就職活動中の大学生のうち、介護・福祉分野への就職を検討している割合はわずか1割程度にとどまることが、株式会社インタツアーが実施した調査で明らかになった。社会的意義の高さは理解されているものの、労働条件への懸念が就職先選択の障壁となっている実態が浮き彫りになっている。
社会貢献性は評価も、待遇面への不安が顕著
2022年11月に実施された本調査では、2023年卒から2026年卒までの大学生1,046名を対象に、介護・福祉分野に対する認識を多角的に調べた。
肯定的な評価として最も多かったのは社会貢献度の高さで、回答者の67.7%がこれを挙げた。人の役に立てるという仕事のやりがいや、高齢化社会における需要の継続的な伸びも、好意的に捉えられている要素として確認された。
一方で、否定的なイメージも根強い。給与水準の低さを懸念する声が67.7%、仕事と私生活の両立が困難だとする回答が47.8%に上った。
自由回答では身体的な負担の大きさ、長時間労働、低賃金といった言葉が目立ち、社会的使命を果たすために個人の犠牲を強いられるのではないかという不安が多くの学生に共有されていることがわかる。
業界の仕事内容は限定的なイメージ
仕事内容については、62.8%が高齢者の介護を連想すると答えた。障害者支援は10.7%、児童福祉はわずか0.8%にとどまり、学生の認識は高齢者ケアに偏っている。少子高齢化という社会背景が影響していると考えられるが、福祉分野の多様性が十分に伝わっていない現状も示している。
志望先として選ばれない現実
調査によると、介護・福祉業界の選考を受ける予定がある、または受ける可能性があると答えた学生は合わせて10.5%だった。残る89.5%は受験の意思がないと回答しており、業界への就職希望者の少なさが数字として表れている。
興味を持つ他業界としては、メーカーが18.6%で最多となり、総合商社が10.9%、官公庁・公社・団体が10.5%と続いた。これらの業界は社会貢献性に加えて、安定性や待遇の良さ、ワークライフバランスの取りやすさといった点で魅力的に映っているとみられる。
企業認知度の課題
特筆すべきは企業認知の低さだ。介護・福祉業界で思い浮かぶ企業名を尋ねたところ、79.9%が具体的な社名を挙げられなかった。ベネッセスタイルケアが6.3%、ニチイ学館が3.5%、SOMPOケアが2.4%という結果で、広告活動を展開している企業でも学生の意識に届いていない状況が確認された。
調査を実施したインタツアーは、新卒採用支援プラットフォームを運営しており、学生と企業の新しい接点づくりを事業としている。今回の調査は文系学生15,111名、理系学生1,783名を含む計16,894名の登録者を対象に、ウェブアンケート形式で行われた。
高齢化が進む日本において、介護・福祉分野の人材確保は喫緊の社会課題となっている。業界の魅力を伝えると同時に、労働環境や処遇の改善が、若い世代の関心を引き寄せる鍵となりそうだ。
参照元
PR TIMES「【23〜26卒 業界別イメージ調査】介護・福祉業界への就活を検討する学生は10.5%。社会貢献性の高さは認識されるも、働き方などの就業条件にマイナスイメージが。」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000058834.html

