AIはWEBデザイナーの「敵」ではなかった――現役110名の調査が示す、単価上昇と業務改善の実態

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AIツールの普及がクリエイター職の単価や仕事量を圧迫するという懸念が広がる中、現役フリーランス・副業WEBデザイナーを対象にした最新調査では、むしろ逆の傾向が数字として現れた。案件量・単価ともに上昇し、AI活用者の6割超が業務品質の向上を実感しているという。


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案件量も単価も上向き――「AI脅威論」に反する現場の声

株式会社日本デザイン(東京都豊島区)が運営するWEBデザインスクール「デザスク」は、2026年1月5日〜6日にかけて、直近3か月以内に有償のデザイン案件を受託したフリーランス・副業WEBデザイナー110名を対象にインターネット調査を実施した。

まず目を引くのは、案件量と単価の変化だ。2024年と比べた2025年の案件受託量について「増えた」と答えた人の割合は合計74.5%に上った(「大幅に増えた」21.8%、「やや増えた」52.7%)。単価についても62.7%が「上がった」と回答しており、「下がった」と答えた人はゼロだった。AIが仕事を奪うどころか、市場そのものが拡大している実態がうかがえる。

AIはどこで使われているか

素材制作でのAI活用状況を見ると、サムネイル画像が最も高く51.8%がAIを活用。アイキャッチ画像やイラスト、写真加工・レタッチでもそれぞれ41.8%がAIを取り入れていた。

作業工程別では、アイデアをかたちにする「たたき台・ラフ案の作成」が58.2%でトップ。
「写真のレタッチ・加工」(51.8%)、「画像・イラストの生成」(46.4%)がそれに続いた。
AIは最終仕上げよりも、発想を素早く具体化するフェーズで力を発揮している様子だ。

効果は「修正回数の削減」と「提案の質向上」

AI活用によってどんな変化が生まれたかを聞くと、「修正回数が減った」が63.2%で最多となった。
「成果物の品質が向上した」(47.2%)、「提案が通りやすくなった」(43.4%)がこれに続き、クライアントとの関係改善にも寄与していることが明らかになった。

単価が変動した理由としては、「AI活用による工数削減が単価に影響した」と「AI活用で提案の質が上がり、単価交渉がしやすくなった」がともに29.0%で同率首位となっており、AIが収入増加の直接的なドライバーになっているケースも少なくない。

課題として浮かぶ「ルール整備の遅れ」

一方で、企業からの案件における生成AIの利用ルールについては、文書で明確に定められているケースはわずか17.3%にとどまった。約半数(49.1%)は口頭やチャットで伝えられるにとどまり、ルール整備が現場の実態に追いついていない現状が浮き彫りになった。

2026年、デザイナーが磨くべきスキルとは

2026年に最も力を入れたいこととして最多だったのは「提案力・企画力の向上」(29.1%)。
「単価交渉力の強化」(22.7%)、「AI活用スキルのさらなる深化」(19.1%)が続き、AIを使いこなす技術だけでなく、それをビジネス成果に結びつけるための上流スキルへの意識が高まっている。

また、生成AIへの要望として最も多かったのは「クライアントのブランドやトンマナに合わせたデザイン案の生成」(35.5%)。画像の一括処理(24.5%)や修正指示の自動反映(20.9%)なども求められており、現場では「使える道具」から「もっと賢いパートナー」への進化が期待されている。


参照元:PR TIMES|株式会社日本デザインhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000195.000039136.html

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