1. Adobe Illustratorとは
Adobe Illustratorは、ロゴ、チラシ、ポスター、名刺など、印刷物やデジタルデザインを美しく仕上げるプロフェッショナル向けベクターグラフィックスソフトです。非営利団体では、イベント告知チラシ、年次報告書、寄付お礼状、ロゴデザインなど、広報活動に必要なあらゆるデザイン制作を高品質に仕上げられます。
一番の魅力は、TechSoup Japan経由で通常価格より大幅に割引された価格でAdobe Creative Cloud(Illustrator含む全Adobeアプリ)を購入できること。個人向け通常価格が年間約10万円のところ、非営利団体は約6割引の価格で利用可能です。プロのデザイナーも使う業界標準ツールを手頃な価格で導入でき、団体の広報力を劇的に向上させられます。
2. サービス基本情報
どんなツールか
Adobe Illustratorは、Adobe Inc.が提供するベクターグラフィックス編集ソフトウェアです。ベクター形式とは、画像を拡大しても画質が劣化しない数式ベースの画像形式で、ロゴやイラスト制作に最適です。
ペンツール、シェイプツール、文字ツール、カラー編集機能など、プロのデザイナーが求める高度な機能がすべて揃っています。サブスクリプション型(月額・年額制)で提供され、常に最新機能が利用できます。
非営利団体は無料/割引で使えるか
Illustrator単体での無料提供はありませんが、TechSoup Japan経由でAdobe Creative Cloud(Illustrator含む全Adobeアプリ)を通常価格の約6割引で購入できます。個人向け年間約10万円が約4万円前後になります(為替レートや時期により変動)。また、Adobe Expressという簡易デザインツールは最大10名まで完全無料で利用可能です。
提供している会社
Adobe Inc.(本社:アメリカ)/ アドビ株式会社(日本法人)
割引プログラム仲介:TechSoup Japan(運営:認定NPO法人日本NPOセンター)
3. どんな団体におすすめ?
組織の規模
・小規模団体(1~10名):
広報担当者1~2名がIllustratorを使い、高品質なチラシやロゴを制作
・中規模団体(11~50名):
複数の広報スタッフがIllustratorを含むCreative Cloudを共有し、統一感のあるデザインを展開
・大規模団体(51名以上):
各部署にデザイン担当者を配置し、プロフェッショナルなブランディングを実現
具体的な使用場面
・イベント告知チラシを作りたい:
講演会、チャリティイベント、セミナーのポスターやチラシをプロ品質で制作
・団体のロゴをデザインしたい:
拡大しても綺麗なベクター形式で、名刺・封筒・Webサイトなど様々な媒体に使えるロゴを作成
・年次報告書を美しく仕上げたい:
グラフ、インフォグラフィック、レイアウトデザインを駆使して見やすい報告書を作成
・寄付お礼状やニュースレターを制作したい:
寄付者に送る感謝状やニュースレターを、温かみのあるデザインで作成
・SNS投稿用の画像を作りたい:
InstagramやFacebookの投稿画像をブランドカラーで統一したデザインで制作
4. できること(主要機能)
機能1:ペンツールによる自由なパス描画
ベジェ曲線を使った滑らかな曲線描画が可能で、ロゴやイラストを思い通りの形に仕上げられます。拡大しても画質が劣化しないベクター形式なので、名刺サイズから看板サイズまで一つのデータで対応できます。
機能2:文字組み・タイポグラフィ機能
テキストを美しく配置するための高度な機能が揃っています。文字間隔の微調整、縦書き・横書きの切り替え、パスに沿った文字配置、アウトライン化(文字を図形に変換)など、プロフェッショナルな文字レイアウトが可能です。Adobe Fontsとの連携で2万種類以上のフォントも利用できます。
機能3:カラー管理とグラデーション
CMYK(印刷用)とRGB(Web用)のカラーモードを使い分けられます。複雑なグラデーション、パターン、透明効果を適用でき、視覚的に魅力的なデザインを実現。スポイトツールで既存の色を抽出したり、カラーパレットを保存して団体のブランドカラーを統一管理できます。
機能4:テンプレートとアセット
Adobe Stockと連携し、プロがデザインしたテンプレートをベースに編集できます。チラシ、名刺、ポスター、SNS投稿用など、様々なサイズのテンプレートが用意されており、ゼロから作る必要がありません。また、ロゴやアイコンなどの素材も数百万点からダウンロード可能です(一部有料)。
機能5:他のAdobeアプリとの連携
Photoshop(写真編集)、InDesign(冊子レイアウト)、Premiere Pro(動画編集)など、他のAdobeアプリとシームレスに連携できます。Illustratorで作ったロゴをPhotoshopに読み込んで写真と合成したり、InDesignに配置して冊子を作成したりと、複雑な制作物もスムーズに仕上げられます。
5. 非営利団体の特典
無料/割引の詳細
| プラン | 通常価格(個人向け) | 非営利団体向け価格(TechSoup経由) |
| Adobe Express(簡易デザインツール) | 月額1,738円(年間約2万円) | 完全無料(最大10名、毎年更新可) |
| Adobe Creative Cloud(全アプリ) | 年間102,960円(月額換算約8,580円) | 約40,000~45,000円/年(約60%オフ、為替により変動) |
| Illustrator単体プラン | 年間39,360円(月額換算約3,280円) | TechSoupでは単体プランの取り扱いなし |
重要な注意点:
・TechSoup JapanではIllustrator単体プランは取り扱っていません
・非営利団体向けにはCreative Cloud(全アプリパッケージ)のみが割引価格で提供されます
・Illustrator単体を使いたい場合も、Creative Cloudを購入する必要があります
・ただし、Creative CloudにはPhotoshop、InDesign、Premiere Proなど20以上のアプリが含まれるため、広報活動全般で活用できます
年間コスト削減効果の例
・通常価格:102,960円/年
・非営利団体向け価格:約42,000円/年(2024年実績、為替により変動)
・削減額:約60,000円/年(約60%オフ)
通常プランとの違い
TechSoup経由で購入するCreative Cloudは、機能面では一般向けと全く同じです。違いは価格のみで、すべてのアプリ、すべての機能、Adobe Fonts、100GBのクラウドストレージが利用できます。ただし、1年間のライセンスを一括購入する形式で、月々払いはできません。
どんな法人が対象か
TechSoup Japanを通じた割引プログラムの対象は以下の通りです:
・特定非営利活動法人(NPO法人)
・公益社団法人・公益財団法人
・一般社団法人・一般財団法人(非営利型)
・社会福祉法人
・公立図書館
対象外となる団体:
・政府機関、自治体
・学校法人(別途教育機関向けプログラムあり)
・病院・医療法人
・営利型の一般社団法人
・任意団体(法人格がない団体)
6. 始め方
申請のステップ
ステップ1:TechSoup Japanに団体登録(初回のみ)
1.TechSoup Japan公式サイト(https://www.jnpoc.ne.jp/techsoup/)にアクセス
2.「団体登録」ボタンから登録フォームに進む
3.団体情報(法人名、所在地、法人番号、代表者情報など)を入力
4.必要書類(定款、前年度決算書など)をPDFでアップロード
5.審査を待つ(通常1~2週間)
ステップ2:Adobe Creative Cloudを申請
1.TechSoup Japanにログインし、「Adobe Cloud」製品ページを検索
2.「Adobe Creative Cloud(1年間ライセンス)」を選択
3.必要なライセンス数を入力(1ライセンス単位で購入可能)
4.申請を送信
ステップ3:手数料を支払う
1.申請後、メールで手数料の振込先が通知される
2.銀行振込で手数料を支払う(クレジットカード払いは不可)
3.入金確認後、引き換えコードが発行される
ステップ4:Adobe Creative Cloudをアクティベート
1.メールで届いた引き換えコードを使って、Adobe公式サイトでライセンスを有効化
2.Adobe Creative Cloudデスクトップアプリをダウンロード
3.Illustratorを含む必要なアプリをインストール
4.利用開始
必要な書類
・国税庁法人番号(13桁)
・定款
・前年度決算書(事業報告書・貸借対照表・活動計算書など)
・団体の活動内容がわかる資料(Webサイトやパンフレットなど)
申請から使えるまでの期間
・TechSoup Japan団体登録審査:1~2週間
・Adobe Creative Cloud申請から引き換えコード発行まで:入金確認後、数日~1週間
・合計:約3~4週間
初めて利用する場合は、使いたい時期の1ヶ月前には団体登録を開始することをおすすめします。
申請ページのURL
TechSoup Japan:https://www.jnpoc.ne.jp/techsoup/
Adobe非営利団体向けプログラム:https://www.adobe.com/jp/nonprofits.html
7. 料金比較
| 項目 | 一般向け(Adobe公式) | 非営利団体向け(TechSoup経由) |
| Illustrator単体プラン(年間一括) | 34,680円/年 | 取り扱いなし |
| Creative Cloud(全アプリ・年間一括) | 102,960円/年 | 約42,000円/年(約60%オフ、為替により変動) |
| Creative Cloud(月々払い) | 9,080円/月(年間約10万9千円) | 月々払いなし(年間一括のみ) |
| Adobe Express(簡易ツール) | 月額1,738円(年間約2万円) | 完全無料(最大10名) |
| 支払い方法 | クレジットカード・PayPal | 銀行振込のみ |
| ライセンス期間 | 月単位・年単位 | 1年間ライセンス(更新時に再申請) |
| 購入単位 | 1ライセンスから | 1ライセンスから |
※TechSoup経由の価格は為替レート(米ドル建て)により変動します
※2024年実績では約40,000~45,000円/年でした
8. 使い方の例
例1:イベント告知チラシを自社制作
環境保全NPOが年3回実施する清掃イベントの告知チラシをIllustratorで制作。Adobe Stockのテンプレートをベースに、団体ロゴ、日時、場所、参加方法を配置し、ブランドカラー(グリーン系)でデザイン統一。完成したPDFを印刷会社に入稿し、500枚のチラシを印刷。
外部デザイナーに依頼すると1回2万円かかっていたところ、年間6万円のコスト削減に成功。さらに、同じデザインをSNS投稿用に正方形サイズで書き出し、InstagramやFacebookでも告知しました。
例2:団体ロゴの刷新と展開
設立10周年を迎えた子育て支援NPOが、団体ロゴをIllustratorで刷新。ペンツールで柔らかい曲線を描き、「親子」をイメージしたシンボルマークを作成。カラーは温かみのあるオレンジとイエローを採用。完成したロゴをベクター形式(.ai、.svg)で保存し、名刺、封筒、Webサイトヘッダー、看板など様々な媒体に展開。
ベクター形式なので拡大しても画質が劣化せず、どのサイズでも美しく表示できます。ロゴデザイン会社に依頼すると15万円以上かかるところ、自社制作で大幅なコスト削減を実現しました。
例3:年次報告書のインフォグラフィック制作
国際協力NGOが年次報告書に掲載するインフォグラフィック(データの視覚化)をIllustratorで制作。「昨年度の支援実績」をグラフと地図で表現し、支援国ごとの活動人数、支出内訳、成果指標を一目でわかるビジュアルに仕上げました。Excelでデータを作成し、Illustratorでグラフを美しくデザイン。寄付者や助成金団体への報告書が視覚的に分かりやすくなり、活動の透明性と信頼性が向上しました。
9. 注意点
使えない場合
・任意団体(法人格がない団体)はTechSoup Japanの対象外
・学校法人は別途教育機関向けプログラムがあるため、TechSoup経由では購入不可
・政府機関、病院、営利型一般社団法人は対象外
・個人会員(非営利団体の職員ではない一般会員や寄付者)は利用不可
制限事項
・TechSoup経由ではIllustrator単体プランは購入できず、Creative Cloud(全アプリパッケージ)のみ
・支払いは銀行振込のみ(クレジットカード・PayPal不可)
・月々払いはできず、1年分を一括購入
・ライセンスは1年間有効で、更新時に再度TechSoupで申請が必要
・為替レート(米ドル建て)により価格が変動する可能性がある
・購入できるライセンス数に上限がある場合があります(詳細はTechSoupに確認)
うまく使うコツ
・チュートリアルで基本を学ぶ:
Adobe公式サイトには無料チュートリアル動画が豊富にあります。ペンツール、レイヤー、パスの概念を最初に理解しましょう
・テンプレートを活用する:
ゼロから作るのではなく、Adobe Stockのテンプレートをベースに編集すると効率的です
・ショートカットキーを覚える:
V(選択ツール)、A(ダイレクト選択ツール)、P(ペンツール)など、基本的なショートカットを覚えると作業が劇的に速くなります
・Adobe Expressも併用:
簡単なSNS投稿画像はAdobe Express(無料)で作り、本格的なロゴやチラシはIllustratorで作ると効率的です
・ファイルはベクター形式で保存:
.ai形式(Illustrator形式)または.svg形式で保存すれば、いつでも編集可能で、拡大しても画質が劣化しません
・CMYKとRGBを使い分ける:
印刷物はCMYK、Web用はRGBで作成しましょう
10. よくある質問
Q1. Illustrator単体プランは非営利団体向けに割引されますか?
A. いいえ、TechSoup JapanではIllustrator単体プランの取り扱いはありません。
非営利団体向けには、Illustratorを含むAdobe Creative Cloud(全アプリパッケージ)のみが割引価格で提供されます。Creative CloudにはPhotoshop、InDesign、Premiere Proなど20以上のアプリが含まれるため、広報活動全般で活用できます。
Q2. Adobe公式サイトから直接購入した方が安いのでは?
A. いいえ、非営利団体の場合はTechSoup経由の方が圧倒的に安くなります。
Adobe公式サイトでCreative Cloudを購入すると年間102,960円ですが、TechSoup経由なら約42,000円(約60%オフ)で購入できます。ただし、TechSoup経由の購入には団体登録と審査が必要で、支払いも銀行振込のみです。
Q3. 買い切り版(永久ライセンス)は購入できますか?
A. いいえ、Adobeは2013年以降、買い切り版の販売を終了しています。
現在はサブスクリプション型(月額・年額制)のみで、常に最新バージョンが利用できる代わりに、使い続けるには継続的な支払いが必要です。
Q4. TechSoup経由で購入したライセンスは、翌年も継続できますか?
A. はい、非営利団体としての資格が継続している限り、翌年も再度TechSoupで申請して購入できます。ただし、自動更新ではないため、ライセンス期限が切れる前に再度申請手続きが必要です。
Q5. Illustratorを使ったことがないのですが、習得は難しいですか?
A. Illustratorは高機能なツールですが、基本操作はAdobe公式の無料チュートリアルやYouTubeで学べます。
テンプレートを活用すれば、初心者でも2~3日で簡単なチラシやロゴを作れるようになります。また、簡単な作業はAdobe Express(無料)を使い、本格的な制作にIllustratorを使い分けるのもおすすめです。
11. 似たツールとの比較
Canva Pro(無料版・有料版)
オンラインで使えるデザインツールで、ドラッグ&ドロップで直感的にデザインできます。無料版でも豊富なテンプレートが使え、非営利団体向けに有料版(Canva Pro)も無料提供されています。ただし、ベクター編集の自由度やプロフェッショナルな機能ではIllustratorに劣ります。簡単なSNS投稿やチラシならCanvaで十分です。
Inkscape(無料・オープンソース)
完全無料のベクターグラフィックスソフトで、Illustratorの代替として人気があります。基本的なベクター編集機能は揃っていますが、操作性、安定性、テンプレートの豊富さではIllustratorに劣ります。予算がまったくない団体や、Illustratorのライセンス数を補完する用途には有効です。
Affinity Designer(買い切り7,000円程度)
買い切り型のベクターグラフィックスソフトで、Illustratorに近い機能を持ちます。サブスクリプションではなく、一度購入すれば永久に使えるため、長期的にはコストが安くなります。ただし、業界標準はIllustratorなので、外部デザイナーとのファイル共有や、印刷会社への入稿を考えるとIllustratorの方が安心です。
Adobe Illustratorを選ぶべき理由
Illustratorはデザイン業界の世界標準ツールであり、印刷会社やデザイナーとのファイル共有がスムーズです。
非営利団体向けにTechSoup経由で約60%割引で購入でき、さらにCreative Cloudには20以上のアプリが含まれるため、写真編集(Photoshop)、動画編集(Premiere Pro)、冊子制作(InDesign)など、広報活動全般をカバーできます。プロフェッショナルな仕上がりを求めるなら、Illustratorが最適です。
12. まとめ
Adobe Illustratorは、ロゴ、チラシ、ポスター、インフォグラフィックなど、非営利団体の広報活動に欠かせないプロフェッショナルなデザインツールです。TechSoup Japan経由でAdobe Creative Cloud(Illustrator含む全Adobeアプリ)を通常価格の約60%オフ(年間約42,000円)で購入でき、年間約6万円のコスト削減が可能です。
Illustrator単体プランの割引提供はありませんが、Creative Cloudには20以上のアプリが含まれるため、写真編集、動画制作、冊子レイアウトなど、広報活動全般で活用できます。また、Adobe Express(簡易デザインツール)は最大10名まで完全無料で利用できるため、用途に応じて使い分けることで、限られた予算で最大限の効果を発揮できます。
次にやるべきこと
まずはTechSoup Japan公式サイト(https://www.jnpoc.ne.jp/techsoup/)で団体登録を行いましょう。団体登録には定款、前年度決算書、法人番号が必要です。審査に1~2週間かかるため、早めに登録を開始してください。
承認後、Adobe Creative Cloudを申請し、手数料を銀行振込で支払えば、引き換えコードが発行されます。使いたい時期の1ヶ月前には登録を開始することをおすすめします。また、Adobe Express(無料)も併せて申請し、簡単なデザインから始めてみましょう。

