【非営利団体必見】Microsoft 365とは?無料で使える非営利団体向けプログラムを徹底解説

非営利割引ツール

1. Microsoft 365とは

Microsoft 365は、WordやExcelなどのOfficeアプリケーションに加え、メール、オンラインストレージ、ビデオ会議など、業務に必要なツールが統合されたクラウド型グループウェアです。非営利団体では、メンバー間の情報共有、ボランティア管理、活動記録の保存など、日常業務のあらゆる場面で活用できます。

一番の魅力は、非営利団体向けプログラムにより、最大300ユーザーまでのBusiness Basic寄贈版が完全無料で利用できること。独自ドメインのメール、1TBのクラウドストレージ、Teams会議(最大300人)などの機能を無償で使えるため、IT予算が限られた団体でもプロフェッショナルな業務環境を整えられます。

2. サービス基本情報

どんなツールか
Microsoft 365は、マイクロソフトが提供するクラウド型の総合業務プラットフォームです。デスクトップ版およびWeb版のOfficeアプリ(Word、Excel、PowerPoint、Outlook)、Microsoft Teams(チャット・ビデオ会議)、OneDrive(クラウドストレージ)、SharePoint(ファイル共有)など、組織運営に必要な機能がオールインワンで提供されます。インターネット接続があればどこからでもアクセスでき、常に最新バージョンが利用できます。

非営利団体は無料/割引で使えるか
はい。対象団体はBusiness Basic寄贈版を最大300ユーザーまで完全無料で利用できます。301ユーザー以上や上位プランが必要な場合も、通常価格より最大75%割引の特別価格で提供されます。また、Microsoft 365 Copilot(AI機能)も15%割引で追加できます。

提供している会社
Microsoft Corporation(本社:アメリカ)/ 日本マイクロソフト株式会社(日本法人)

3. どんな団体におすすめ?

組織の規模

  • 小規模団体(1~10名):無料のBusiness Basic寄贈版で十分な機能を利用可能
  • 中規模団体(11~300名):無料の300ユーザー枠内で全員に付与できる
  • 大規模団体(301名以上):301ユーザー目以降も割引価格で追加可能

具体的な使用場面

  • リモートワークを推進したい:Teamsで自宅やカフェからオンライン会議やチャットが可能
  • 独自ドメインのメールが欲しい:info@npo-example.orgのような信頼性の高いメールアドレスを取得
  • ファイルを安全に共有したい:OneDriveで1TBのクラウドストレージを活用し、スタッフ間でファイル共有
  • Officeソフトが必要:Word、Excel、PowerPointの最新版を使いたい(Business Standard以上が必要)
  • ボランティアのスケジュール管理:Teamsのシフトアプリでボランティアの勤務シフトを一元管理

4. できること(主要機能)

機能1:Microsoft Teams(チャット・ビデオ会議)

最大300人が参加できるオンライン会議を開催でき、画面共有、録画、チャット、リアクション機能などが使えます。チャンネル機能でプロジェクトごとに会話を整理でき、ボランティアやスタッフとの日常的なコミュニケーションもスムーズです。シフトアプリを使えば、ボランティアのスケジュール管理も簡単に行えます。

機能2:独自ドメインのメール(Exchange Online)

団体専用のドメイン(例:@npo-yourorganization.jp)でメールアドレスを作成できます。1ユーザーあたり50GBの大容量メールボックスを使え、スパム対策やウイルス対策も標準搭載。Outlookアプリで複数デバイスからアクセスでき、スケジュール管理も同時に行えます。

機能3:OneDrive for Business(1TB クラウドストレージ)

1ユーザーあたり1TB(1,000GB)のクラウドストレージが利用できます。活動報告書、写真、動画などを安全に保存し、リンク共有で外部の人とも簡単にファイル交換が可能。自動バックアップ機能により、データ消失のリスクを軽減できます。

機能4:SharePoint(チーム内情報共有サイト)

チームや部署ごとに専用の情報共有サイトを作成できます。議事録、規約、マニュアルなどを一箇所に集約し、メンバー全員がアクセス可能。バージョン管理機能により、ファイルの更新履歴も追跡できるため、誤って古いバージョンを使ってしまう心配がありません。

機能5:Microsoft 365 アプリ(Office)

Business Standard以上のプランでは、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどのデスクトップ版Officeアプリケーションを最大5台のデバイスにインストールできます。常に最新バージョンが利用でき、買い切り版のように古いバージョンを使い続ける必要がありません。Web版・モバイル版はBasicプランでも利用可能です。

5. 非営利団体の特典

無料/割引の詳細

特典の種類内容
完全無料プランBusiness Basic寄贈版を最大300ユーザーまで無料
割引プランBusiness Standard、Business Premium、Enterprise E3/E5などが最大75%割引
AI機能割引Microsoft 365 Copilotが15%割引(年額プランで月額$25.50 USD/ユーザー)
サポート一般企業と同じサポートチャネルを利用可能

重要な変更点(2025年5月発表)
2025年7月1日以降、Business Premium寄贈版(無料)とOffice 365 E1寄贈版は提供終了となりました。現在無料で利用できるのはBusiness Basic寄贈版のみです。それ以外のプランは割引価格での提供となります。

通常プランとの違い
無料のBusiness Basic寄贈版は、Web版・モバイル版のOfficeアプリ、Teams、Exchange Online、OneDrive(1TB)、SharePointなどの主要機能を含みます。ただし、デスクトップ版のOfficeアプリ(Word、Excel、PowerPointなど)は含まれません。デスクトップ版が必要な場合は、割引価格のBusiness Standardプラン(通常月額1,496円→非営利団体向け割引価格)を選択できます。

どんな法人が対象か

日本国内で以下の条件を満たす団体が対象です:

  • 特定非営利活動法人(NPO法人)
  • 公益社団法人・公益財団法人
  • 一般社団法人・一般財団法人(非営利型)
  • 社会福祉法人
  • 公立の図書館、博物館、美術館

ただし、以下は対象外です:

  • 政府機関、自治体
  • 学校、大学(教育機関向けプログラムが別途あり)
  • 病院・医療機関
  • 営利型の一般社団法人

6. 始め方

申請のステップ

  1. 利用資格を確認
    Microsoft非営利団体向けプログラムの公式サイトで、自団体が対象かどうかを確認します
  2. 申請フォームに入力
    https://www.microsoft.com/ja-jp/nonprofits/eligibility から「始める」をクリックし、団体情報(名称、所在地、法人格、代表者情報)を入力
  3. 必要書類をアップロード
    登記簿謄本、定款などの書類をPDF形式でアップロードします
  4. 審査を待つ
    Microsoftまたはパートナー組織(TechSoupなど)による審査が行われます
  5. 承認通知を受け取る
    審査に通過すると、メールで通知が届きます
  6. Microsoft 365管理センターにアクセス
    承認後、管理センターにログインして必要なプランを選択・購入(無料の場合も「購入」手続きが必要)します
  7. ユーザーを追加し、ライセンスを割り当て
    スタッフやボランティアのアカウントを作成し、各自にライセンスを割り当てます
  8. 独自ドメインを設定(推奨)
    団体専用のメールドメインを設定します(例:@npo-example.org)

必要な書類

  • 登記簿謄本(法人の登記情報)
  • 定款
  • 事業報告書
  • 決算報告書(場合により)

これらの書類はPDFなどの電子ファイルで提出します。

申請から使えるまでの期間

  • 申請受付から審査完了まで:約5~10営業日
  • 審査完了後、すぐに利用開始可能
  • 独自ドメインの設定には追加で1~2日程度

合計で約1~2週間程度を見込んでおくとよいでしょう。

申請ページのURL
https://www.microsoft.com/ja-jp/nonprofits/eligibility

7. 料金比較

項目一般向け(年契約/月払い)非営利団体向け
Business Basic(グループウェアのみ)約990円/月/ユーザー完全無料(最大300ユーザー)
Business Standard(Officeアプリ込み)約1,496円/月/ユーザー割引価格(具体的な価格は個別見積もり、約75%オフ)
Business Premium(セキュリティ強化)約2,750円/月/ユーザー割引価格(具体的な価格は個別見積もり、約75%オフ)
Microsoft 365 Copilot(AI機能)$30/月/ユーザー$25.50/月/ユーザー(15%オフ)
300ユーザーの年間コスト(Basic)約356万円/年完全無料

※2025年4月に一部プランで5%程度の値上げが実施されました
※非営利団体向けの具体的な割引価格は、Microsoft管理センターで確認するか、Tech for Social Impact パートナーデスクに問い合わせる必要があります

8. 使い方の例

例1:リモートワーク環境の構築
NPO法人の事務局スタッフ10名が、それぞれ自宅や外出先から業務を行う体制を作ります。無料のBusiness Basic寄贈版を申請し、各スタッフに独自ドメインのメールアドレス(staff1@npo-example.org)を付与。Microsoft Teamsでオンライン朝礼を毎日実施し、進捗報告をチャットで共有。助成金申請書などの重要書類はOneDriveに保存し、どこからでもアクセス可能に。これにより、事務所の賃料削減とスタッフの働き方の柔軟化を同時に実現できます。

例2:ボランティアのシフト管理
環境保全活動を行う団体が、週末ごとに集まるボランティア30名のスケジュール管理をTeamsのシフトアプリで実施。各ボランティアにシフトを割り当て、変更や欠席連絡もアプリ内で完結。活動前日に自動リマインダーが送信されるため、連絡漏れがなくなります。活動後は、当日撮影した写真をTeamsのチャンネルに投稿し、参加できなかったメンバーとも活動内容を共有できます。

例3:複数拠点の情報統合
全国5拠点で活動する社会福祉法人が、各拠点のスタッフ合計80名で情報を共有。SharePointに各拠点の活動報告、マニュアル、研修資料を一元管理し、全スタッフがアクセス可能に。月1回の全体会議はTeamsで実施し、移動コストと時間を削減。OneDriveでは利用者の個人記録を暗号化して保存し、セキュリティを確保しながら必要な人だけがアクセスできる権限設定を行います。

9. 注意点

使えない場合

  • 政府機関、自治体は対象外
  • 学校、大学、専門学校などの教育機関は別プログラム(Microsoft 365 Education)を利用
  • 病院、診療所などの医療機関は対象外
  • 営利型の一般社団法人は対象外(非営利型のみ可)
  • 拠点国で法的に認められた非営利団体でない場合は対象外

制限事項

  • 無料のBusiness Basic寄贈版は最大300ユーザーまで(301人目以降は割引価格で追加)
  • 寄贈版ライセンスは有給職員と無報酬の幹部スタッフのみが対象(ボランティア、参加者、寄付者は割引版を利用)
  • 利用率の維持が必要:過去90日以内に少なくとも1つのクラウドサービスを利用したユーザーがアクティブとみなされ、全寄贈ライセンスの85%以上がアクティブである必要があります
  • 無料プランの購入手続きにクレジットカード登録が必要(料金は発生しませんが、システム上の要件)
  • 2025年7月以降、Business Premium寄贈版(無料)は提供終了。無料はBasic寄贈版のみ

うまく使うコツ

  • 段階的に導入する:まずはメールとTeamsだけから始め、慣れてきたらOneDrive、SharePointと範囲を広げましょう
  • 管理者を育成する:団体内に1~2名、Microsoft 365の設定変更ができる管理者を育成することが重要です
  • Microsoft Learn(無料学習サイト)を活用:公式の無料学習プラットフォームで基本操作を習得できます
  • TechSoupなどのパートナー組織に相談:日本国内のNPO支援組織(TechSoup Japan、NPOサポートセンターなど)に設定サポートを依頼できる場合があります
  • 定期的に利用状況を確認:85%以上のアクティブ利用率を維持するため、使われていないライセンスは削除しましょう

10. よくある質問

Q1. 無料のBusiness Basicプランで、Word・Excel・PowerPointは使えますか?
A. Web版とモバイル版は利用できます。ただし、パソコンにインストールするデスクトップ版は含まれません。デスクトップ版が必要な場合は、割引価格のBusiness Standardプラン以上を選択してください。

Q2. ボランティアにもライセンスを付与できますか?
A. 無料の寄贈版ライセンスは有給職員と無報酬の幹部スタッフのみが対象です。ボランティアには割引版ライセンスを購入するか、外部ゲストとして招待する方法があります。外部ゲストは個人のMicrosoftアカウントでTeamsやSharePointにアクセスできます。

Q3. すでに一般向けのMicrosoft 365を契約していますが、非営利団体向けプランに切り替えられますか?
A. はい、可能です。非営利団体向けプログラムに申請・承認後、既存契約を解約し、新しい非営利団体向けプランを契約します。データ移行が必要な場合は、Microsoftサポートやパートナー企業に相談することをおすすめします。

Q4. 独自ドメインのメールアドレスはどうやって取得しますか?
A. ドメイン取得サービス(お名前.comなど)で独自ドメインを取得後、Microsoft 365管理センターでドメインを追加・認証します。手順はやや複雑なため、IT担当者がいない場合はパートナー企業に設定サポートを依頼することをおすすめします。

Q5. 非営利団体プログラムの利用資格は更新が必要ですか?
A. はい。Microsoftは定期的に団体の利用資格を再確認します。リマインダーが届いたら、必要な証明書類を提出して資格を維持する必要があります。証明を完了しなかった場合、プログラムの利用資格を失う可能性があります。

11. 似たツールとの比較

Google Workspace for Nonprofits(Google)
Googleが提供する非営利団体向けグループウェアで、Gmail、Googleドライブ(100TB)、Google Meet、Googleカレンダーなどが完全無料で利用できます。Officeファイルの互換性では若干劣りますが、リアルタイム共同編集に優れています。Google製品に慣れている団体や、容量重視の団体にはおすすめです。

Slack(Slack Technologies)
チャットに特化したコミュニケーションツールで、シンプルで直感的な操作が魅力です。無料プランもありますが、メッセージ履歴が90日間のみで、非営利団体向けの特別割引プログラムはありません。Teamsと比較すると、メール機能やOfficeアプリとの統合性では劣ります。

Zoho Workplace(Zoho Corporation)
低価格のグループウェアとして人気があり、非営利団体向け割引プログラムも提供しています。Microsoft 365より安価ですが、日本語サポートや国内での導入事例はMicrosoft 365より少なく、Officeファイルとの互換性も完全ではありません。

Microsoft 365を選ぶべき理由
Microsoft 365は、Officeアプリケーションとの完全な互換性、充実した日本語サポート、豊富な導入事例という3つの強みがあります。特に、助成金申請書や報告書など、Wordファイルでのやり取りが多い非営利団体にとって、Officeとの親和性は大きなメリットです。また、300ユーザーまで完全無料という圧倒的なコストパフォーマンスも他のツールにはない魅力です。

12. まとめ

Microsoft 365は、非営利団体の業務効率化とコミュニケーション改善を実現する総合的なクラウドプラットフォームです。最大300ユーザーまで完全無料のBusiness Basic寄贈版を利用でき、メール、Teams、OneDrive、SharePointなど、団体運営に必要な機能がすべて揃っています。上位プランも最大75%割引で提供されるため、デスクトップ版Officeや高度なセキュリティ機能が必要な場合も手頃な価格で導入できます。

リモートワーク、ボランティア管理、情報共有など、非営利団体が直面する様々な課題を解決できるツールとして、世界中の多くの団体が活用しています。無料トライアルはありませんが、申請後すぐに利用開始できるため、まずは必要最小限のユーザー数から始めて、徐々に拡大していくことをおすすめします。次にやるべきこと
まずは公式サイト(https://www.microsoft.com/ja-jp/nonprofits/eligibility)で利用資格を確認し、必要書類(登記簿謄本、定款など)を準備しましょう。申請から約1~2週間で利用開始できるため、早めに手続きを始めることが重要です。設定に不安がある場合は、TechSoup JapanやNPOサポートセンターなどのパートナー組織に相談することもできます。

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