1. Adobe Creative Cloudとは
Adobe Creative Cloudは、Photoshop、Illustrator、Premiere Proなど、プロ仕様のクリエイティブツールを20種類以上使えるサブスクリプションサービスです。
非営利団体の皆さんにとって、チラシやポスターのデザイン、SNS用の画像作成、イベント動画の編集など、広報活動に必要なあらゆるクリエイティブ作業を高品質に仕上げられるツールです。
最大の魅力は、TechSoupを通じて初年度60%割引、2年目以降も40%割引という大幅な割引価格で利用できることです。
2. サービス基本情報
どんなツールか
Adobe Creative Cloudは、デザイン、写真編集、動画編集、Webデザインなど、あらゆるクリエイティブ作業に対応したプロフェッショナル向けのアプリケーション群です。
主要なアプリには、画像編集のPhotoshop、イラスト・ロゴ作成のIllustrator、動画編集のPremiere Pro、PDF編集のAcrobat Pro、簡単デザインのAdobe Expressなどがあります。
クラウドストレージやフォント、素材も含まれており、すべてのアプリを最新バージョンで利用できます。
非営利団体は無料/割引で使えるか
はい、利用できます。非営利団体はTechSoup(テックスープ)というグローバルな非営利団体向けプログラムを通じて、大幅な割引価格でAdobe Creative Cloudを購入できます。
初年度は通常価格の60%割引、2年目以降も40%割引で利用可能です。また、Adobe Express(デザイン作成ツール)は、非営利団体向けに最大10名まで完全無料で提供されています。
提供している会社
Adobe Inc.(アドビ社)が提供しています。アメリカに本社を置く世界最大級のソフトウェア企業で、クリエイティブツールのグローバルスタンダードとして世界中で利用されています。
3. どんな団体におすすめ?
組織の規模
- 小規模団体:
5〜10名程度のスタッフで活動する団体に最適です。チラシやSNS投稿の作成に活用できます - 中規模団体:
広報担当者やデザイン担当者がいる団体。プロフェッショナルなデザインで団体のブランディングを強化できます - 大規模団体:
複数の広報スタッフがいる団体。必要な人数分のライセンスを割引価格で購入可能です(上限なし)
具体的な使用場面
- イベントチラシ、ポスター、パンフレットのデザイン
- SNS投稿用の画像やグラフィック作成
- 団体ロゴやブランドアイデンティティの制作
- 活動報告書や年次レポートのレイアウト作成
- イベントや活動の記録動画の編集
- Webサイト用のバナーやアイコンのデザイン
- ニュースレターやメールマガジンのデザイン
4. できること(主要機能)
Photoshop(画像編集)
写真の加工・修正やグラフィックデザインができるツールです。イベント写真の色調補正、合成写真の作成、SNS用の画像編集など、あらゆる画像編集作業に対応します。AI機能を使えば、背景の自動削除や画像の拡張も簡単に行えます。
Illustrator(イラスト・ロゴ作成)
ロゴ、アイコン、イラストなどのベクター画像(拡大しても劣化しない画像)を作成できるツールです。団体のロゴデザイン、チラシのレイアウト、インフォグラフィックの制作に最適です。印刷物からWeb素材まで、あらゆるサイズに対応できます。
Premiere Pro(動画編集)
プロフェッショナルな動画編集ツールです。イベントの記録動画、活動紹介動画、YouTube用のコンテンツなどを編集できます。テロップ挿入、カット編集、音楽の追加、カラーグレーディング(色調整)など、映画レベルの編集が可能です。
Acrobat Pro(PDF編集)
PDFファイルの作成、編集、署名、変換ができるツールです。活動報告書をPDF化したり、申請書類に電子署名を追加したり、複数のPDFを結合したりできます。非営利団体の事務作業を効率化する重要なツールです。
Adobe Express(簡単デザイン)
プログラミングやデザインの知識がなくても、テンプレートを使って簡単にSNS投稿、チラシ、プレゼンテーション資料を作成できるツールです。非営利団体向けには最大10名まで無料で利用でき、初心者でもプロ並みのデザインを作成できます。
5. 非営利団体の特典
割引の詳細
Creative Cloud All Apps個人プラン(2025年12月現在)
- 初年度:
通常価格の60%割引 → 23,760円/年(税別) - 2年目以降:
通常価格の40%割引 → 35,640円/年(税別) - TechSoup手数料:
602円(初回のみ)
Adobe Express プレミアムプラン
- 完全無料:
最大10名まで、1年間無料で利用可能 - 更新可能:
非営利団体として認定されている限り、毎年更新できます
通常プランとの違い
一般向けの価格と比較すると、非営利団体向けプログラムでは大幅な割引が適用されます。
| 項目 | 一般向け | 非営利団体向け(初年度) | 非営利団体向け(2年目以降) |
| 年間料金 | 86,880円(税込) | 約26,000円(税込) | 約39,000円(税込) |
| 割引率 | なし | 60%割引 | 40%割引 |
| 利用可能アプリ | 20種類以上 | 20種類以上(同じ) | 20種類以上(同じ) |
| クラウドストレージ | 100GB | 100GB | 100GB |
| Adobe Fonts | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
| Adobe Stock | 別料金 | 別料金 | 別料金 |
対象法人
以下の法人格を持つ団体が対象となります。
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 公益社団法人
- 公益財団法人
- 社会福祉法人
- 非営利徹底型の一般社団法人
※営利型の法人、政府機関、学校・教育機関、病院は対象外です(教育機関向けには別のプログラムがあります)
6. 始め方
申請のステップ
ステップ1:TechSoup Japanへの団体登録
TechSoup Japan(https://www.techsoupjapan.org/ )のウェブサイトにアクセスし、「団体登録」をクリックします。団体情報(名称、住所、法人格、連絡先など)を入力して登録申請を行います。
ステップ2:団体登録の承認待ち
TechSoupによる団体の資格確認が行われます。登記情報や活動内容が審査され、非営利性が確認されます。
ステップ3:承認通知の受領
審査が承認されると、メールで通知が届きます。これでTechSoupのサービスを利用できるようになります。
ステップ4:Adobe Creative Cloudの申請
TechSoupのウェブサイトにログインし、「Adobe Creative Cloud」の製品ページから申請を行います。必要なライセンス数を選択し、602円の手数料を支払います。
ステップ5:割引コードの受領
TechSoupから「Adobe寄贈プログラムについて」という件名のメールが届きます。このメールには、Adobeに直接支払うための割引コードと詳細な手順が記載されています。
ステップ6:Adobeへの支払い
メールに記載された手順に従って、Adobeの公式サイトで割引コードを入力し、割引価格で支払いを完了します。初年度は23,760円(税別)、2年目以降は35,640円(税別)が請求されます。
ステップ7:利用開始
支払いが完了すると、Adobe Creative Cloudのすべてのアプリをダウンロードして利用開始できます。
必要な書類
TechSoupへの団体登録時に以下の情報が必要です。
- 団体の正式名称
- 法人格(NPO法人、公益法人など)
- 登記住所
- 代表者名
- 連絡先メールアドレス
- 団体のWebサイトURL
※多くの場合、追加書類の提出は不要ですが、審査状況によっては登記簿謄本などの提出を求められることがあります
申請から使えるまでの期間
- TechSoupへの団体登録:数日〜2週間程度
- Adobe製品の申請:即日
- 割引コードの受領:1〜3営業日
- 合計:約1〜3週間程度
申請ページのURL
- TechSoup Japan: https://www.techsoupjapan.org/
- Adobe非営利団体向けページ: https://www.adobe.com/jp/nonprofits.html
7. 料金比較
| 項目 | 一般向け年間プラン | 非営利団体向け(初年度) | 非営利団体向け(2年目以降) |
| 年間料金(税込) | 86,880円 | 約26,000円 | 約39,000円 |
| 月額換算 | 7,240円 | 約2,167円 | 約3,250円 |
| 割引率 | なし | 60%OFF | 40%OFF |
| TechSoup手数料 | – | 602円(初回のみ) | なし |
| 含まれるアプリ | 20種類以上 | 20種類以上 | 20種類以上 |
| クラウドストレージ | 100GB | 100GB | 100GB |
| Adobe Fonts | 20,000種類以上 | 20,000種類以上 | 20,000種類以上 |
| 生成AI機能 | 利用可能 | 利用可能 | 利用可能 |
| 契約更新 | 自動更新 | 手動更新 | 手動更新 |
※一般向け価格は2025年12月時点の情報です
8. 使い方の例
例1:イベントチラシのデザイン
地域イベントの告知チラシを作成する場合、Illustratorを使ってプロフェッショナルなデザインを作成できます。テンプレートを活用すれば、デザイン初心者でも30分程度で魅力的なチラシを作成可能です。
イベント写真はPhotoshopで明るさを調整し、テキストはIllustratorでレイアウト。完成したデザインはPDFで書き出して印刷会社に入稿したり、SNSで共有したりできます。初心者の場合は、Adobe Expressを使えば、豊富なテンプレートから選ぶだけで簡単にチラシを作成できます。
例2:活動報告動画の制作
団体の1年間の活動をまとめた報告動画を作成する場合、Premiere Proを使ってプロ並みの編集ができます。イベント時に撮影した動画や写真を時系列で並べ、テロップで説明を追加し、BGMを挿入します。
カット編集で不要な部分を削除し、カラーグレーディングで映像の雰囲気を統一します。完成した動画はYouTubeにアップロードしたり、総会で上映したり、支援者向けのニュースレターに埋め込んだりできます。動画は文字情報よりも伝わりやすく、支援者や協力者の獲得に効果的です。
例3:年次報告書のデザイン
年次報告書を魅力的にデザインする場合、InDesignを使ってページレイアウトを作成します。活動内容、会計報告、理事会メンバー紹介などを見やすく配置し、Photoshopで処理した写真やIllustratorで作成したグラフを挿入します。
InDesignはページ数の多い冊子のデザインに特化しており、ページ番号の自動挿入やマスターページ(共通デザイン)の設定など、効率的な作業が可能です。完成した報告書はPDFで書き出してWebサイトに掲載したり、印刷して支援者に郵送したりできます。
9. 注意点
使えない場合
以下の団体は、TechSoupのAdobe非営利団体向けプログラムの対象外となります。
- 営利型の一般社団法人・一般財団法人
- 政府機関、政府関係団体
- 学校、大学などの教育機関(教育機関向けには別のプログラムがあります)
- 病院、診療所などの医療機関
- 宗教団体(礼拝が主な活動の場合)
- 政治団体
制限事項
- 個人ライセンス:
購入したライセンスは個人に紐づくため、複数人での共有はできません。必要な人数分のライセンスを購入する必要があります - 年度制限:
TechSoupのプログラムは年度制(7月1日〜6月30日)で管理されています - 手動更新:
通常のAdobe契約と異なり、自動更新ではありません。毎年TechSoupを通じて更新手続きが必要です - 割引率の変更:
初年度は60%割引ですが、2年目以降は40%割引になります - 学習曲線:
Photoshop、Illustrator、Premiere Proなどのプロツールは高機能な分、使いこなすには学習が必要です
うまく使うコツ
- Adobe公式チュートリアルを活用する:
Adobeの公式サイトには無料のチュートリアル動画が豊富に用意されています。初心者はまずこれを見て基本操作を学びましょう - テンプレートを活用する:
ゼロから作るのではなく、用意されているテンプレートをベースにカスタマイズすると効率的です - まずはAdobe Expressから始める:
いきなりPhotoshopやIllustratorを使うのが難しい場合は、より簡単なAdobe Expressから始めましょう - YouTube動画で学習する:
「Photoshop 初心者」「Illustrator チラシ作成」などで検索すると、日本語の解説動画が多数見つかります - 必要なアプリだけインストールする:
20種類以上のアプリがありますが、すべてインストールする必要はありません。まずは使うアプリだけをインストールしましょう - クラウドストレージを活用する:
100GBのクラウドストレージが使えるため、チームでファイルを共有する際に活用しましょう
10. よくある質問
Q1: Adobe Creative CloudとAdobe Expressの違いは何ですか?
A: Adobe Expressは、Creative Cloudに含まれるアプリの一つで、初心者向けの簡単デザインツールです。Creative Cloudは、Photoshop、Illustratorなどのプロツールを含む20種類以上のアプリをすべて使えるサービスです。
非営利団体の場合、Adobe Expressは最大10名まで完全無料で利用でき、Creative Cloudは大幅な割引価格で購入できます。簡単なデザイン作業だけならAdobe Expressで十分ですが、本格的な写真編集や動画編集が必要ならCreative Cloudがおすすめです。
Q2: デザインの経験がなくても使えますか?
A: はい、使えます。Adobe Expressはデザイン初心者向けに設計されており、テンプレートを選んで文字や写真を変えるだけで簡単にデザインができます。Creative Cloudの中でも、Adobe StockやAdobe Fontsなどの素材が豊富に用意されているため、プロのようなデザインを作成できます。
また、Adobeの公式サイトには初心者向けのチュートリアルが充実しており、YouTubeにも日本語の解説動画が多数あります。最初は時間がかかりますが、慣れれば効率的に作業できるようになります。
Q3: 複数のスタッフで1つのライセンスを共有できますか?
A: いいえ、できません。Adobe Creative Cloudのライセンスは個人に紐づくため、1つのライセンスを複数人で共有することはできません。ただし、TechSoupを通じて必要な人数分のライセンスを割引価格で購入できます(上限なし)。例えば、広報担当者が3名いる場合は、3つのライセンスを購入する必要があります。
Q4: 途中で解約できますか?解約料は発生しますか?
A: はい、解約できます。TechSoupを通じて購入したライセンスは、年間契約ですが途中解約も可能です。ただし、年間プランの途中で解約する場合、残りの期間に対する返金はありません。
また、解約料は発生しませんが、契約期間の途中で解約すると、支払った金額が無駄になる可能性があります。契約更新のタイミングで解約するのが最もスムーズです。
Q5: TechSoupを通じて購入した場合と、Adobe公式サイトで購入した場合の違いは何ですか?
A: 最大の違いは価格です。TechSoupを通じて購入すれば、初年度60%割引、2年目以降40%割引で利用できますが、Adobe公式サイトで直接購入すると通常価格になります。
機能面では全く同じで、使えるアプリやサービスに違いはありません。ただし、TechSoupを通じた購入は手動更新が必要で、自動更新ではない点に注意が必要です。毎年更新手続きを忘れないようにしましょう。
11. 似たツールとの比較
Canva(キャンバ)
Canvaは、ブラウザ上で使える簡単デザインツールです。非営利団体向けの無料プラン(Canva for Nonprofits)があり、有料機能が無料で使えます。
Adobe Expressと似た機能を持ち、テンプレートが豊富で初心者にも使いやすいです。ただし、プロレベルの写真編集や動画編集はできません。簡単なSNS投稿やチラシ作成ならCanvaで十分ですが、本格的なデザイン作業にはAdobe Creative Cloudが必要です。
GIMP(ギンプ)
GIMPは、完全無料の画像編集ソフトで、Photoshopの代替として知られています。基本的な画像編集機能は揃っていますが、操作性や機能の充実度ではPhotoshopに劣ります。
予算が限られている団体や、画像編集だけが必要な場合はGIMPも選択肢になりますが、Adobe Creative Cloudは画像編集だけでなく、動画編集、イラスト作成、PDF編集など、あらゆるクリエイティブ作業に対応できます。
Affinity Designer/Photo/Publisher(アフィニティ)
Affinityシリーズは、Adobe製品の代替として人気のあるデザインツールで、買い切り型(一度の購入で永続利用可能)です。価格はAdobe Creative Cloudより安いですが、非営利団体向けの割引はありません。
機能面ではAdobeに近いレベルですが、業界標準はAdobeであるため、印刷会社やデザイナーとのやり取りではAdobe形式のファイルが求められることが多いです。
Adobe Creative Cloudを選ぶべき理由
- 業界標準:
世界中のプロフェッショナルが使用しており、印刷会社やデザイナーとのファイルのやり取りがスムーズです - 非営利団体への手厚い支援:
TechSoupを通じて初年度60%割引、2年目以降も40%割引で利用できます - オールインワン:
デザイン、写真編集、動画編集、PDF編集など、あらゆるクリエイティブ作業を一つのサービスで完結できます - 常に最新:
サブスクリプション型のため、常に最新バージョンのアプリを使用できます - 豊富な学習リソース:
公式チュートリアル、YouTube動画、書籍など、日本語の学習リソースが充実しています - クラウドサービス:
100GBのクラウドストレージ、20,000種類以上のフォント、豊富な素材が含まれています
12. まとめ
Adobe Creative Cloudは、非営利団体の皆さんにとって、広報活動のクオリティを劇的に向上させる強力なツールです。チラシ、SNS投稿、動画、年次報告書など、あらゆるクリエイティブ作業をプロフェッショナルなレベルで仕上げることができます。
TechSoupを通じて初年度60%割引、2年目以降も40%割引で利用できることは、限られた予算の中で活動する団体にとって大きなメリットです。
通常価格の86,880円が初年度約26,000円、2年目以降約39,000円で利用できるため、年間6万円以上の節約になります。また、Adobe Expressは最大10名まで完全無料で利用できるため、デザイン初心者でも気軽に始められます。
次にやるべきこと
- あなたの団体が対象法人格に該当するか確認する
- TechSoup Japanのウェブサイトから団体登録を行う
- 承認されたら、Adobe Creative CloudまたはAdobe Expressを申請する
- Adobe公式チュートリアルやYouTube動画で基本操作を学ぶ
今すぐ申請を始めて、あなたの団体の広報活動を次のレベルへ引き上げてみませんか?
