介護離職予防は40歳から!3段階で備える実践ガイド【2025年最新】

福祉経営
  1. 介護離職を防ぐには、介護が始まる前からの準備が不可欠です
  2. なぜ今、介護離職予防が必要なのか
    1. 増え続ける介護離職者の実態
    2. 40代〜50代が最も危険な世代
    3. 「予防」の重要性
  3. 介護離職予防の3段階アプローチ
    1. 第1段階:40歳時点での情報収集期
    2. 第2段階:45歳前後での具体的準備期
    3. 第3段階:介護直前期の体制整備
  4. 【実践編】段階別チェックリストと具体的行動
    1. 第1段階(40歳時点)で今すぐできる3つのこと
      1. 1. 自社の介護支援制度を確認する(所要時間:30分)
      2. 2. 介護保険制度の基礎を学ぶ(所要時間:1時間)
      3. 3. 親とのコミュニケーションを始める(所要時間:継続的に)
    2. 第2段階(45歳前後)で準備すべき3つのこと
      1. 1. 地域包括支援センターとつながる(所要時間:1時間)
      2. 2. 職場に家族状況を伝える(所要時間:30分)
      3. 3. 経済的な備えを確認する(所要時間:2時間)
    3. 第3段階(介護直前期)で整えるべき3つのこと
      1. 1. 要介護認定の申請準備(所要時間:2時間)
      2. 2. 職場での具体的なプラン共有(所要時間:1時間)
      3. 3. 家族間での役割分担確定(所要時間:2時間)
  5. 介護離職予防に失敗する3つのパターンと対策
    1. パターン1:「まだ大丈夫」の先延ばし
    2. パターン2:一人で抱え込んでしまう
    3. パターン3:会社に言い出せない
  6. よくある質問(FAQ)
  7. まとめ:今日から始める介護離職予防の第一歩

介護離職を防ぐには、介護が始まる前からの準備が不可欠です

年間10.6万人が介護や看護を理由に離職している現実をご存じでしょうか。介護離職予防とは、親の介護が必要になる前から計画的に準備を進めることです。40歳を起点に3段階で備えることで、仕事と介護の両立が可能になります。

この記事では、実際に介護と仕事を両立した方々の声や、企業調査データから見えてきた「準備しておけばよかったこと」を基に、今日から始められる具体的な予防策を解説します。特に40代〜50代の働き盛り世代に向けて、段階別のチェックリストと実践的なアクションプランをお伝えします。

なぜ今、介護離職予防が必要なのか

増え続ける介護離職者の実態

総務省の就業構造基本調査によると、2021年10月から2022年9月の1年間で、介護・看護を理由に離職した人は約10.6万人に上ります。この数字は5年前と比較して増加傾向にあり、今後も団塊世代の高齢化に伴いさらに増えると予測されています。

調査機関による調査では、企業の7.3%で介護離職者が発生しており、今後「増える」と回答した企業は65.2%に達しました。つまり、介護離職は他人事ではなく、誰もが直面する可能性のある問題なのです。

40代〜50代が最も危険な世代

介護離職者の大半は40代から50代の働き盛り世代です。この年代は企業で中核を担う一方、親が70代〜80代を迎え、要介護状態になる可能性が高まる時期と重なります。キャリアのピーク時に突然訪れる介護によって、経済的損失だけでなく、精神的な負担や社会的孤立のリスクも高まります。

「予防」の重要性

介護関連の調査では、働きながら介護をする人の55%以上が「準備しておけばよかったこと」として「介護の相談先を知っておくこと」を挙げています。介護が始まってから慌てて対応するのではなく、事前に情報を収集し、支援体制を整えておくことが、介護離職を防ぐ最大の鍵となります。

介護離職予防の3段階アプローチ

介護離職を防ぐには、年齢や状況に応じた段階的な準備が効果的です。以下の3段階で計画的に備えましょう。

第1段階:40歳時点での情報収集期

この段階では、介護保険制度の基礎知識を身につけ、将来の選択肢を知ることが目的です。介護保険料の支払いが始まる40歳は、自分や家族の介護について考え始める最適なタイミングです。

2025年4月の育児・介護休業法改正により、企業には40歳に達した従業員への介護制度情報提供が義務付けられました。会社から提供される情報をしっかり確認し、自社にどんな支援制度があるか把握しておきましょう。

第2段階:45歳前後での具体的準備期

親が70代に入るこの時期は、具体的な準備を始める段階です。親の健康状態や生活環境を確認し、地域の相談窓口とつながりを作ります。また、職場には家族構成や将来的な介護の可能性を伝え、理解を得ておくことで、いざという時にスムーズに支援制度を利用できます。

第3段階:介護直前期の体制整備

親の体調変化や通院頻度が増えてきたら、介護開始直前のサインです。この段階では、要介護認定の申請準備、地域包括支援センターへの相談、職場への正式な状況共有を行います。介護休業や時短勤務などの制度利用の具体的なプランを立て、家族間での役割分担も明確にしておきましょう。

【実践編】段階別チェックリストと具体的行動

第1段階(40歳時点)で今すぐできる3つのこと

1. 自社の介護支援制度を確認する(所要時間:30分)

就業規則や社内イントラネットで以下の項目をチェックしましょう。

  • 介護休業の取得日数(法定は93日、企業独自に延長している場合も)
  • 介護休暇の年間日数(1人の場合5日、2人以上10日)
  • 時短勤務やフレックス制度の有無
  • テレワーク制度の利用条件
  • 人事部門の相談窓口連絡先

2. 介護保険制度の基礎を学ぶ(所要時間:1時間)

厚生労働省の公式情報や自治体の介護保険ガイドブックで以下を確認します。

  • 要介護認定の申請方法
  • 利用できる介護サービスの種類
  • 介護にかかる費用の目安
  • 地域包括支援センターの場所と連絡先

3. 親とのコミュニケーションを始める(所要時間:継続的に)

親が元気なうちに、将来について話し合う習慣をつけましょう。

  • 現在の健康状態や通院状況の確認
  • 将来的な介護への希望(自宅か施設か)
  • 兄弟姉妹がいる場合の連絡体制構築

第2段階(45歳前後)で準備すべき3つのこと

1. 地域包括支援センターとつながる(所要時間:1時間)

親の居住地の地域包括支援センターを訪問または電話で相談します。担当エリアのケアマネージャーや利用できるサービスについて情報を得て、いざという時の相談先を確保しておきましょう。訪問時には、親の現在の状況や将来的な不安を率直に伝えることで、適切なアドバイスが得られます。

2. 職場に家族状況を伝える(所要時間:30分)

上司や人事担当者に、将来的に親の介護が必要になる可能性を伝えます。このタイミングで伝えておくことで、いざという時に「突然の申し出」にならず、職場の理解と協力が得やすくなります。

伝え方の例: 「親が70代になり、将来的に介護が必要になる可能性があります。その際は介護休業制度などを利用させていただくかもしれませんので、事前にお伝えしておきます。制度の詳細について教えていただけますか」

3. 経済的な備えを確認する(所要時間:2時間)

介護には月額平均8万円程度の費用がかかるとされています。在宅介護サービスの利用費用、施設入居の場合の費用、自分の収入減少への備えなど、金銭的なシミュレーションを行いましょう。必要に応じて、親の資産状況についても話し合っておくことが重要です。

第3段階(介護直前期)で整えるべき3つのこと

1. 要介護認定の申請準備(所要時間:2時間)

親の体調変化が見られたら、地域包括支援センターまたは市区町村窓口で要介護認定の申請を行います。申請から認定まで約1か月かかるため、早めの行動が肝心です。認定後はケアマネージャーと連携してケアプランを作成し、必要なサービスを組み合わせます。

2. 職場での具体的なプラン共有(所要時間:1時間)

介護開始時期の見通しが立ったら、上司や人事担当者と以下の点を相談します。

  • 介護休業の取得時期と期間
  • 復帰後の働き方(時短勤務、フレックス、テレワーク)
  • 業務の引き継ぎ計画
  • 緊急時の連絡体制

この段階での丁寧なコミュニケーションが、スムーズな制度利用と職場復帰につながります。

3. 家族間での役割分担確定(所要時間:2時間)

兄弟姉妹がいる場合は、誰がどの役割を担うか明確にします。一人に負担が集中すると、その人が離職リスクを抱えることになります。直接介護、金銭的支援、手続き関連の対応など、それぞれの状況に応じた分担を決めておきましょう。定期的な情報共有の方法(グループチャットなど)も設定しておくと安心です。

介護離職予防に失敗する3つのパターンと対策

パターン1:「まだ大丈夫」の先延ばし

親が元気なうちは「まだ介護なんて先のこと」と考えがちです。しかし、体調の急変や転倒による骨折など、介護は突然始まることが多いのです。実際に、準備不足のまま介護が始まった人の多くが「もっと早く情報収集しておけばよかった」と後悔しています。

対策:40歳の誕生日を「介護準備開始日」と決める 誕生日や年度初めなど、明確な日付を設定して情報収集を始めましょう。年に1回、親の誕生日などに健康状態を確認する習慣をつけるのも効果的です。

パターン2:一人で抱え込んでしまう

「家族のことで職場に迷惑をかけたくない」という思いから、誰にも相談せず一人で対応しようとするパターンです。調査機関による調査では、介護離職者の54.7%が介護休業や休暇制度を利用していませんでした。制度を知らなかった、または使いづらいと感じて利用しなかったケースが大半です。

対策:職場と地域の相談窓口を早期に確保する 45歳前後で職場に状況を伝え、地域包括支援センターとつながっておくことで、いざという時に助けを求めやすくなります。「相談する」ことは迷惑ではなく、むしろ計画的な対応として評価されます。

パターン3:会社に言い出せない

「昇進に影響するのでは」「評価が下がるのでは」という不安から、介護の事実を隠してしまうパターンです。しかし、育児・介護休業法では、介護を理由とした不利益な取扱いは禁止されています。また、2025年4月の法改正により、企業には従業員が介護制度を利用しやすい環境整備が義務付けられました。

対策:段階的な情報共有で信頼関係を構築する いきなり「介護休業を取ります」ではなく、「将来的に可能性があります」という早期の情報共有から始めることで、職場の理解を得やすくなります。また、人事部門や相談窓口を通じて、守秘義務のある環境で相談するのも一つの方法です。

よくある質問(FAQ)

Q1: 40歳になったら具体的に何から始めればいいですか?

A: まず自社の介護支援制度を就業規則で確認し、地域包括支援センターの連絡先を調べましょう。30分程度で完了し、将来の安心につながります。

Q2: 会社にはいつ頃、どのように伝えるべきですか?

A: 親が70代に入る45歳前後が理想的なタイミングです。「将来的に介護の可能性があり、その際は制度を利用させていただくかもしれません」と前向きに伝えることで、職場の理解が得られます。

Q3: 親がまだ元気なうちから準備するのは早すぎませんか?

A: 早すぎることはありません。介護は突然始まることが多く、準備不足での対応は離職リスクを高めます。元気なうちだからこそ、落ち着いて情報収集や話し合いができます。

Q4: 兄弟姉妹がいる場合、どう役割分担すればよいですか?

A: 居住地、仕事の状況、経済力などを考慮し、直接介護、金銭的支援、手続き対応などそれぞれができることを分担します。定期的な情報共有の仕組みも重要です。

Q5: 介護休業給付金はどれくらいもらえますか?

A: 介護休業を取得すると、雇用保険から休業開始前賃金の67%が支給されます。対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として利用できます。

まとめ:今日から始める介護離職予防の第一歩

介護離職予防の鍵は「介護が始まる前からの計画的な準備」です。40歳を起点に、情報収集→具体的準備→体制整備という3段階で備えることで、いざという時も慌てず対応できます。

今日からできるアクションは、自社の介護支援制度を確認し、親の居住地の地域包括支援センターの連絡先を調べることです。たった30分の行動が、将来のあなた自身とご家族の生活を守ることにつながります。

「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、今この瞬間から介護離職予防の第一歩を踏み出しましょう。

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