非営利団体向けGmail(独自ドメイン)完全ガイド

非営利割引ツール

1. Gmail(独自ドメイン)とは

Gmail(独自ドメイン)は、Google Workspace for Nonprofitsを通じて提供される、団体独自のドメインを使った業務用メールサービスです。

info@団体名.orgのような信頼性の高いメールアドレスを作成でき、非営利団体の信頼度向上と業務効率化を同時に実現できます。一番の魅力は、通常は有料のビジネス向けGmailが非営利団体であれば無料で利用できる点です。

2. サービス基本情報

どんなツールか

メール、共有カレンダー、オンライン ドキュメント編集、ビデオ会議など、生産性向上のためのツールとアプリのセットです。Gmail以外にも、Googleドライブ、Googleカレンダー、Google Meet、Googleドキュメントなどが含まれます。

非営利団体は無料で使えるか

Google for Nonprofitsプログラムの利用資格がある組織は、Google Workspace for Nonprofitsを無料で利用できます。

提供している会社

Google LLC(グーグル)が、社会貢献プログラムの一環として非営利団体向けに提供しています。

3. どんな団体におすすめ?

組織の規模

  • 小規模(1~10名): 基本的なメールとファイル共有でスタート可能
  • 中規模(11~100名): チーム全体での情報共有やオンライン会議に最適
  • 大規模(101~2,000名): 新規アカウントは最大300人、増加をリクエストすれば最大2,000人のユーザーを追加できます

具体的な使用場面

  • ボランティアや支援者への連絡用として、団体ドメインのメールアドレスを作成
  • 理事会や委員会での資料共有とオンライン会議
  • 助成金申請書や事業報告書の共同編集
  • 寄付者やパートナー団体との信頼性の高いコミュニケーション
  • イベント企画でのスケジュール共有

4. できること(主要機能)

1. 独自ドメインのメールアドレス

団体のドメインでメールアドレスを作成し、ボランティアや支援者、コミュニティの人たちと連絡を取り合うことができます。@gmail.comではなく、@団体名.orgのような専用アドレスが使えます。

2. 大容量クラウドストレージ

Nonprofitsエディションでは、1法人あたり100TBのドライブ容量が利用できます。活動記録、写真、資料などを安全に保管し、どこからでもアクセスできます。

3. オンライン会議(Google Meet)

最大100人まで参加可能なビデオ会議で、遠隔地のメンバーやボランティアとも顔を見ながら話せます。

4. ドキュメント共同編集

Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドを使って、複数のメンバーが同時に資料を編集できます。バージョン管理も自動で行われます。

5. セキュリティ保護

99.9%以上の攻撃をブロックするフィッシングおよび迷惑メール対策機能により、団体の情報を安全に守ります。

5. 非営利団体の特典

無料プランの詳細

Google Workspace for Nonprofits(無料版)は、Business Starterプラン相当を無料で利用できるものです。

通常プランとの違い

無料で使える機能:

  • 独自ドメインのGmail
  • Googleドライブ(組織全体で100TB)
  • Google Meet(最大100人、ただし録画機能なし)
  • Googleカレンダー、ドキュメント、スプレッドシート、スライドなど

制限される機能:
Google Meetの録画機能やGemini機能(会議の自動メモ作成など)は利用できません。また、高度なエンドポイント管理(組織支給デバイスの制御など)や、データ損失防止(DLP)などの高度なセキュリティ機能は含まれていません。

有料プランへの割引オプション

より高度な機能が必要な場合、Business Standard(非営利団体向け割引75%以上)、Business Plus(非営利団体向け割引72%以上)、Enterprise Standard および Enterprise Plus(非営利団体向け割引70%以上)にアップグレードできます。

どんな法人が対象か

公益社団法人、公益財団法人、特定非営利活動法人(NPO法人)、社会福祉法人、法人税法に定められている非営利型法人に該当する一般社団法人が対象です。

対象外の団体:
政府事業体や政府機関、病院や医療団体(ただし、医療団体に関連する慈善部門や財団法人は可)、学校、学術機関、大学(ただし、教育団体の慈善事業部門は可)は利用できません。

6. 始め方

申請のステップ

ステップ1: Google for Nonprofitsアカウントの申請
Google for Nonprofitsプログラムにアクセスし、右上の「使ってみる」をクリックします。

ステップ2: Goodstackによる認証
Googleの審査担当パートナーであるGoodstackによって、非営利団体として認定される必要があります。

ステップ3: Google Workspace for Nonprofitsの有効化
Google for Nonprofitsプログラムで、管理アカウントにログインし、「Google Workspace for Nonprofits」の下にある「使ってみる」をクリックします。

ステップ4: ドメインの所有権証明
14日間のトライアル期間中に、Google for Nonprofitsプログラムのドメインの所有権を証明します。ドメインを指定して「有効にする」をクリックすると、リクエストは3営業日以内に審査されます。

必要な書類

審査にあたっては、登記簿謄本の他に、事業報告書、決算報告書、定款などの提出が必要となる場合があります。

申請から使えるまでの期間

  • Goodstack認証: ほとんどのリクエストは3~5営業日以内に審査されます
  • Google for Nonprofits承認: お申し込み内容の審査には、通常2~14営業日ほどかかります
  • ドメイン所有権証明: リクエストは3営業日以内に審査され、ドメインが正常にアップグレードされたかどうかはメールで通知されます

申請ページのURL

Google for Nonprofits申請ページ: https://www.google.com/intl/ja/nonprofits 

Goodstack認証情報: verifications@mail.goodstack.org からのメールを必ず確認してください(迷惑メールフォルダに入っている場合もあります)。

7. 料金比較

項目一般向け(Business Starter)非営利団体向け(Nonprofits)
月額料金(1ユーザー)約840円無料
独自ドメインメール
ストレージ容量30GB/ユーザー100TB/組織全体
Google Meet参加人数最大100人最大100人
Meet録画機能
共有ドライブ
サポートスタンダードスタンダード
最大ユーザー数300人まで初期300人、リクエストで最大2,000人

注: 一般向けの料金は2025年12月時点の参考価格です。

8. 使い方の例

例1: 寄付者への定期報告メール送信

団体ドメインのメール(report@団体名.org)から、支援者に活動報告を送信。Googleドキュメントで複数のスタッフが報告書を共同編集し、完成したらGmail一括送信機能で配信します。信頼性の高いドメインから送ることで、迷惑メールに入りにくくなります。

例2: 全国のボランティアとの定例ミーティング

Google Meetを使い、各地のボランティアスタッフとオンライン会議を開催。会議の議題や資料はGoogleドライブで事前共有し、会議後はGoogleドキュメントで議事録を作成。参加できなかったメンバーも後から確認できます。

例3: イベント企画のプロジェクト管理

Googleカレンダーでイベントスケジュールを共有し、準備タスクをスプレッドシートで管理。チラシデザインはGoogleスライドで作成し、リアルタイムでメンバーからフィードバックを受けながら完成させます。すべてのファイルは共有ドライブに保存され、誰でもアクセス可能です。

9. 注意点

使えない場合

  • 営利企業や株式会社は利用不可
  • 政府機関、一般の病院、教育機関本体は対象外(ただし慈善部門は可能な場合あり)
  • 独自ドメインの取得・管理は団体側で別途必要(ドメイン取得費用は年間1,000~3,000円程度)

制限事項

  • 無料のNonprofitsプランでは、Google Meetの録画機能が利用できません
  • 会議録画や高度なセキュリティ機能が必要な場合は、有料プランへのアップグレードを検討する必要があります
  • Workspace for Nonprofitsと非営利団体向け割引を適用したBusiness Standard、Business Plusは、ユーザー数が最大2,000に制限されています

うまく使うコツ

  • 初期設定はていねいに: ドメインの所有権証明や DNS設定は最初が肝心。不安な場合は導入支援サービスの利用も検討しましょう
  • 段階的な導入: まずは少人数から始め、慣れてから全体に展開すると混乱が少なくなります
  • 研修の実施: メンバー全員が使えるよう、簡単な使い方ガイドや研修会を開催すると効果的です
  • バックアップ体制: 重要なデータは定期的に他の場所にもバックアップを取る習慣をつけましょう

10. よくある質問

Q1: すでに無料のGmailを使っています。どう違いますか?

A: 無料のGmailは個人用で、@gmail.comのアドレスになります。Google Workspace for Nonprofitsでは、@団体名.orgのような独自ドメインが使え、管理者がユーザーアカウントを一元管理できます。また、ストレージも組織全体で100TBと大容量です。ビジネス用途として、信頼性とセキュリティが大幅に向上します。

Q2: ドメインを持っていないのですが、どうすればいいですか?

A: お名前.comやGoogleドメインなどのドメイン登録サービスで、団体名に関連するドメインを取得する必要があります(年間1,000~3,000円程度)。.orgや.jp、.co.jpなどから選べます。ドメイン取得後、Google Workspaceの設定でそのドメインを登録します。

Q3: 一般社団法人でも申請できますか?

A: 法人税法に定められている非営利型法人に該当する一般社団法人であれば申請可能です。定款に「剰余金の分配を行わない」「解散時の残余財産を他の非営利団体等に贈与する」などの規定があることが必要です。

Q4: 無料プランから有料プランへの変更は簡単ですか?

A: はい、Google Workspaceの管理コンソールから簡単にアップグレードできます。非営利団体向けの大幅な割引も適用されるため、必要に応じて上位プランを選択できます。

Q5: 申請が却下された場合はどうなりますか?

A: Goodstackによる審査で却下された場合、再審査をリクエストできます。却下理由を確認し、必要な書類を追加提出することで、再度申請が可能です。不明点がある場合は、Goodstackに直接問い合わせることをおすすめします。

11. 似たツールとの比較

Microsoft 365 for Nonprofits

特徴:
Microsoft Word、Excel、PowerPointなどのOfficeアプリが使える 料金: 一部プランが非営利団体向けに割引または無償提供 Google Workspaceを選ぶべき理由: Googleのツールはブラウザベースで動作が軽く、共同編集がスムーズ。Gmailの使いやすさと迷惑メールフィルター精度の高さも魅力です。

Zoho Workplace

特徴:
メール、ドキュメント、オンライン会議などを提供する統合ツール 料金: 月額数百円から Google Workspaceを選ぶべき理由: Google Workspaceは非営利団体なら完全無料で、より多くのユーザーに馴染みがあり、使い方の情報も豊富です。

サイボウズ Office

特徴:
日本企業が開発したグループウェア、日本語サポートが充実 料金: 月額500円/ユーザー~ Google Workspaceを選ぶべき理由: 非営利団体なら無料で使えるコスト面と、世界標準のツールとしての拡張性、外部パートナーとの連携のしやすさで優位性があります。

12. まとめ

Gmail(独自ドメイン)を含むGoogle Workspace for Nonprofitsは、非営利団体にとって業務効率化とコスト削減を同時に実現できる強力なツールです。利用資格のある非営利団体であれば無料で利用できるため、限られた予算を本来の活動に集中させることができます。

メール、ファイル共有、オンライン会議、ドキュメント編集などの基本機能が揃っており、小規模団体から大規模組織まで幅広く対応可能です。申請にはGoodstackによる認証が必要で、3~5営業日程度かかりますが、一度承認されれば長期的に無料で利用できます。

次にやるべきこと

  1. 団体が対象資格を満たしているか確認する
  2. Google for Nonprofits公式サイト(https://www.google.com/intl/ja/nonprofits )にアクセスし、「使ってみる」をクリック
  3. Goodstackによる認証プロセスを開始する
  4. 独自ドメインを持っていない場合は、ドメイン取得を検討する

今すぐ申請を始めて、団体の業務効率化を実現しましょう。

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