在宅介護でAIを活用する時代が本格化
在宅介護でAIを導入する家庭が増えています。厚生労働省の推計では2025年に介護職員が32万人不足するなか、家族介護者の負担軽減にAI・ITツールが注目されています。
しかし「どのAIを選べばいいか分からない」「高額なのでは」という不安から、導入に踏み切れない方も少なくありません。本記事では予算・状況別に最適なAIを5つ厳選し、失敗しない選び方を解説します。
在宅介護でAIが解決できる3つの課題
1. 24時間の見守り負担
独居や認知症の方を介護する場合、夜間の転倒・徘徊リスクが常に心配です。AIセンサーやカメラを導入すれば、異常を検知して家族のスマートフォンに通知が届きます。非接触型センサーは、ベッドからの離床を検知して転倒前にアラートを出す機能があります。
2. 記録・管理の煩雑さ
服薬管理、バイタル記録、介護日誌など、在宅介護では記録作業が膨大です。AI搭載アプリは音声入力で自動記録したり、データをグラフ化して医師との共有を簡単にします。一部のAIサービスは画像解析で褥瘡(床ずれ)の状態を記録・評価できます。
3. 介護者の心理的孤立
在宅介護者の多くが「相談相手がいない」「愚痴を言える場所がない」と感じています。対話型AIは、24時間いつでも感情を吐き出せる”非人間的な聞き手”として、介護者の心を支えます。人に言いづらい本音も、AIなら批判されずに受け止めてくれます。
予算・状況別おすすめAI 5選
【無料〜月1,000円】汎用型対話AI(感情サポート)
こんな人に: 介護の愚痴や不安を誰かに聞いてほしい
機能: 対話を通じた感情整理、介護計画のアドバイス、日記代わりの記録
初期設定難易度: ★☆☆☆☆(アプリダウンロードのみ)
注意点: 医療的助言は不可。あくまで”話し相手”として活用
【月1,500円〜】メンタルケア特化型AI
こんな人に: 介護うつ傾向がある、ストレスを可視化したい
機能: 認知行動療法ベースのAI会話、感情ログ分析、マインドフルネス誘導
初期設定難易度: ★★☆☆☆(アプリ内で簡単な質問に回答)
費用: 月額1,500円(無料版もあり)
【月3,000円〜】IoT見守りシステム
こんな人に: 独居の親の安否確認を遠隔でしたい
機能: センサーで生活リズム検知、異常時の通知、活動量のグラフ化
初期設定難易度: ★★★☆☆(センサー設置が必要だが工事不要)
費用: 初期費用5万円程度+月額3,000円
【月5,000円〜】認知症行動予測AI
こんな人に: 認知症の行動・心理症状(BPSD)に悩んでいる
機能: IoTセンサー+AIでBPSDを30〜60分前に予測、適切なケア方法を提示
初期設定難易度: ★★★★☆(スマートウォッチ・環境センサーの設置)
費用: 導入費+月額(詳細は要問合せ)
【月1万円〜】高精度見守りセンサー
こんな人に: 転倒リスクが高い、夜間の徘徊が心配
機能: ベッド上の体動・呼吸・離床を非接触で検知、転倒前のアラート
初期設定難易度: ★★★☆☆(センサー設置のみ、Wi-Fi環境必要)
費用: 初期費用10万円程度+月額1万円前後
失敗しない選び方 3つのチェックポイント
チェック1: 本人の受容度を確認する
AIカメラやセンサーは「監視されている」と感じさせる可能性があります。導入前に本人と話し合い、プライバシーに配慮した設置(トイレ・浴室は避ける等)を約束しましょう。対話型AIは本人が使わず、介護者だけが利用するケースも多いです。
チェック2: 初期設定のサポート体制を確認
IoT機器は設置・ネットワーク設定が必要です。訪問設定サービスがあるか、電話サポートは充実しているかを事前に確認しましょう。特に高齢者だけの世帯では、遠隔サポートだけでは不十分な場合があります。
チェック3: 無料トライアルを必ず利用する
多くのAIサービスは1〜2週間の無料期間があります。実際に使ってみて、通知頻度が適切か、操作は分かりやすいか、家族のライフスタイルに合うかを確認しましょう。一部の見守りシステムはレンタルプランを提供している場合もあります。
よくある質問(FAQ)
Q1: AIを導入すれば介護施設に入れなくて済む?
A: AIは「在宅介護の継続をサポート」するツールです。重度の要介護状態や24時間の医療的ケアが必要な場合は、施設入所や訪問看護との併用が現実的です。AIは施設入所を遅らせる、あるいは在宅期間を延ばす手段として活用しましょう。
Q2: 高齢の親がAIを使いこなせるか心配です
A: 本人が操作する必要のないAI(見守りセンサー、自動記録系)を選びましょう。対話型AIも、介護者だけが使い、本人は普段通りの生活を続ける形でも効果があります。
Q3: AIの誤検知が多いと聞きますが大丈夫?
A: 初期設定時に感度調整が重要です。多くのIoT見守りシステムは、学習期間(1〜2週間)を経て本人の生活パターンを学び、誤検知が減ります。過敏すぎる場合は設定を見直しましょう。
Q4: 介護保険でAIの費用は補助される?
A: 現状、多くのAI機器は介護保険の対象外です。ただし自治体によっては独自の補助金制度がある場合も。お住まいの地域包括支援センターに確認しましょう。
Q5: どのAIから始めるべき?
A: まず「無料〜低コスト」の対話型AI(汎用型または専門特化型)で介護者自身の負担軽減から始めるのがおすすめです。心に余裕ができてから、見守りシステム等の導入を検討しましょう。
まとめ: 在宅介護AIは「選択」と「試行」がカギ
在宅介護でのAI活用は、予算・状況・本人の受容度に合わせた選択が重要です。無料の対話型AIから始めて心理的負担を軽減し、必要に応じて見守りシステムや記録支援AIを追加する段階的導入がおすすめです。
失敗しない選び方の3つのチェックポイント(本人の受容度、サポート体制、無料トライアル)を必ず確認しましょう。AIは介護者が「一人で抱え込まない」ための強力な味方です。まずは一つ、試してみてください。
