介護ICT機器一覧|厚労省推奨3分類と導入成功の5ステップ

AI/DX関連

介護現場で「どのICT機器を導入すればいいか」と悩んでいませんか。

介護ICT機器は見守り機器・インカム・記録システムの3分類が基本です。この3種導入で介護報酬加算100単位が算定でき業務負担を平均30%軽減できます。

本記事では介護ICT機器を一覧化し選定から導入手順まで解説します。複数事業所での支援経験からつまずきポイントと対策もお伝えします。

介護ICT機器とは

介護ICT機器とは情報通信技術を活用した介護業務支援ツールです。利用者の安全確保・職員間の情報共有・記録業務の効率化を目的とします。2025年に介護人材が32万人不足すると厚労省が発表しており、ICT活用は必須の経営戦略です。介護ソフトの導入率は施設系で7割を超え業界全体でデジタル化が進んでいます。

厚労省推奨|介護ICT機器3分類の一覧

厚生労働省は介護ICT機器を3種に分類しています。令和6年介護報酬改定で加算要件に組み込まれ3種すべて導入で月100単位の加算が算定可能です。

見守り機器(利用者安全確保)

利用者のベッド離床を感知し職員に通報するセンサー類です。センサーマット型は設置が簡単で転倒対策に有効です。

シートセンサー型はベッドに組み込まれ起き上がり段階から検知できます。超音波/赤外線センサー型は非接触で立ち上がり動作を検知します。カメラ/画像認識型はAI解析で24時間可視化し事故検証に有効です。

インカム(情報共有迅速化)

複数職員が同時通話できる通信機器です。スマートフォン型はアプリで使用しWi-Fi環境で施設全体をカバーします。月額500〜1,000円が目安です。

専用機器は防水・耐衝撃性能が高く長期使用向きです。導入で連絡時間が平均5分から30秒に短縮されます。

記録システム(職員負担軽減)

日々の介護記録から請求業務まで一元管理するソフトウェアです。介護ソフトは利用者情報・ケアプラン・実施記録を統合管理しLIFE連携で転記作業がゼロになります。

タブレット端末はベッドサイドでの記録入力を可能にします。勤怠管理・シフトシステムはシフト作成を自動化し事務作業時間を月20時間削減できます。

ICT機器導入の5つのメリット

記録時間が平均40%削減され1日2時間の業務が1.2時間に短縮されます。事故対応の初動が3倍速くなり転倒検知から職員到着まで平均5分が1.5分に短縮されます。

職員の離職率が低下し夜勤負担が改善されます。介護の質が向上し加算取得が増えます。利用者家族の満足度が高まり透明性の高いサービス提供が実現します。

ICT機器導入の実践5ステップ

ステップ1:現状課題の可視化(2週間)

職員アンケートとタイムスタディで何に時間がかかっているか数値化します。「記録に1日2時間」など具体的データを収集すると効果的な機器を判断できます。現場職員を巻き込むことが重要です。

ステップ2:優先順位決定(1週間)

予算と課題を照らし合わせ導入順序を決めます。おすすめは「介護ソフト→インカム→見守り機器」の順序です。補助金活用も検討しICT導入支援事業では最大260万円の補助が受けられます。

ステップ3:機器選定とデモ(1ヶ月)

候補を3社程度に絞り必ず現場でデモを受けます。チェックポイントは「操作が直感的か」「サポート体制は充実しているか」「既存システムと連携できるか」の3点です。高齢職員が多い場合は最も機械が苦手な職員に操作してもらい確認します。

ステップ4:段階的導入と研修(2〜3ヶ月)

いきなり全館導入せず1フロアで試験運用します。問題点を洗い出しマニュアルを改訂してから全体展開すると混乱を抑えられます。操作研修は最低3回実施し1週間後・1ヶ月後のフォロー研修で分からなかった点を解消します。最大の失敗パターンは「忙しいから研修なし」です。

ステップ5:効果測定と改善(継続)

導入3ヶ月後に必ず効果測定を行います。記録時間・残業時間・事故件数などの数値変化を職員にフィードバックするとモチベーション維持につながります。月1回の改善ミーティングで小さな問題を潰していくことが定着の秘訣です。

つまずく3つのポイントと対策

失敗1:高額投資したが誰も使わない

原因は現場の意見を聞かずトップダウンで決めたことです。対策は選定段階から現場職員を委員会メンバーに加えることです。自分たちで選んだ意識が導入後の積極的活用につながります。

失敗2:動作が遅い

クラウド型システムは安定したWi-Fi環境が必須です。既存の無線LANが古いとタブレットがフリーズして「紙のほうが早い」となります。対策として機器導入前にネットワーク診断を受けます。Wi-Fi増設が必要なら補助金対象になります。

失敗3:操作方法を忘れる

研修直後は使えても1ヶ月後には「やり方を忘れた」と紙に戻る職員が出ます。特に週1〜2回勤務のパート職員に多い現象です。対策は操作手順をラミネート加工した1枚紙にまとめタブレット近くに常備することです。「分からなくても気軽に聞ける雰囲気」を作ることが最も重要です。

よくある質問

Q1:小規模事業所でもICT導入は必要ですか?

必要です。小規模ほど一人あたりの業務負担が大きくICT導入の効果を実感しやすくなります。介護ソフトとインカムの2種から始め段階的に拡大する方法が現実的です。補助金も10人以下の事業所で100万円まで利用できます。

Q2:職員が高齢で使いこなせるか不安です

操作が直感的な機種を選び十分な研修時間を確保すれば問題ありません。60代の職員がタブレット記録を使いこなしている事例は多数あります。「若い職員のサポート役」という位置づけでスタートし慣れてから独り立ちする段階的アプローチが効果的です。

Q3:既存システムと連携できますか?

多くの製品が標準規格に対応しており異なるメーカー間でも連携可能です。ただし導入前に必ず確認が必要です。既存の介護ソフトメーカーに問い合わせ実績を確認すると安心です。

Q4:補助金申請はどこに問い合わせればいいですか?

各都道府県の介護保険担当課または福祉課が窓口です。自治体ホームページに「ICT導入支援事業」のページがあり申請要件・期限・必要書類が記載されています。補助率は自治体により異なり2分の1〜4分の3が一般的です。

Q5:介護報酬加算100単位を取るには何が必要ですか?

見守り機器・インカム・記録システムの3種をすべて導入し生産性向上委員会を設置することが要件です。委員会で導入前後のデータ(残業時間・事故件数など)を記録し効果を証明する必要があります。3ヶ月ごとの委員会開催と改善活動の継続が算定条件になります。

まとめ

介護ICT機器は見守り機器・インカム・記録システムの3分類を軸に自施設の課題に応じて選定することが成功の鍵です。

重要なポイントは現場職員を巻き込んだ選定プロセス、段階的な導入と十分な操作研修、継続的な効果測定と改善の3つです。一度に完璧を目指さず小さく始めて成功体験を積み重ねることでICT活用が定着します。

まずは今日職員アンケートで業務負担の実態調査を始めてみてください。その結果が自施設に最適なICT機器選びの羅針盤になります。

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