計費用880,000円
補助額(補助率1/2)440,000円
自己負担額440,000円

導入後の効果

指標導入前導入後
年間採用費用約240万円約96万円(60%減
1年以内離職率38%19%(翌年度)
新人の独り立ちまでの期間平均3〜4ヶ月平均1.5〜2ヶ月
指導担当の研修関与時間月30時間以上月8時間(73%減
月間応募者数平均3.2名平均7.6名(2.4倍

eラーニング化により新人は自分のペースで繰り返し学習でき、理解度テストで弱点を可視化。指導担当は「教える」から「確認・サポートする」役割に変わり、現場業務への集中時間が増えました。

採用管理システムの導入で応募者管理・面接日程調整・採用結果通知が自動化され、「応募後の連絡が遅くて辞退された」というケースもほぼ解消されました。

採用費削減分144万円と研修負担軽減(月22時間 × 時給2,000円 × 12ヶ月=528,000円)を合わせると、年間約197万円の改善効果が試算されます。

まとめ

「採用に追われる時間が減って、やっと『どんな職場をつくりたいか』を考える余裕が生まれた気がします」(管理者)

採用・研修のデジタル化は、人材課題に悩むすべての福祉事業所が検討すべき優先投資です。IT導入補助金を活用すれば自己負担44万円で始められ、初年度から回収が見込める投資対効果の高い施策です。人が集まり、育ち、定着する職場環境をITの力で設計していきましょう。

※本事例はモデルケースです。実際の補助金額・効果は事業者の規模・申請内容によって異なります。IT導入補助金の詳細はhttps://it-shien.smrj.go.jp/をご確認ください。

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